【2024年】ZEH(ゼッチ)ハウスメーカーランキング。おすすめはこの会社!

2023-11-17

近年、電気代の高騰や政府の後押し(ZEH関連の補助金)などもありZEH(ゼッチ)への注目度が高まっています。

注文住宅をZEH仕様で建てる施主さんも年々増えてきていますので、当記事では普及率の高いハウスメーカーをランキング形式でご紹介していきます。

またZEHの解説やメリット&デメリットなども合わせて紹介していきたいと思います。

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ZEH(ゼッチ)とは

そもそもZEHとはどういった住宅なのかを説明していきます。

「ZEH」はnet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略です。"エネルギーをゼロ以下にする家"という意味になります。

つまり、自宅で消費するエネルギー量と自宅で創るエネルギー量の収支がゼロ、もしくはゼロ以下となる住宅の事をZEHと呼びます。

ZEHは創るエネルギー量≧使うエネルギー量」となる住宅の事です。

ちなみに…
よく「ZEH住宅」と書かれている事もありますが、"H"がハウスの意味なので、ZEH住宅だと「頭痛が痛い」「右に右折」みたいな二重表現となり本来は変な使い方ですが、分かりやすく語呂も良いのでよく見かけます。私も敢えてそう書く時もあります..

ZEHの定義

資源エネルギー庁が定めるZEHの定義には以下のような文言が記載されています。

・以下の①~④のすべてに適合した住宅
①.ZEH強化外皮基準(地域区分1~8地域の平成28年省エネルギー基準(ηAC値、気密・防露性能の確保等の留意事項)を満たした上で、UA値[W/㎡k] 1・2地域:0.40以下、3地域:0.50以下、4~7地域:0.60以下)

②.再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から 20%以上の一次エネルギー消費量削減

③.再生可能エネルギーを導入(容量不問)

④.再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減

資源エネルギー庁 ~ZEHの定義(改定版)~

ちょっとお堅い書き方なので、もっと分かりやすく簡潔に書くと

①.断熱性能の優れた家にする事!

全ての地域で省エネ基準よりもワンランク上の断熱性能(=UA値)を達成しなさいという意味です。

UA値の基準値

地域区分1234567
H28年省エネ基準0.460.460.560.750.870.870.87
ZEH基準0.400.400.500.600.600.600.60
HEAT20 G10.340.340.380.460.480.560.56
HEAT20 G20.280.280.280.340.340.460.46
HEAT20 G30.200.200.200.230.230.260.26
地域区分表

1・2地域は0.4以下、3地域は0.5以下、4~7地域は0.6以下のUA値(断熱性能)があればOKです。

熱伝導率の低い断熱材を使用する、断熱材の厚みを増す、窓の高断熱化などで基準をクリアしていきます。

②.あまりエネルギーを使わない省エネな住宅にする事!

一次エネルギー消費量を省エネ基準よりも20%以上削減しなさいという意味です。一時エネルギーとは住宅で使われる設備機器(冷暖房、換気、照明、給湯)のエネルギーの事です。

TVやAV機器、掃除機といった家電や、冷蔵庫や電子レンジなどの調理家電によるエネルギー消費は一時エネルギーには含まれません。

省エネ性能の高い設備を導入する事で基準をクリアしていきます。

③.太陽光発電などの電力をつくる設備を導入する事!

自宅で発電できる太陽光発電やエネファームなどの設備を導入して下さいね、という事です。

④.創エネルギー量-消費エネルギー量=0以上にする事!

太陽光発電などで創ったエネルギー量が消費エネルギー量を上回りなさいという事です。プラスマイナス0でも大丈夫です。

以上①~④全ての条件を満たす住宅であればZEHと認められます。

ZEHの種類

ZEHには「ZEH」以外にも「ZEH+」「次世代ZEH+」「Nearly ZEH」「Nearly ZEH+」「ZEH Oriented」の7種類があります。

それぞれの定義を出来るだけ分かりやすく紹介していきます。

ZEH+

ZEHよりも更に高性能が求められる住宅です。

ZEHの場合は20%以上の一次エネルギー消費量削減が求められますが、ZEH+は25%以上削減する必要があります。

また、以下の3つの要件の内2つ以上を満たす必要があります。

1.外皮性能の更なる強化

具体的には1・2地域ではUA値0.3以下、3・4地域では0.4以下、5~7地域では0.5以下が基準となります。

2.高度エネルギーマネジメント

HEMSにより、太陽光発電設備等の発電量等を把握したうえで住宅内の暖冷房設備、給湯設備、省エネ設備等を制御可能な状態にする事。

3.電気自動車等を活用した自家消費の拡大措置

太陽光発電設備等により発電した電力を電気自動車に充電することを可能とする設備又は電気自動車と住宅間で電力を充放電することを可能とする設備を設置する事。

次世代ZEH+

ZEH+の要件を満たした上で、更なる自家消費拡大を目指す措置として以下1~4の要件の内、1つ以上を導入した住宅の事です。

1.蓄電システム
2.燃料電池
3.V2H充電設備(充放電設備)
4.太陽熱利用温水システム

Nearly ZEH

Nearly ZEHはZEHの基準をクリアする事が難しい、日照時間が少ない地域や積雪量が多い地域に配慮して生まれたZEHの種類です。

省エネルギー基準地域区分の1,2地域、年間の日射地域区分A1,A2地域が対象となり北海道や東北の一部エリアのみが対象地域となります。

Nearly ZEHの定義はZEHの定義の①~③までは同じです。④がやや緩和されており以下の通りとなっています。

④.再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から75%以上 100%未満の一次エネルギー消費量削減

積雪も多く日照時間も少ないエリアは太陽光発電など必要な設備を揃えてもゼロエネルギーにならない事もあるので、消費エネルギーを75%以上減らす事が出来ればNearly ZEHと認められます。

Nearly ZEH+

ZEHからZEH+になる時の要件と同じで、Nearly ZEH+はNearly ZEHの要件を満たしつつ、25%以上の一次エネルギー消費量削減が求められます。

また、以下の3つの要件の内2つ以上を満たす必要があります。

1.外皮性能の更なる強化

具体的には1・2地域ではUA値0.3以下、3・4地域では0.4以下、5~7地域では0.5以下が基準となります。

2.高度エネルギーマネジメント

HEMSにより、太陽光発電設備等の発電量等を把握したうえで住宅内の暖冷房設備、給湯設備、省エネ設備等を制御可能な状態にする事。

3.電気自動車等を活用した自家消費の拡大措置

太陽光発電設備等により発電した電力を電気自動車に充電することを可能とする設備又は電気自動車と住宅間で電力を充放電することを可能とする設備を設置する事。

ZEH Oriented

ZEH Orientedは太陽光パネルの設置が難しい狭小地に建てる住宅に配慮して生まれたZEHの種類です。

狭小地(北側斜線制限の対象となる用途地域で、敷地面積が85㎡未満である土地)に建てられる住宅が対象となります。ただし平屋は除きます。

ZEHの定義の①.②を満たす必要があります。

③の再生可能エネルギーの導入と④の100%以上の消費量削減は求められません。

ZEHの各種類の定義早見表

UA値基準値からの削減率
(再生可能エネルギーを除く)
基準値からの削減率
(再生可能エネルギーを含む)
その他要件
ZEH1・2地域:0.4以下
3地域:0.5以下
4~7地域:0.6以下
-20%100%以上
ZEH+1・2地域:0.3以下
3・4地域:0.4以下
5~7地域:0.5以下
-25%ZEH基準以下の内2つ以上を満たす。
1.外皮性能の更なる強化
2.高度エネルギーマネジメント
3.電気自動車等を活用した自家消費の拡大措置
次世代ZEH+ZEH+基準ZEH+基準ZEH基準ZEH+基準を満たしつつ、以下の内1つ以上を導入
1.蓄電システム
2.燃料電池
3.V2H充電設備(充放電設備)
4.太陽熱利用温水システム
Nearly ZEHZEH基準ZEH基準75%以上
Nearly ZEH+ZEH基準ZEH+基準ZEH基準ZEH+基準
ZEH OrientedZEH基準ZEH基準

ZEHハウスメーカーランキング

ZEHの普及実績率(自社が受注する住宅のうちZEHが占める割合)の高い方から順にランキング形式でご紹介していきます。

ZEHが占める割合の多いハウスメーカーはZEHの建築実績が豊富でZEHを得意としているので、ZEHを検討されている方に特におすすめ出来るハウスメーカーです。

ランキング作成にあたり調べたハウスメーカーはZEHビルダーとして登録されている中堅以上のハウスメーカー30社です。

尚、ZEH普及の実績は北海道の区分(A登録)と北海道以外の都道府県の区分(B登録)に分けられています。

今回ご紹介するランキングは北海道以外の都道府県を対象としたB登録でのZEH普及率のランキングです。(追記:北海道を対象とした区分(A登録)の普及率も調べたのでA登録のランキングも追加しておきました。)

アイダ設計/アイフルホーム/アイ工務店/アエラホーム/アキュラホーム/イシカワ/クレバリーホーム/スウェーデンハウス/セキスイハイム/ダイワハウス/タマホーム/トヨタホーム/パナソニックホームズ/ヒノキヤグループ/ヘーベルハウス/ミサワホーム/ヤマダホームズ/ヤマト住建/ユニバーサルホーム/一条工務店/三井ホーム/三菱地所ホーム/秀光ビルド/住宅情報館/住友不動産/住友林業/積水ハウス/土屋ホーム/日本ハウスHD/富士住建

ZEHの普及実績率ランキング

2022年度の実績率の高い方から順に並べています。

順位ハウスメーカーZEH率
(自社が受注した住宅のうちZEHが占める割合)
2022年度実績2021年度実績2020年度実績
1位一条工務店99%98%96%
2位セキスイハイム94%89%85%
3位積水ハウス93%92%91%
4位ヤマト住建88%77%78%
5位ダイワハウス86%53%50%
6位トヨタホーム82%71%58%
7位ヘーベルハウス81%67%66%
8位住友林業79%73%56%
8位三井ホーム79%61%53%
10位ミサワホーム77%61%42% 

1位:一条工務店(ZEH率99%)

一条工務店
出典:一条工務店

一条工務店は「家は、性能。」のキャッチコピー通り、性能の高さで人気を集めるハウスメーカーです。

一条工務店の人気商品「グランスマート」や「アイスマート」では標準仕様で外壁・天井・床に高性能ウレタンフォーム断熱材を採用、外壁には外側に50mm、内側に140mmとダブルで使用されています。

窓の仕様はLow-Eトリプル樹脂サッシで国が定めるZEH基準を2倍も上回る断熱性能を有しており太陽光発電は一条オリジナルの屋根一体型太陽光パネルで見た目も損なわれずパネルの設置が出来ます。ZEH率ランキング堂々の第一位です。

ご紹介したハウスメーカーのZEHカタログはこちら
※地域やタイミングにより候補に出ないHMもあります。

2位:セキスイハイム(ZEH率94%)

セキスイハイム
出典:セキスイハイム

セキスイハイムは住まいの80%を工場で仕上げるユニット工法を採用しているのが特徴で、鉄骨系も2×6材を使用した木質系も取り扱っています。

標準の断熱仕様で基礎断熱材にはポリスチレンフォーム、窓の仕様はアルミ樹脂複合サッシを採用しています。木の家には14cmの厚みのある高性能グラスウールを採用、鉄骨系・木質系共に高断熱仕様です。

地域の気象警報に応じて、蓄電池やエコキュートの運転をコントロールするスマートハイムナビ(HEMS)も標準で搭載されており、電気の使用状況から効果的な省エネアドバイスなども行ってくれます。

3位:積水ハウス(ZEH率93%)

積水ハウス
出典:積水ハウス

積水ハウスは鉄骨造のイズシリーズ、木造のシャーウッドなど鉄骨造・木造どちらも取り扱うハウスメーカーで、邸別自由設計にこだわり一邸、一邸専任のチームを組んで家づくりを行います。

鉄骨造の天井・壁には高性能グラスウール16K、木造の天井も同じく高性能グラスウール16Kを採用、壁には高性能ロックウール16Kを採用しており、床は両構造ともに押出法ポリスチレンフォーム3種が使われています。

強固な構造躯体を活かした大空間&大開口でありながらも高断熱技術のおかげで一年を通じて心地よい室温の暮らしが出来るマイホームを提供してくれます。

4位:ヤマト住建(ZEH率88%)

ヤマト住建
出典:ヤマト住建

ヤマト住建は、日本の住宅を世界基準にする事を目標に「長寿命」「高性能」「資産価値の高い家」をお手軽価格で提供する事にこだわるハウスメーカーです。

屋根から基礎まで住宅をすっぽり包み込むような外張り断熱工法を採用しており屋根・外壁・基礎には硬質ウレタン断熱材を採用、外壁には内側にビーズ法ポリスチレンフォームも施工したW断熱となっています。

気密性能にもこだわっており、すべての目地部を気密テープで目地処理を行い丁寧な施工を行う事でC値0.5以下を実現しています。

ご紹介したハウスメーカーのZEHカタログはこちら
※地域やタイミングにより候補に出ないHMもあります。

5位:ダイワハウス(ZEH率86%)

ダイワハウス
出典:ダイワハウス

ダイワハウスは鉄骨造のxevoΣ(ジーヴォシグマ)や木造のGranWood(グランウッド)などを取り扱っており、天井高×大開口×大空間の開放的な設計を得意とするハウスメーカーです。

断熱仕様は「スタンダードV断熱」「ハイクラスV断熱」「エクストラV断熱」の3段階用意されており、スタンダードV断熱でも13.2cm厚の高性能グラスウールが採用されています。

5.4kwhのたっぷり蓄電容量のある家庭用リチウムイオン蓄電池や、テレビ視聴・録画・再生機能なども付いたダイワハウス独自のHEMS「D-HEMS」も標準装備となっています。

6位:トヨタホーム(ZEH率82%)

トヨタホーム
出典:トヨタホーム

鉄の事を知り尽くしたトヨタグループの一員であるトヨタホームが手掛ける鉄骨造は広さも明るさも自由自在の高い設計力や高耐震性、高耐久性が魅力です。最近は木造住宅も取り扱っています。

ユニット工法のシンセシリーズでは壁・天井の断熱材にグラスウール16Kを採用、鉄骨軸組工法のエスパシオシリーズでは天井は同じくグラスウール16K、壁はボード成型ウレタンフォーム(65mm)を採用しています。

現場ではなく工場で断熱材を隙間なく固定しているので施工の品質を高め、断熱材の性能を最大限に引き出します。瓦一体型太陽光発電、全館空調スマート・エアーズplusなども標準仕様となっています。

7位:ヘーベルハウス(ZEH率81%)

ヘーベルハウス
出典:ヘーベルハウス

ヘーベルハウスは、ヘーベル板と呼ばれるALC(軽量気泡コンクリート)パネルを床・外壁・屋根に使用し鉄骨を用いた強固な構造で地震、火事、風水害など災害に強い家づくりを行うハウスメーカーです。

外壁には熱伝導率が断熱材の中でもトップクラスに低いネオマフォームを45mm、天井にはポリスチレンフォーム25mm+ネオマフォーム65mm、床はポリスチレンフォーム60mmを採用しています。

国が定めるZEH基準に加えて耐久性の高い断熱材や設備を使用し「ロングライフZEH」という視点で快適な暮らしが長く続けられるZEHづくりを心がけています。

ご紹介したハウスメーカーのZEHカタログはこちら
※地域やタイミングにより候補に出ないHMもあります。

8位:住友林業(ZEH率79%)

住友林業
出典:住友林業

住友林業は、元々林業を生業としており今でも日本の国土の800分の1に達する山林を保有しています。他のどの会社よりも"木"に精通しているハウスメーカーです。

グラスウール24kを天井210mm(105mm×2重)、壁105mm、床100mmの厚みで施工しており、建物全体を包む「360゜TRIPLE断熱」を標準採用しています。

メンテナンスの回数を減らし維持管理費を抑える事にもこだわり、30年の耐久部材を使用した「LS30仕様」や、さらに高耐久な60年耐久部材を使用した「LS60仕様」など、生涯コストを抑えるZEHを得意としています。

8位:三井ホーム(ZEH率79%)

三井ホーム
出典:三井ホーム

三井ホームは2×6材を使用するツーバイシックス工法を独自に進化させたプレミアム・モノコック構法が採用されており、耐震性・断熱・気密性に優れた家づくりを行います。

屋根には熱を跳ね返す6インチ 160mmダブルシールド(DS)パネルを採用。外壁には高性能グラスウールを140mmで施工、床下はMGファイバーを89mmで施工しています。

電気を創る太陽光パネルやエネファーム、電力の消費を抑えるHEMS、電気を蓄える蓄電池も標準搭載されており、間取り制約も特にない自由設計でZEHを実現出来ます。

10位:ミサワホーム(ZEH率77%)

ミサワホーム
出典:ミサワホーム

ミサワホームは木造軸組工法と木質パネル接着工法、2つの工法を取り扱っており敷地やプランに合わせ最適な工法で地震や強風に強い家づくりを行うハウスメーカーです。

断熱材はグラスウールを使用しており標準で天井は200mm、壁は90mm、床は120mm厚で施工します。窓は高断熱樹脂サッシ(Low-Eトリプルガラス)が採用されています。

標準でZEH基準を満たす断熱性能を有しているので、空調や給湯、換気、照明の省エネアイテムや、太陽光発電システムなど僅かな変更・追加でZEHに対応できます。

ご紹介したハウスメーカーのZEHカタログはこちら
※地域やタイミングにより候補に出ないHMもあります。

順位ハウスメーカーZEH率
(自社が受注した住宅のうちZEHが占める割合)
2022年度実績2021年度実績2020年度実績
1位一条工務店100%100%99%
2位イシカワ100%84%0%
3位 ヤマト住建88%77%78%
4位土屋ホーム86%85%91%
5位住友林業84%76%62%
6位三井ホーム81%50%41%
7位スウェーデンハウス76%77%77%
8位セキスイハイム75%67%57%
9位積水ハウス72%65%72%
10位ミサワホーム71%46%18% 

ZEHにするメリット

ZEH仕様にする事で得られるメリットを幾つかご紹介していきます。

家計に優しい

ZEHは創エネルギー量が一次エネルギー消費量を上回る、もしくはゼロとなる住宅なので光熱費をかなり抑える事が出来ます。

一次エネルギーにはTVや掃除機、レンジや冷蔵庫などの家電は含まれていないので光熱費が必ず0円になるという訳ではないですが、売電や高い省エネ効果のあるZEHであれば0円どころか光熱費がプラスに転換する可能性もあります。

健康改善の期待及びヒートショックリスクの軽減

ZEHは高断熱住宅です。高断熱住宅には高性能フィルター付きの第一種熱交換換気システムを採用するなど換気設備も整っている事が多いです。

そうした影響もあり、手足の冷えやのどの痛み、せき、気管支喘息など健康面での改善も期待出来ます。

また、高い断熱性能で家全体を暖かく保ってくれるので急激な温度差によって起こるヒートショックのリスクを軽減する事が出来ます。

ヒートショックに関連する死亡者数は、交通事故で亡くなられる方の3倍にもなるので特に高齢者のいる家庭では高断熱仕様は個人的には必須だと思います。

高く売却できる可能性がある

BELS(ベルス)という住宅の省エネ性能を評価する制度があるのですが、ZEHは省エネ住宅でもあるのでBELSで高評価を得られます。

高評価を得る事で資産価値が高く見積もられ、将来売却する時に高く売れる可能性があります。

補助金を受け取れる

ZEHは消費エネルギーを減らし、太陽光発電などの自然エネルギーを利用する地球にも優しい住宅です。

全世界で取り組んでいる温室効果ガスの排出量削減と、日本のエネルギー自給率不足の改善の効果も期待出来るので政府が積極的にZEH普及を掲げており補助金も支給されます。

◦ZEH関連の補助金

区分事業名所対象住宅主な要件補助額追加補助
ZEHこどもエコすまい支援事業ZEHZEHの定義を満たす事100万円/戸蓄電システム導入で2万円/kWh
補助対象経費の1/3 or 20万円の低い方
ZEH地域型住宅グリーン化事業中小工務店による
木造のZEH
ZEHの定義を満たす事上限140万円/戸蓄電システム導入で2万円/kWh
補助対象経費の1/3 or 20万円の低い方
ZEH戸建住宅ZEH化等支援事業ZEHZEHの定義を満たす事
ZEHビルダー/プランナーが
設計・建築・改修・販売する住宅
定額55万円/戸蓄電システム導入で2万円/kWh
補助対象経費の1/3 or 20万円の低い方
ZEH+戸建住宅ZEH化等支援事業ZEH+ZEH+の定義を満たす事
ZEHビルダー/プランナーが
設計・建築・改修・販売する住宅
定額100万円/戸蓄電システム導入で2万円/kWh
補助対象経費の1/3 or 20万円の低い方
次世代ZEH+次世代ZEH+実証事業次世代ZEH+次世代ZEH+の定義を満たす事定額100万円/戸V2H設備導入で補助対象経費の1/2 or 75万円の低い方
蓄電システム(定置型)導入で2万円/kWh
補助対象経費の1/3 or 20万円の低い方
燃料電池導入で1台2万円
太陽熱利用温水システム導入で液体式17万円/戸、空気式で60万円/戸
次世代HEMS次世代HEMS実証事業定額112万円/戸
ZEH区分はNearly ZEH・ZEH orientedも可
ZEH+区分はNearlyZEH+も可

ZEHのデメリット

ZEH仕様にする事で受けるデメリットを幾つかご紹介いたします。メリットと照らし合わせてZEHを検討しましょう。

導入コストやメンテナンスコストがかかる

導入コストに関してはハウスメーカーによって異なります。例えばランキング一位の一条工務店であれば、取り扱っている全ての商品が元々ZEHの定義を満たしているので、ZEH仕様にする為の費用というのはかかりません。

標準仕様でZEHの定義を満たしていない場合は、断熱性能をグレードアップする為の費用や太陽光発電を追加したり省エネ性能の優れた設備に変更したりする為のオプション費などが発生します。

メンテナンスコストはどこのハウスメーカーでもかかります。

ただし耐久性に優れた設備を使っているZEHであればメンテナンスコストは安く抑えられるので、各設備の耐久性もチェックしておくと良いです。

間取りに制約がかかる場合がある

こちらもハウスメーカーによりますが、ZEHの定義を満たす為に大きな窓が付けられなかったり、窓を減らす必要が出てきたりする可能性があります。

また、太陽光発電を設置するために屋根の形状が制限されたりもします。

発電量が安定しない

太陽光発電は天候の影響を受けます。雨の日や曇りの日は発電量は少なくなります。また、日照時間にも影響を受けますので冬は夏に比べると必然的に発電量が減ります。

その為、常に安定した電力を得られる訳ではありません。

まとめ

ZEH率の高いハウスメーカーをランキング形式で紹介したりZEHのメリット&デメリットなども記載してきましたが如何だったでしょうか。

最後に北海道以外の都道府県の区分と北海道の区分をまとめたランキングを載せておきます。

順位北海道以外の都道府県の区分北海道の区分
ハウスメーカーZEH率
(2022年度実績)
ハウスメーカーZEH率
(2022年度実績)
1位一条工務店99%一条工務店100%
2位セキスイハイム94%イシカワ100%
3位積水ハウス93%ヤマト住建88%
4位ヤマト住建88%土屋ホーム86%
5位ダイワハウス86%住友林業84%
6位トヨタホーム82%三井ホーム81%
7位ヘーベルハウス81%スウェーデンハウス76%
8位住友林業79%セキスイハイム75%
9位三井ホーム79%積水ハウス72%
10位ミサワホーム77%ミサワホーム71%

ZEHは年々増えてきていますが、ZEHにあまり力を入れていないハウスメーカーも多くあり、今回調査をした30社の内半数の15社はZEH率は50%未満となっています。

実績が少ないと提案力で差が出ますし、ZEH仕様での設計力や費用面でも差が出ます。

ZEHを検討している場合はZEHを得意としているZEH率の高いハウスメーカーを比較してみる事をおすすめします。

この記事を書いた人
管理人
管理人

資格:宅地建物取引士(東京都宅地建物取引業協会認定)
経歴:不動産・住宅業界約10年
元ハウスメーカー勤務。現在は家づくり関連の情報サイトを複数手掛けるWEBディレクター
不動産・住宅業界10年以上の経験を活かし、注文住宅に関する"分からない事"を解消できるようにこのサイトを作成しました。

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Posted by 管理人