ミサワホームのUA値とC値を調べてみた(断熱性能と気密性能)
ミサワホームのUA値とC値(断熱性能と気密性能)を調べた結果を記載していきたいと思います。また快適に暮らす為に確保しておきたいUA値やC値の基準値や、UA値・C値の優れたハウスメーカーの紹介なども行っています。
高気密・高断熱住宅を検討されている方はぜひご覧下さい。
ミサワホームのUA値(断熱性能)
ミサワホームのUA値は公式HPに記載があります。標準プラン(90mmパネル)ではUA値は0.54(W/㎡・k)。高断熱仕様(120mmパネル)ではUA値は0.43(W/㎡・k)です。
※6地域の場合
標準でZEH基準を満たしている
ミサワホームの木質住宅は基本構造+高性能サッシでZEH基準の断熱性能を満たしています。ちなみにZEH基準となるUA値は下記の通りです。
UA値
地域区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ZEH基準 | 0.4 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | 0.6 |
地域により基準となるUA値は異なりますが、例えば大阪や東京が該当する6地域ではUA値が0.6以下であればZEH基準を満たしていると言えます。その為、6地域でミサワホームで標準仕様の家を建てた場合UA値は0.6以下になるという事です。
ミサワホームの断熱材
ミサワホームの窓
推奨地域 | サッシ | ガラス仕様 | 断熱性能 |
---|---|---|---|
1・2地域 | 樹脂サッシ (高断熱仕様) | ダブルLow-Eトリプルガラス (アルゴンガス入り) | U値:1.12~1.54 |
3・4地域 | 樹脂サッシ (普及仕様) | Low-Eペアガラス (アルゴンガス入り) | U値:1.49~1.77 |
4・5・6・7地域 | アルミ樹脂複合サッシ | Low-Eペアガラス (アルゴンガス入り) | U値:1.49~1.90 |
以上の事よりミサワホームで標準仕様で建てた時のUA値は0.4~0.6以下になると思われます。
ミサワホームのC値(気密性能)
ミサワホームはHP上でC値を公表はしていません。その為、C値に関してはミサワホームで建てた施主さんが気密測定を行った様子をブログにアップしている記事がありましたので、そちらを参考にしたいと思います。
施主ブログその①
こちらの施主さん宅の気密測定の結果はC値=0.9となっています。
施主ブログその②
こちらの施主さん宅の気密測定の結果はC値=0.7となっています。気密性が低下するので勝手口を設けなかったり、気密用の接着剤や気密シールを随所に用いて施工して頂いたようです。その結果、気密性能の高いC値が出ています。
施主ブログその③
こちらの施主さん宅の気密測定の結果はC値=1.5となっています。上記二人の施主さんよりも大幅に悪い数値となっていますが、気密測定を行った日にちが2011年6月と約10年前の結果です。
最近は断熱性能と気密性能を気にするお客さんが増えており、ハウスメーカー側もそれに気付いているので以前よりUA値、C値は改善されてきています。その為、今でしたら1.5よりも良い数値が出ると予想されます。
以上の参照事項から推測されるミサワホームの標準仕様で建てた時のC値は0.7~1.2程度になると思われます。
ミサワホームのUA値・C値の結果発表!!
ミサワホームの標準仕様で建てた場合、UA値は0.4~0.6(W/㎡・k)、C値は0.7~1.2(c㎡/㎡)です。(※)
ミサワホームのUA値とC値
UA値 | 0.4~0.6(W/㎡・k) |
C値 | 0.7~1.2(c㎡/㎡) |
(※)
・C値はミサワホームの公式発表の数値ではありません。施主さんのブログや断熱材・工法などから当サイト管理人が推測した予想値です。
・UA値・C値は家の形状や間取り等で変わり1棟1棟異なる数値なのであくまで参考程度にお考え下さい。
UA値とC値の注意点
断熱性能と気密性能を判断する上でUA値とC値は役に立つ指標ですが、何点か知っておいた方が良い注意点もありますのでご紹介したいと思います。
UA値はあくまで理論値
UA値は家の仕様がまとまると計算式で求める事が出来ます。計算式は下記の通りです。
UA値=熱損失量(w/k)÷外皮面積(㎡)
UA値は住宅の内部から床、外壁、天井、開口部などから外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値になるのですが、あくまで計算で求める値なので理論値となります。実測値ではありません。
万が一施工不良等があれば算出したUA値よりも実際は悪い数値で家が建つ可能性もあります。
C値は実測値
C値は室内の空気が外に流失したり、外気が入り込んだりする家の隙間の広さを示した数値で上記画像のバズーカのような専用機器を用いて測定をする実測値です。計算式は下記の通りです。
C値=家全体の隙間の合計(c㎡)÷延床面積(㎡)
気密測定は断熱・気密工事が終わった後か竣工後に行います。家にどれだけの隙間が空いているのかを測定するので、ある程度施工が進んでからでないと測る事が出来ません。つまり家が建つ前段階ではC値は分からないのです。
またC値は家の形状や間取りによっても変わりますが、現場の大工さんの施工精度も反映されます。施工精度が低く杜撰な仕事をする職人さんが建てた家は隙間が多くなるのでC値が悪くなります。
…厳密に言えば構造や工法、断熱工法の違いなどで施工のし易さが変わり気密性を確保する難易度が異なるので一概に現場の職人さんの腕だけが悪いという訳ではありませんが、過去に建てた住宅の平均C値が優れている住宅メーカーは現場の職人さんが優れている&気密性を確保しやすい家という事が判断できるので、自分が建てる時にも気密性が確保された家が建つ可能性が高いです。
どちらにしても現場の施工レベルが低ければ優秀なC値は出せませんので、C値は現場の施工レベルを測る物差しとしても役に立ちます。
UA値とC値はセットで考える
断熱性能に優れた断熱材や窓ガラス・サッシ等を使用して断熱性能を上げても気密性能が低い家でしたら、家中から空気が外に逃げたり、外気が室内に入ってきたりするのでせっかくの断熱性能も意味がありません。
反対に気密性能だけが高くても断熱性能が低ければ夏は暑い外気の影響を受け室温が高くなり、冬は寒い冷気の影響で室温が下がり外気の影響を強く受けるので意味がありません。
その為、UA値C値はどちらか一方だけが優れていてもあまり意味がなく必ずセットで考えるようにしましょう。
自分に合ったオンリーワンな間取りで家を建てるには、条件や希望に沿って作って貰った間取りプランをより多く見比べる事です。
1社2社だけの間取りプランでは、その間取りが本当にベストなプランなのか対象が少なすぎて比較が出来ません。同じ条件で作成してもらった出来るだけ多くの間取りプランを見比べる事で始めて自分に合った最適な間取りが見えてきます。
複数社から間取りプランを集めると、A社とB社とC社の良いとこ取りをしたハイブリッド間取りなんかも作る事が出来ます。
家づくりにおいて間取りはとても大切なポイントとなるので必ず複数社から間取りプランを貰い比較・検討をするようにしましょう。
play_circle オリジナルの間取りプランを作成するミサワホームの家は高気密・高断熱?
ミサワホームの家が高気密・高断熱住宅かを論じる前に『高気密・高断熱住宅』の定義についてお話したいと思います。
高気密・高断熱には定義がない
実は高気密・高断熱住宅には『UA値○○以下、C値○○以下の建物を高気密・高断熱住宅と呼ぶ』といった様な定義が決まっていないのです。その為、実際のUA値やC値がたいした値でなくても『高気密・高断熱住宅』とPRをして販売が出来てしまうのが現状です。
ハウスメーカーのHPに載っている"高気密高断熱住宅"という売り文句や営業マンが言う「我が社の家は夏は涼しく、冬は暖かい家ですよ」等のセールストークを鵜呑みにして高気密・高断熱住宅だと思い込んで建てた結果、実際の断熱性能や気密性能はそこまで高くない『なんちゃって高気密・高断熱住宅』だったなんて悲しい失敗例も多くあります。
断熱性能および気密性能はUA値、C値の値で確認
例えば以下のようなキャッチフレーズでPRをしているハウスメーカーが3社あったとします。
A社:『高性能断熱材で真冬でもポカポカ住宅!』
B社:『裸足でも快適に過ごせるあたたかいお家!』
C社:『W断熱で夏でも冬でも1年中快適ハウス!』
文言だけを見ても、断熱性能・気密性能が本当に優れている家がどこの会社なのかは分からないと思います。では下記の場合ではどうでしょうか?
A社:(UA値:0.8/C値:1.0)
B社:(UA値:0.3/C値:0.3)
C社:(UA値:0.6/C値:1.2)
数値に直せばB社がこの3社の中で1番断熱性能、気密性能共に優れているという事が分かります。断熱・気密性能を判断する時には書かれている文言ではなくUA値やC値の値を確認するようにしましょう。
ミサワホームのUA値、C値は快適に暮らせる値なのか?
高気密・高断熱には定義がないとお話しましたが、実際に優れた断熱性能と気密性能をほこる本当の高気密・高断熱住宅であれば夏は涼しく冬は暖かく1年を通じて快適に暮らす事が出来ます。
では、UA値C値がどの位であれば本当の高気密・高断熱住宅と呼べて快適に暮らせる恩恵を受ける事が出来るのか説明していきたいと思います。
快適に暮らす為のUA値
快適に暮らす為のUA値を定める為にH25省エネ基準(熱等性能等級4)、ZEH基準、HEAT20 G1基準、HEAT20 G2基準、HEAT20 G3基準のUA値の指標を参考にしたいと思います。
地域区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
H25省エネ基準 (断熱等性能等級4) | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 |
ZEH基準 | 0.4 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | 0.6 |
HEAT20 G1基準(※) | 0.34 | 0.34 | 0.38 | 0.46 | 0.48 | 0.56 | 0.56 |
HEAT20 G2基準 | 0.28 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.34 | 0.46 | 0.46 |
HEAT20 G3基準 | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.23 | 0.23 | 0.26 | 0.26 |
快適に暮らすために確保しておきたいUA値はZEH基準を満たす数値です。建てる地域により数値は異なりますが東京・大阪の該当する6地域であればUA値0.6以下を目指したいところです。
(※)
HEAT20とは20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会の略称
ZEH基準を目標とする理由
H25省エネ基準は平成25年(2013年)に定められた指標なのですが今では基準が古すぎて設定も緩いです。"省エネ基準"という名前がついていますが、この基準を満たしてもさほど省エネ住宅にはなりません。
H25省エネ基準は本来であれば2020年に義務化される予定でした。(義務化は見送られました。)2020年以降に建てる住宅はH25省エネ基準をクリアしていないと建てる事が出来ない!という最低限の数値だという事です。この数値を満たしても快適に暮らす為には物足りません。
ちなみにハウスメーカーのHP等によく書かれている『断熱等級4(最高等級)』はこのH25省エネ基準を満たしていれば名乗る事ができます。”最高等級”と聞くと何だか凄そうに思いますが実際はそこまで凄い数値ではありません。
ではZEH基準よりも厳しいHEAT20基準を目指すのはどうなのか?という所ですが、断熱性能だけを考えるのなら勿論OKです。ただし問題はコストです。
断熱性能を良くすればするほどコストもかかります。オーバースペックになる可能性もあります。その為、コストと快適性を考えた時にいい感じで落ち着くのがZEH基準を満たしたUA値という事です。
快適に暮らす為のC値
平成11年(1999年)に改正された省エネ基準にはC値の基準となる指標があったのですが平成25年(2013年)に省エネ基準を改正・強化された時にC値の項目は削除されてしまいました。その為、現在C値にはUA値のように基準にできる指標がありません。
ちなみに平成25年(2013年)まで使われていたC値の基準となる指標は下図とおりです。
地域区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
次世代省エネ基準 | 2 | 2 | 5 | 5 | 5 | – | – |
この基準値はかなり古いので今の時代に全く適していません。たまにこの2013年まで使われていた指標を指して『気密性能の基準値を大幅にクリア』等と謳っているハウスメーカーもあるので気を付けましょう。
これから家づくりを行う方であればC値は0.7以下を目指したい所です。
C値0.7以下を目指す理由
気密性能は住宅の換気性能とも大きく関わってきます。穴の開いたストローでは上手に吸えないのと同様に、気密性能が悪く隙間だらけの家では換気が上手に行えません。下図は第三種換気システム稼働時の気密性能と隙間からの給気量の関係を表した表です。
C値が1.0の場合、自然給気口からは50%の給気しかできません。C値がそれ以上悪くなると換気能力が著しく下がります。ちなみに第一種換気システムに関しても同じような事が言えます。
下図は第一種換気システム稼働時の気密性能と風・温度差との関係を表した図です。
C値が1.0の場合の総漏気量(風速2.5m~3m/秒の時)は0.22回/hとなっています。必要換気量が0.5回/hなので44%はその他(隙間)から入ってくる事になります。
換気能力が下がると汚れた空気が室内に滞留し健康に悪影響があったり、結露が発生しやすい環境になり住宅の寿命を縮める原因になったりと良い事がありません。
換気の事も考えるとC値は最低でも1.0以下が望ましいですがC値は経年劣化の影響を受けやすい事も考慮しておかないといけません。新築時にC値が1.0であっても10年後には悪くなっている可能性が高いです。
換気能力と経年劣化を考慮した時に、新築時に目指したいC値は0.7以下となります。10年後に建て替えを予定していたり、長く住む予定でない方であればC値1.0以下を目指す考え方でも良いと思います。
ミサワホームのUA値は良いがC値はギリギリ
ミサワホームの標準仕様の暫定UA値は0.4~0.6(W/㎡・k)、C値は0.7~1.2(c㎡/㎡)です。
当サイトで定めた快適に暮らす為に必要なUA値はZEH基準を満たす値、C値は0.7以下です。よってミサワホームの家はUA値(断熱性能)は当サイトで定めた基準を満たしているが、C値(気密性能)はギリギリのラインであると言えます。
その為、ミサワホームの家は高断熱だが高気密と呼べるかはギリギリのラインです。(気密性能はあくまで住宅性能の1部分です。その性能だけでHMを判断するのではなく価格は勿論、営業との相性や他の性能、デザイン、設備などなど様々な角度から比較を行いましょう。)
建てる家のUA値、C値を確認する方法
過去実績の数値も参考に出来ますが、注文住宅では1棟1棟仕様が異なるのでUA値、C値も変わってきます。その為、自分の家のUA値、C値も確認をする事をおすすめします。
UA値を確認する方法
UA値は家の間取りや仕様が決まったタイミングで計算で求める事が出来ます。一通り仕様が纏まったらハウスメーカーに「UA値を教えて下さい」と伝えれば算出して貰えます。
ハウスメーカーによってはUA値の算出に別途費用が発生する会社もありますので、その辺は事前に確認をしておいた方が良いでしょう。
C値を確認する方法
C値に関してもハウスメーカーに気密測定を行いたい旨を事前に伝えておけば手配をしてくれます。ただしハウスメーカーによっては「気密測定はやっていない」と断られるパターンもあります。
そんな時は自分で気密測定業者に直接依頼を行えば問題ありません。直接依頼をするメリットは、ハウスメーカーを挟まないので費用を抑えられる可能性がある事と、第三者の立場で測定をして貰えるので安心感を得られる事です。
デメリットとしては業者とのやりとりを全て自分でやる必要があり手間がかかるという事です。ちなみに気密測定1回の費用相場は5万円~10万円程度かかります。
気密測定を行うタイミング
気密測定を行うタイミングは主に2回あります。1回目は断熱・気密工事が終わった後(まだお家は完成していません。)2回目は竣工後(お家の完成後)です。
より安心感と確実性を求めるなら1回目、2回目と両方のタイミングで行う事です。ただし1回の測定につき5万円~10万円程度の費用がかかるので「出来れば1回に抑えたい」という方は、断熱・気密工事が終わったタイミングで測定を行う事をおすすめします。
理由は、そのタイミングであればC値が悪かった時に気密処理の弱いところを特定し、気密性向上のための施工がわりと簡単に行えるからです。竣工後の測定よりもC値の改善、手直しがしやすいのです。
気密測定の結果C値が悪ければ改善をしてもらう事は事前にハウスメーカーに話をしておきましょう。出来れば契約の条件に入れておいた方が良いです。
満足できるUA値、C値で家を建てる方法
高気密・高断熱住宅だと思っていたのに実際の数値は悪かった…なんて事にならないようにハウスメーカーと契約を結ぶ前に以下の事をしておくと良いです。
契約の条件に『UA値○○以下保証』を入れる
ハウスメーカーと契約を結ぶ条件の1つに『UA値:○○以下保証』を加えましょう。また契約の前に、UA値:○○以下保証を入れた状態で見積もりを貰うようにしましょう。
契約後に「UA値を○○以下にしたい」と伝えても「ではそのUA値にするにはこれが必要なのでこの位の追加費用が発生しますねー。」と想定外の費用が発生する可能性が高いので契約前に話を詰めておく必要があります。
ちなみにUA値は間取りや窓の仕様、断熱材などにより変わってきますので希望のUA値がある場合には出来るだけ早い段階で「UA値は○○以下を希望しています。」と伝えておいた方が住宅会社側もそれに合わせた提案も出来るので話がスムーズに進みます。
目標とするC値を提示して貰う
C値もUA値のように○○以下保証が出来れば良いのですが、C値は実測値なので保証までしてくれるハウスメーカーは少ないです。保証が無理な場合には目標とするC値を提示して貰いましょう。
その提示された目標値が本当に達成可能な数値かどうかは過去に建てた住宅の平均C値を尋ねて判断をして下さい。モデルハウスの数値よりも実際の施工住宅で測定されたC値の方が信用ができます。
実際の施工物件で何度も良いC値を出しているハウスメーカーであれば職人さんの施工精度が高く丁寧な仕事をしてくれるでしょう。反対にC値のデータが乏しい会社やごまかしたりする会社は気密性能に自信の無い会社である可能性が高いので注意が必要です。
気密測定には費用がかかりますが1棟1棟数値が異なるので、自分の家を建てる時にはやっておく事をおすすめします。断熱・気密工事が済んだタイミングで1度気密測定を行い、その時にC値が悪ければ目標C値まで手直しをして貰う事も契約の条件に入れておくと良いです。
高気密・高断熱住宅を得意とするHMと契約をする
餅は餅屋という諺もある通り、高気密高断熱住宅を得意としているハウスメーカーであれば実績も豊富でノウハウも蓄積されています。特に気密性能は現場の施工精度にも大きく影響を受けるので慣れていない会社であれば悪いC値になる可能性は高いです。
UA値に関しては理論値なので、良い断熱材を使い窓や玄関、勝手口なども高断熱仕様のものを使えば数値上良くする事は出来ます。ただし算出した数値と建てた家のUA値が等しくなるかは施工精度に関わります。
その為、平均C値の優れたハウスメーカーや高気密・高断熱住宅を得意としているハウスメーカーにお願いをした方がUA値、C値は良くなりやすいです。
UA値、C値の優秀なハウスメーカー
この記事で定義をした快適に暮らす為に確保しておきたいUA値とC値を共に満たしているハウスメーカーを何社かご紹介したいと思います。
UA値0.6以下、C値1.0以下を満たすハウスメーカー
UA値とC値の参照元が支店・加盟店を含む公式HPや公式が出したPDF資料に記載のあるハウスメーカーのみをピックアップしています。
社名 | UA値 (W/㎡・K) | C値 (c㎡/㎡) | 参照元 |
---|---|---|---|
FPの家 | 0.43 | 0.44 | 公式HP UA値・C値 |
R+house | 0.46 | 0.34 | PDF資料 UA値・C値 |
To Casa | 0.3 | 0.3 | 公式HP UA値・C値 |
アイフルホーム | 0.3 | 0.54 | 公式HP UA値・C値 |
アエラホーム | 0.39 | 0.47 | 公式HP UA値・C値 |
イノスグループ | 0.56 | 0.3 | 公式HP UA値・C値 |
ウェルネストホーム | 0.28 | 0.2 | 公式HP UA値・C値 |
ウッディ伊藤 | 0.22~0.34 | 0.1~0.3 | 公式HP UA値・C値 |
オートリホーム | 0.56 | 0.7 | 公式HP UA値・C値 |
カネカのお家 | 0.28 | 0.2 | 支店・加盟店HP UA値・C値 |
サイエンスホーム | 0.46以下 | 0.7以下 | 支店・加盟店HP UA値・C値 |
サンコーホーム | 0.28 | 0.5 | 公式HP UA値・C値 |
ジブンハウス | 0.46 | 0.2 | 支店・加盟店HP UA値・C値 |
スウェーデンハウス | 0.36 | 0.64 | 公式HP UA値・C値 |
セルコホーム | 0.37 | 0.492 | 公式HP UA値・C値 |
トヨタウッドユーホーム | 0.34 | 0.8 | 公式HP UA値・C値 |
フィアスホーム | 0.38 | 0.32 | 支店・加盟店HP UA値・C値 |
メープルホーム | 0.46 | 0.3 | 公式HP UA値・C値 |
ヤマト住建 | 0.27 | 1.0以下 | 公式HP UA値・C値 |
ユートピア建設 | 0.43 | 0.13 | 公式HP UA値・C値 |
ユニバーサルホーム | 0.34 | 0.4 | 公式HP UA値・C値 |
一条工務店 | 0.25 | 0.59 | 公式HP UA値・C値 |
九州八重洲 | 0.26 | 0.6 | 公式HP UA値・C値 |
建成ホーム | 0.3 | 0.27 | 公式HP UA値・C値 |
住ま居る | 0.3 | 0.5 | 公式HP UA値・C値 |
小嶋工務店 | 0.56 | 0.3 | 公式HP UA値・C値 |
小林住宅 | 0.29 | 0.15 | 公式HP UA値・C値 |
真柄工務店 | 0.46 | 0.5 | 公式HP UA値・C値 |
石井工務店 | 0.42 | 0.33 | 公式HP UA値・C値 |
大共ホーム | 0.15 | 0.2 | 公式HP UA値・C値 |
大庭工務店 | 0.46 | 0.5以下 | 公式HP UA値・C値 |
第一住宅 | 0.46 | 0.5 | 公式HP UA値・C値 |
土屋ホーム | 0.24 | 0.38 | 公式HP UA値・C値 |
馬渡ホーム | 0.26 | 0.29 | 公式HP UA値・C値 |
福岡工務店 | 0.43 | 0.08 | 公式HP UA値・C値 |
北洲ハウジング | 0.31 | 0.65 | 公式HP UA値・C値 |
私自身、全国のハウスメーカーや工務店を把握している訳ではないので上記に名前がなくてもUA値、C値が優れた住宅会社は他にも沢山あります。自分が建築を予定している地域でUA値、C値の優れた住宅会社が他にないかは下記よりお探し下さい。
UA値とC値を下げる(断熱性能と気密性能を上げる)方法
施主側で比較的簡単に実施ができるUA値とC値を下げる方法(断熱性能、気密性能を上げる方法)をいくつかご紹介したいと思います。
UA値を下げる方法
断熱材をより良いグレードにする事でも断熱性能を上げる事は可能ですが、それよりも先に注目したいのが窓です。なぜなら天井(屋根)や外壁、床から熱が逃げたり侵入するよりも、窓などの開口部から熱が逃げたり侵入する割合の方がかなり多いからです
つまり窓の断熱性能を上げる事で家全体の断熱性能を上げる事に直結するのです。窓の断熱性能を上げる時にチェックしておきたいポイントは以下の3点です。
◦窓ガラスの種類
◦窓サッシの種類
◦スペーサーの種類
窓ガラスの種類
窓ガラスは大きく分けて4種類あります。単板ガラス→複層ガラス→Low-E複層ガラス→Low-Eトリプルガラスの順に断熱性能が良くなります。
ガラスとガラスの中空層に入れる気体は大きく分けて4種類あります。乾燥空気→アルゴンガス→クリプトンガス→真空の順に断熱性能が良くなります。
おすすめの窓ガラスはLow-E複層ガラス(アルゴンガス入り)です。もちろんLow-Eトリプルガラスの方が断熱性能は優れていますが費用が高くなるので、寒冷地にお住いの方や予算に余裕のある時にLow-Eトリプルガラスを検討する形で良いと思います。
窓サッシの種類
窓サッシは大きく分けて4種類あります。アルミサッシ→アルミ樹脂複合サッシ→オール樹脂サッシ→木製サッシの順に断熱性能が良くなります。
おすすめの窓サッシはオール樹脂サッシです。木製サッシも断熱性能的には申し分ないのですが価格が高いです。
スペーサーの種類
スペーサーとはガラスとガラスの間のスペースをつくるためのパーツです。スペーサーは2種類あります。アルミスペーサー→樹脂スペーサーの順に断熱性能が良くなります。
おすすめのスペーサーは樹脂スペーサーです。
以上のように窓に使われているパーツにこだわる事で窓の断熱性能を上げる事が出来、UA値を下げる事が出来ます。
また窓のサイズや設置数も断熱性能に関係してきますので、単純に窓のサイズを小さくしたり設置数を減らす事でもUA値を下げる事が出来ます。
玄関ドアや勝手口にも注目
玄関ドアや勝手口の断熱性能を高める事でもUA値を下げる事が出来ます。断熱性能を高めたい場合には玄関ドアと勝手口を選ぶ時に熱貫流率(U値)を確認し、U値の低い物を選びましょう。
(熱貫流率(U値)とは熱の伝わりやすさを表す数値で、値が低ければ低いほど熱の移動を少なく抑える事が出来る=断熱性能が高い。という見方が出来ます。)
C値を下げる方法
C値を下げる(気密性能を上げる)為にチェックすべきポイントは以下の3点です。
◦窓の構造
◦配管・コンセント周り
◦C値改善を行ってくれる業者に依頼
窓の構造
断熱性のみならず気密性能の観点から見ても窓は需要なポイントになってきます。特に気にしたいのが窓の構造です。日本の住宅で1番よく見かける横方向に開閉する『引き違い窓』ですが気密性能はあまり高くありません。
気密性能を重視するならビジネスホテルなどでよく見かける『すべり出し窓』がおすすめです。もしくは欧米で一般的に使われている『開き窓』も引き違い窓よりは気密性能が高いです。
開閉しない採光のみが目的の窓であれば、1番気密性能の高い「FIX窓」を採用する事でC値を下げる事が出来ます。
ちなみに断熱性能と同様に窓のサイズや設置数も気密性能に関係してきます。単純に窓のサイズを小さくしたり設置数を減らす事でもC値を下げる事が出来ます。
配管・コンセント周り
上記左側の画像は気密処理を行わずに裏側から冷風を送った時の実験画像で、右側は気密処理を行った時の画像です。2つを比較すると明確な温度差が生じている事が分かります。特に断熱材として使用率の高いグラスウールなどの繊維系断熱材ではこの温度差が顕著に現れます。
配管・コンセント周りの1個あたりの隙間は小さくても、家全体で考えると大きな隙間となります。配管・コンセント周りの気密性能を確保する為に気密部材等を的確に使い気密処理をきちんと行っているか確認をしておきましょう。
C値の改善をサポートしてくれる業者に依頼
気密測定は施主が直接業者に依頼をする事ができます。気密測定業者の中には測定時に隙間箇所の発見、改善までをサポートしてくれる会社もありますので気密施工に疎いハウスメーカーであれば、下記のような業者に依頼を出すのも手です。
まとめ
ミサワホームのUA値やC値を調べた結果や、快適に暮らす為に確保しておきたい数値、失敗しない高気密・高断熱住宅の建て方、UA値・C値の下げ方などをご紹介してきましたが如何だったでしょうか。
ミサワホームの家は工場生産による高い性能と品質を兼ねそろえており鉄骨造のメリットである強度が高く、優れた耐震性・耐火性・耐久性を誇り、少ない柱で建てられるので間取りやデザインの自由度も高いです。
大手のハウスメーカーという社会的な信用度も高く安心感もあります。多くの方に選ばれ続けている優良なハウスメーカーではありますが、ミサワホームに負けず劣らず優れた住宅の提供を行うメーカーは他にも沢山あります。
これから家づくりを検討される方は、始めから候補とするハウスメーカーを絞り過ぎるのではなく出来るだけ多くのハウスメーカーの中から比較・検討を行った方がより自分に合ったベストな住宅会社を見つける事が出来ます。
ハウスメーカー選びに失敗しない為にも時間的な余裕を持って出来るだけ多くの候補を上げて比較・検討を繰り返しましょう。素敵なマイホームづくりを応援しています。
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