インナーガレージの間取りや費用。ビルトインガレージとの違いは?

車・バイク好きの方は勿論の事、そうでない方にとってもメリットが魅力的なインナーガレージは注文住宅で人気テーマの1つとなっています。

そこで、当記事ではインナーガレージの参考になるおすすめ間取りのご紹介や、費用に関して。またビルトインガレージとの違いなど、インナーガレージを検討されている方にとって有益となる情報をご紹介していきたいと思います。

目次
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インナーガレージとビルトインガレージの違い

戸建てに設ける駐車場は一般的に3種類に分類する事が出来ます。

◦青空駐車場・・・屋根なし。囲う壁も無し。駐車スペースのみ
◦カーポート・・・柱と簡易的な屋根だけで構成された駐車場
◦ガレージ・・・屋根と壁で三方が囲まれた駐車場。シャッター付きで四方が囲まれている駐車場も含む。

インナーガレージとはガレージを建物の一部に取り組んだ駐車場の事です。ビルトインガレージも同じ意味です。インナーガレージとビルトインガレージに違いはありません。

ちなみに、インナーガレージのある家の事をガレージハウスと呼んだりします。

インナーガレージとビルトインガレージは同じ意味ですが、当記事ではインナーガレージで統一して記載していきます。

インナーガレージのある家の建築費用

インナーガレージのある家の平均的な坪単価は50万円~80万円程度が相場となっています。

ただし坪単価は延床面積が小さい程高くなる傾向にあります。

これは、キッチンや浴室、トイレなど水廻りの設備は延床面積が小さくなっても同じように必要で、水廻りの設備は建築費用の中でも占める割合が多い費用です。

つまり、延床面積に比例して建築費用が安くなる訳ではないので、建築費用÷延床面積で算出する事の多い坪単価は、延床面積が小さくなる程に高くなりやすいと言う事です。

それを踏まえると、凡そになりますが20坪台であれば65万円~80万円。30坪台であれば60万円~80万円、40坪以上であれば50万円~80万円程度が相場となります。

延床面積坪単価建築費用
20坪~29坪
(66.1㎡~95.9㎡)
65万円~80万円1,300万円~2,320万円
30坪~39坪
(99.2㎡~128.9㎡)
60万円~80万円1,800万円~3,120万円
40坪以上
(132.2㎡~)
50万円~80万円2,000万円~
※坪単価は建てる地域や家の仕様、住宅会社によっても異なるので建築費用はあくまで参考程度にお考え下さい。

インナーガレージ部分にかかる費用

インナーガレージ部にかかる費用はインナーガレージの広さによって当然異なってきます。

車1台を格納できるガレージの広さは約5坪、車2台を格納できるガレージの広さは約10坪必要となります。

台数広さ坪単価費用
1台5坪
(16.5㎡)
50万円~80万円250万円~400万円
2台10坪
(33.1㎡)
50万円~80万円500万円~800万円

車1台分の広さであればインナーガレージ部にかかる建築費用は約250万円~4000万円。車2台分の広さであれば約500万円~800万円位の建築費用がかかります。

初期費用はかかりますが、地価の高い都心部などでは狭小地の為に青空駐車場やカーポート分のスペースを確保できずに別で駐車場を借りている方も多くいます。

その場合、月々に駐車場代として数万円の出費がありますがインナーガレージであれば狭小地でも駐車スペースを確保できるので駐車場代を支払う必要もなくなります。

また、駐車スペースの為の土地を必要としないので土地代を抑える事も出来ます。

長い目で見た時に初期費用は気にならなかったり、利便性の高さやデザイン性に惹かれてインナーガレージのある家を選ばれる方が多いです。

インナーガレージのある家の間取り

動線も考えられたインナーガレージのある家の間取りを6棟ほどご紹介したいと思います。

①.狭小地に建てるインナーガレージのある3階建ての間取り

敷地面積が20坪以下でも駐車スペースを確保し、3階建てにする事で居住スペースの床面積も十分に確保した間取りです。

1階はインナーガレージの他、洗面所と浴室、ウォークインクローゼットを配置。2階は全部がLDKになっており、広々とした開放的なLDKになっています。

3階には居室が2部屋。各部屋に収納も設置されているので収納力も確保されています。

1階床面積20.50m2(6.2坪)
2階床面積33.54m2(10.15坪)
3階床面積31.67m2(9.58坪)
延床面積85.71m2(25.93坪)
施工面積98.75m2(29.87坪)
建築面積33.54m2(10.15坪)

②.26坪インナーガレージのある2階建ての間取り

1階にはガレージの他、洋室1、トイレ、脱衣・洗面室、浴室が備えられています。

トイレは2階にも設置。2.25帖の納戸と洋室2に設けられた大容量のクローゼットで収納力もバッチリです。

1階床面積42.22㎡(12.8坪)
2階床面積43.47㎡(13.1坪)
敷地面積85.95㎡(26.0坪)
延床面積85.69㎡(25.9坪)
建築面積43.47㎡(13.1坪)

③.外装材・内装材に自然素材を使ったインナーガレージのある平屋の間取り

緩勾配の屋根と自然素材の木のぬくもりが感じられる外壁が印象的な外観です。

北米の住宅でよくみられるフロントポーチからリビングに繋がる部分は土間になっており、屋内と屋外が一続きのように楽しめる間取りとなっています。

1階床面積92.71㎡(28.04坪)
延床面積92.71㎡(28.04坪)

④.車2台格納できるインナーガレージのある三階建ての間取り

敷地面積は30坪と限られた広さの中で、車2台停められる広さを確保したガレージを1階に設置。ガレージ以外にも納戸、洗面所、トイレも設けています。

2階に広々としたLDK、キッチンと洗面・脱衣室・浴室、そしてトイレと水廻りをまとめて配置する事で生活のしやすい間取りとなっています。

1階床面積56.31㎡(17.03坪)
2階床面積53.82㎡(16.28坪)
3階床面積53.41㎡(16.16坪)
敷地面積101.31㎡(30.64坪)
延床面積163.54㎡(49.47坪)

⑤.広くゆったりしたサイズのインナーガレージのある二階建ての間取り

車2台を格納できる広くてゆったりとしたガレージの他、大きなLDKや洗面室・浴室も1階に設置。水廻り空間は回遊性のある家事楽動線となっています。

2階には子供部屋を2つ、主寝室が1つ。各部屋にあるクローゼットおよび階段下を有効活用したファミリークロークもあり収納力も確保された間取りです。

1階床面積87.36㎡(26.42坪)
2階床面積46.37㎡(14.03坪)
延床面積133.73㎡(40.45坪)

⑥.車2台分のインナーガレージのある住み心地のいい平屋の間取り

車2台を格納できる大きなガレージ内にパントリーと繋がる勝手口を設置する事で、荷物の積み降ろしがとても楽な動線となっています。

ワンフロアで生活が完結できる平屋なので、生活もしやすく高齢になっても住み心地の良い間取りです。

1階床面積86.95㎡(26.3坪)
延床面積86.95㎡(26.3坪)
建築面積143.67㎡(43.46坪)

関連:インナーガレージのある家の最新カタログ(無料)

大きさ別の間取りの目安(平屋・二階建て・三階建て)

20坪台の間取り例

20坪台でインナーガレージを設ける場合は、車1台分の広さのインナーガレージである事が多いです。

間取りは2LDK~3LDKが主流で、1階部分はガレージ+5~8畳程度の居室を設ける事が出来ます。

また20坪台の狭小地であれば、1階すべてをインナーガレージとし2階・3階を居室とする3階建てのパターンも多くみられます。限られたスペースの場合、縦に伸ばす事で居室スペースを確保する事が出来ます。

ただし、その分階段が増えるのがデメリットです。

平屋の場合は容積率が低くなる為、1LDK~2LDKが目安となります。

30坪台の間取り例

車2台を駐車できる広さのインナーガレージを設ける場合は30坪以上である事が望ましいです。

車2台分のガレージの広さは約10坪なので、30坪台前半の家に車2台分のガレージを確保した時の間取りは、20坪台後半の間取りと似たような形になります。

30坪台後半の広さであれば、車2台分のガレージを設けても各居室広めに確保できる2LDK~3LDKの間取りが主流となります。

車1台分で良ければ間取りは3LDK~4LDKが目安となります。

40坪台の間取り例

40坪台の広さがあれば、1階に車2台分のガレージを設けた3階建ての家でも+5~8畳程度の居室を設ける事が出来ます。

2階・3階部分には広々としたLDKや大き目の寝室や子供室も設置が可能です。間取り的には30坪台後半と同じく3LDK~4LDKが主流ですが、各部屋広く設計が可能です。

平屋の場合であれば2LDK~4LDKが目安となります。

インナーガレージのメリット

インナーガレージを間取りに取り入れる事でどのようなメリットがあるのかご紹介していきます。

風雨や紫外線からも愛車を守る

インナーガレージであれば風雨の他にも砂塵や黄砂、花粉・PM2.5などの汚れが付着するのも防いでくれるので洗車の回数を減らす事も出来ます。

塗装の色褪せやライトの黄ばみ、内装の痛みの原因となる紫外線も防いでくれます。

また、台風の時に飛ばされてきた何かが車に当たるリスクや、近所の子供のボール遊びでボールが当たるリスクなど予期せぬリスクからも愛車を守れます。

インナーガレージは愛車に長く綺麗に乗る為には最適な設備です。

プライベート空間としても利用可

車を移動しシャッターを下ろせば外部からの視線を遮る事が出来、完全なプライベート空間としても利用が可能です。

夏にプールを置いて子供たちを遊ばせたり、BBQやDIYを楽しんだり、ペットの遊び場としても利用できます。

また、広さに余裕があるガレージであれば車以外にも自転車や三輪車、ベビーカーやアウトドア用品など家の中にしまっておくのが難しいモノも置けるスペースとしても重宝します。

防犯性が高い

シャッターを付ければ外からガレージ内の様子を見る事は出来ません。車やバイクを悪戯や盗難から守ってくれます。

また1階がガレージの場合、一般的な住宅と比べると外部からの侵入経路が限られるので、そうした意味でも防犯性を高める事が出来ます。

雨の日でも濡れずに車の乗り降りが可能

ガレージ内に玄関や勝手口を設けておけば、家から直接ガレージへと行く事が出来、雨の日でも濡れずに車への乗り降りが可能となります。

買い物から帰ってきた時も、荷物を家の中へ運び込むのがとても楽です。

狭小地でも駐車場を確保出来る

建物の一部に組み込むインナーガレージであれば、駐車場のためのスペースを必要としないので狭小地でも駐車場を確保する事が出来ます。

それによって土地の購入費用を抑える事にも繋がりますし、駐車場を別途借りる必要もなく駐車場代も払う必要がなくなります。

特に地価の高い都心部で大きなメリットとなります。

快適な環境下で車イジリを楽しめる

雨の日でも濡れずに作業をする事ができ、ガレージ内にエアコンの設置も行えば夏でも冬でも快適な環境下で車弄りを楽しめます。

ガレージと室内を隔てる壁の一部をガラスにすれば、室内からも車やバイクなどガレージ内を鑑賞できる間取りをつくる事も可能です。

容積率の緩和特例の対象になる

容積率とは敷地面積に対する延床面積の割合の事です。容積率は敷地ごとに決められており、例えば容積率100%の敷地(100㎡)には延床面積100㎡以内の家しか建てる事が出来ません。
容積率は延床面積÷敷地面積×100で求める事が出来ます。

インナーガレージは「延床面積の5分の1を限度として容積率の計算から除外できる」といった緩和特例の対象となります。

Aパターン

敷地面積:100㎡ 延床面積:125㎡(ガレージの床面積:33㎡(車2台分)を含む)の容積率を求める場合、125㎡の5分の1にあたる25㎡を除外して計算する事が出来ます。

この場合の容積率は

{125㎡(延床面積)-25㎡(ガレージ床の一部)}÷100㎡(敷地面積)×100=100%

となります。

Bパターン

敷地面積:100㎡ 延床面積:125㎡(ガレージの床面積:17㎡(車1台分)を含む)の容積率を求める場合、125㎡の5分の1は25㎡ですが、ガレージの床面積17㎡よりも大きくなっています。

緩和はガレージの床面積を容積率を求める際に使う延床面積から除外する事ができる措置なので、この場合であればガレージの床面積:17㎡が除外対象となります。

つまり、この場合の容積率は

{125㎡(延床面積)-17㎡(ガレージ床の一部)}÷100㎡(敷地面積)×100=108%

となります。

もしこの例が容積率の緩和特例の対象でない一般的な住宅の場合だとどうなるのか見ていきます。

緩和特定の対象ではないので、敷地面積:100㎡ 延床面積:125㎡の場合の容積率は

125㎡(延床面積)÷100㎡(敷地面積)×100=125%

となります。

この参考例の敷地の容積率が130%であった場合、一般的な住宅の場合は既に上限に近い延床面積となっているのに対して、インナーガレージのある家は、まだまだ延床面積を広くとっても建築可能な水準となっています。

つまり、同じ容積率の敷地に一般的な住宅とインナーガレージのある家を建てる場合、容積率の緩和特例のおかげでインナーガレージのある家の方が延床面積の上限が広がります。

ガレージを設ける事で削られる居住スペースを、この緩和措置のおかげで軽減する事が可能なのです。

インナーガレージのデメリット及び注意点

インナーガレージを検討されている方はデメリット及び注意点も把握した上で家づくりを行いましょう。

建築費用が高くなる

インナーガレージは車の出入りの為に大きな間口を設ける必要があるので、どうしても耐震強度が下がってしまいます。

その為、耐震強度を高める為に使用する柱や梁を太くしたり、強度の高い建材を使用したり、特殊なフレームを組んだりとインナーガレージ用の耐震施工が必要となります。

こうした特別な設計が必要になるので、一般的な住宅と比べた時にインナーガレージのある家の方が建築費用が高くなります。

耐震性能をきちんと確保しつつ、希望の間取りで建てるには確かな経験と知識、設計力がモノをいうのでインナーガレージを得意としている住宅会社を候補に選ぶようにしましょう。

動線を考慮した間取りづくりが必須

インナーガレージをより便利に使えるかどうかは間取りづくりにかかっています。例えば、食料品や日用品の買い出しが頻繁な家庭の場合、ガレージとパントリーを勝手口で繋ぐことで荷物を家の中へ運び混みやすくなり使い勝手の良いガレージとなります。

ガレージ内に玄関を設ける場合は、雨の日でも濡れずに車に乗り込めます。濡れた傘を畳んで車に入れる作業がけっこう面倒だったりしますが、そうした煩わしさも無くなります。

勝手口や玄関を設ける場合、車の向きに対して適切な位置にあるか。荷物をもって通れる幅を確保しているかなども注意しておきたいです。

また、ガレージから室内の動線だけではなく居住スペースの動線も当然大切です。

容積率の緩和措置の対象とは言え狭小地に建てる場合、ワンフロアの面積は限られてきます。限られた広さの中で家事動線のよい間取りでないと生活が不便になり、満足度の低いガレージハウスになってしまうでしょう。

間取りに関しても、生活がしやすく希望にも沿った間取りで建てられるかは経験や知識、設計力がモノをいうのでインナーガレージを得意としている住宅会社と検討する事が一番の解決策となります。

インナーガレージの上の部屋

インナーガレージの上の部屋は寒くなりがちです。特にシャッターを付けない場合、ガレージ内の気温は外気と同じになります。シャッターがある場合でもきちんと対策をしておいた方が良いです。

車庫の天井部分・2階の床部分は特に断熱性を高くする事が重要です。断熱材の厚みを倍にしたり、窓の大きさを調節したり、床暖房を採用したりするなど対策しておけば問題ありません。

建てた後にガレージサイズを拡げるのは難しい

インナーガレージの失敗例として多いのがガレージサイズに関する失敗です。

「車を買い替えたら車幅が前の車よりあり、ガレージの横幅がギリギリになってしまった。」

「家族が増えたので大きな車に乗り換えたいが、ガレージのサイズを考えると断念せざるをえなかった」等

車の買い替えによってガレージのサイズが合わなくなり後悔されている方がいます。そうならない為に将来を見据えてサイズ設計をする必要があります。

基本的には普通乗用車を基準とし、前後左右に少しの余裕を持たせ設計をするのがおすすめです。余裕を持たせた設計で1台分のガレージの広さが約5坪となります。

5坪以下の広さの場合は注意しておきましょう。

建ぺい率は緩和されない

建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見た時の面積)の割合の事です。建ぺい率は敷地ごとに決められており、例えば建ぺい率80%の敷地(100㎡)には建築面積80㎡以内の家しか建てる事が出来ません。
建ぺい率は建築面積÷敷地面積×100で求める事が出来ます。

メリットで紹介したようにインナーガレージは容積率の緩和特例の対象となりますが、建ぺい率の緩和特例の対象にはなりません。建ぺい率は決められた通りでしか建てられないので注意しておきましょう。

固定資産税について

「ガレージの大きさを延床面積の5分の1以内にすれば固定資産税がかからない」「延床面積の5分の1分の面積を除外できるから、その分固定資産税が安くなる」

このような話がネットで散見されますが、これは誤った情報です。

容積率の緩和で除外できる延床面積はあくまで容積率の計算上の延床面積です。固定資産税の評価額に関係する延床面積の話ではありません。

固定資産税評価の査定は、登記簿謄本上に記載された延床面積が対象となります。その為、ガレージの床面積を延床面積の5分の1未満にしても固定資産税の対象となります。

この辺りの話は、現役の住宅会社社員でも誤解されている方が多いので注意しておきましょう。

ガレージ部分は内装制限の対象となる

内装制限とは壁・天井の仕上げを燃えにくい材料にし、火災の拡大や煙の発生などを遅らせるための制限です。ガレージを車やバイクの車庫として使用する場合、内装制限の対象となります。

コンクリートやモルタルなどの不燃材料や準不燃材料の仕上げ材しか使用できないのでデザインに制限が生じる可能性があります。

ただし最近は建材そのものの耐火・防火性能に関わる技術革新が進んでおり不燃材料や準不燃材料に認定されている木材も増えてきています。

また、天井と壁の面積の10分の1以内であれば不燃・準不燃でない木材の露出も認められているので内装にこだわる方は事前に住宅会社の方と相談しておきましょう。

換気設備や照明設備が必要

インナーガレージの場合、換気設備が整っていないと排気ガスが居住スペースに流れ込んでしまう危険性があります。また塗装などをする時に出る揮発性ガスの悪影響も考えられます。

その為、必ず換気用の窓の設置や換気扇の設置が必要です。

更に、シャッターを下ろすとガレージ内は真っ暗になるので安全の為や、作業をしやすくする為に照明設備も必要となります。

その他、ガレージ内に設置しておくと便利な設備としてはエアコンです。エアコンがあれば夏でも冬でも快適に作業が出来ます。

コンセントや収納棚もあると便利です。

他にも手洗い場があると手が汚れた時だけでなく、洗車したり、ガレージの床掃除やアウトドア用品を洗ったりと何かと役に立ちます。

音への対策も必要

インナーガレージだとガレージ内のエンジン音や作業音が家の中に響きます。その為、ガレージの隣部屋や上の部屋は防音対策を行った壁や天井を採用しましょう。

上の階であれば、更に床に防音・遮音マットなどを敷くのも効果的です。

間取りの配置も考えておきましょう。

ガレージの真上に寝室がある場合、時間帯によっては睡眠を妨害されます。家族が寝ている時間帯にガレージを使う可能性のある世帯は寝室をガレージから離れた場所に配置しておいた方が良いでしょう。

また、シャッターの開閉音も深夜や早朝など静かな時間帯は余計気になってしまいます。ご近所トラブルに発展する事もあるので、住宅街に建てる時は出来るだけ静かに開閉できるシャッターを選ぶようにしましょう。

シャッターの種類と特徴

巻き上げ式シャッター

巻き上げ式シャッター
参照元:sotohan

上部に設置されたケース内にシャッタースラットを巻き取って収納するタイプで電動、手動両方あります。

チェーンで巻き上げるか、ベルトで巻き上げるかで特徴がやや異なります。

チェーンタイプは開閉音がうるさくて住宅街に付けるシャッターには向いていません。開閉スピードも遅いです。ただ、重たいシャッターでも問題なく巻き上げる事は出来ます。

ベルトタイプは開閉時の音は静かですが、チェーンタイプに比べるとパワー不足なので重量のあるシャッターには不向きです。開閉スピードも遅いです。

価格はチェーンタイプの巻き上げ式が他のタイプのシャッターよりも1番安価です。

オーバースライダー式

オーバースライダー式
参照元:日本シャッターメンテナンス

シャッタースラットがガレージの天井に沿って収納するタイプで手動もありますが電動が主流です。

開閉スピードも速く、開閉音も静かなので住宅街のインナーガレージに向いているシャッターです。

ただし天井にスラットを収納するのでガレージ天井に照明が取り付けられません。(照明器具は壁面などに付ける事になります。)ガレージの高さも考慮しておく必要があります。

スイングアップ式

スイングアップ式
参照元:金剛産業株式会社

シャッターが1枚板になっており外側に跳ね上げるように開くタイプで基本的には電動式です。

開閉スピードも速く、開閉音も静かなので住宅街のインナーガレージに向いているシャッターです。

ただし、オーバースライダー式同様に天井に収納されるので天井に照明が付けられません。また開ける時にシャッター部分が手前に跳ね上がるのでガレージ前方にスペースが無いと付けられません。

横引きシャッター

参照元:横引シャッター

横開きで開閉します。上下シャッターと同じようにシャッタースラットをボックスに収納するタイプや、壁に沿わせてスライドする流し込みタイプがあります。電動、手動両方あります。

開閉スピードは遅めですが、開閉音は静かなので住宅街のインナーガレージに向いているシャッターです。

横に収納するため天井スペースを邪魔せず、天井に照明を取り付ける事が出来ます。その変わり、開口部左右どちらかに収納スペースが必要となります。

手動の場合、横方向の動作なので上下式より楽に開閉が出来ます。S字や曲線での設置も可能です。

ただし、敷居レールの掃除が必要な事や設置費用が高くなるのがデメリットです。

まとめ

インナーガレージのある家の費用相場や動線も考慮された間取り、メリット・デメリット及び注意点などもご紹介してきましたが如何だったでしょうか。

インナーガレージは車・バイク好きの方には勿論の事、狭小地でも駐車場を確保出来たり、容積率の緩和で一般的な住宅より延床面積の上限を広げる事が出来たり、雨の日でも濡れずに乗り降り出来たりと何かと魅力のある住宅スタイルです。

注文住宅でも人気テーマの1つですが、動線を考慮しつつ耐震性の確保も必要不可欠な難しいテーマの1つでもあります。

その為、インナーガレージを検討されている方は必ずインナーガレージを得意としている住宅会社の中から候補を選ぶようにしましょう。

素敵なマイホームづくりを応援しています。

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この記事を書いた人
管理人
管理人

資格:宅地建物取引士(東京都宅地建物取引業協会認定)
経歴:不動産・住宅業界約10年
元ハウスメーカー勤務。現在は家づくり関連の情報サイトを複数手掛けるWEBディレクター
不動産・住宅業界10年以上の経験を活かし、注文住宅に関する"分からない事"を解消できるようにこのサイトを作成しました。

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