ヘーベルハウスの基礎や構造について詳しく解説
災害に対する強さはハウスメーカーの中で1番ではないかと噂をされるヘーベルハウス。
そのヘーベルハウスで採用されている基礎や構造はどうったモノなのか?それぞれの特徴や強みなどを交えて詳しく解説をしていきたいと思います。
ちなみに建物本体の事を上部構造と呼ぶのに対して、基礎の事は下部構造と呼びます。
当記事では基礎(下部構造)も建物本体(上部構造)についても解説していきます。
ヘーベルハウスの基礎
ヘーベルハウスでは布基礎(連続基礎)が採用されています。
一般住宅で使用される基礎は「布基礎」か「ベタ基礎」の2種類に分かれます。まずはその2種類の違いについてご説明していきます。
布基礎の構造
逆T字型の断面形状をした鉄筋コンクリート入り基礎を柱と柱の間に連続して打ち込む工法です。真上から見ると基礎部分は柱から柱を繋ぐ線のようになっています。
最近は基礎のない部分(土が露出している部分)に防湿用コンクリートを敷き詰める工法をとる事が多いです。
その為、コンクリートが固まった完成の状態を見ると全面がコンクリートになっておりベタ基礎のような見た目になりますが、防湿用コンクリートには建物を支える程の強度はありません。
布基礎は線で建物の支える構造となります。
建築基準法の基準によると、根入れ(土への埋め込みの深さ)は240mm以上、底盤の厚さは150mm以上と定められています。
基礎の立ち上がり部分の高さは地上から300mm以上、厚みは120mm以上とされていますが、布基礎もベタ基礎も400mm、厚み120mmで計画される事が多いです。
ベタ基礎の構造
床下全体にまんべんなく鉄筋コンクリート入り基礎を配する工法です。真上から見ると全面がコンクリートに覆われた状態になっています。
布基礎は線で建物の支える構造なのに対して、ベタ基礎は面で建物を支える構造となります。
建築基準法の基準によると、根入れ(土への埋め込みの深さ)は120mm以上、底盤の厚さは120mm以上と定められています。
基礎の立ち上がり部分・厚みに関しては布基礎と同じです。
根入れ深さ | 底盤の厚さ | 立ち上がり部分の高さ (布・ベタ基礎共に同じ) | |
---|---|---|---|
布基礎 | 240mm以上 | 150mm以上 | 地上から300mm以上 厚さ120mm以上 |
ベタ基礎 | 120mm以上 | 120mm以上 | 地上から300mm以上 厚さ120mm以上 |
布基礎のメリット
◦ベタ基礎よりもコスト安
ベタ基礎に比べて使用する鉄筋コンクリートの量が少なく、材料費や輸送費、人件費を抑えられるのでコストが安くなります。
◦ポイントによってはベタ基礎よりも強度が高い
布基礎はベタ基礎よりも根入れが深くなります。根入れが深いほど基礎は強固になるのでポイントによってベタ基礎より強度が高くなります。
ベタ基礎のメリット
◦建物が沈下する可能性が低い
ベタ基礎は面で支える構造なので建物の荷重が基礎全体に分散されやすいです。その為、建物の沈下リスクが低くなります。
◦湿気やシロアリの被害を防ぎやすい
ベタ基礎は床下全てがコンクリートで覆われているので地面からの湿気が発生しづらく、シロアリからの被害も防ぎやすくなります。
布基礎vsベタ基礎どちらが良い?
先に結論を書くと、どちらが優れていてどちらが劣っているという事はありません。
なぜなら基礎の上の建物の構造や地域、土地の状況により最適な基礎は変わってくるからです。
例えば、家の重量の重い鉄骨造だと基礎への荷重が強く掛かるため根入れ深さや底盤の厚さが厚い布基礎の方が荷重に耐えられます。
木造は湿気やシロアリの被害を受けやすく家の寿命に関わってくるのでベタ基礎の方が向いていたり、
だけど寒冷地だと、地中凍結をした時に地面が膨張し基礎を押し上げ建物にダメージを与えるおそれがあるので木造でも布基礎の方が向いています。
ヘーベルハウスでは布基礎を採用していますが、単純にベタ基礎よりもヘーベルハウスの家には布基礎の方が適しているので布基礎となっています。
ちなみに家自体の重さがある鉄骨造の場合は布基礎が採用されている事が殆どです。
◦トヨタホーム「布基礎」
◦パナソニックホームズ「布基礎」
◦積水ハウス「布基礎」
◦ダイワハウス「布基礎」
◦ミサワホーム「布基礎」
◦セキスイハイム「ベタ基礎」
ヘーベルハウスの基礎配筋
布基礎に使われる一般的な主筋は13mm、ピッチ(間隔)は300mmである事が多いのに対して、ヘーベルハウスで使われている主筋は16mm、ピッチも狭く本数が多い特徴があります。
豊富な配筋と高強度なコンクリートで耐久設計基準強度は24N/m㎡=約65年、つまり大規模補修を必要としないことが予定できる期間が約65年という高い耐久性を確保しています。
またヘーベルハウスの基礎配筋は、工場である程度のサイズで配筋パーツを生産して、それを現場で繋ぎ合わせていく手法なので精度が安定しています。
品質にばらつきが出ず、強度的にも屈強な作りとなっていますのでヘーベルハウスの基礎は信頼度の高い基礎です。
ヘーベルハウスの最新カタログ
他社の商品とも比較しましょう
ヘーベルハウスの構造
ヘーベルハウスには3パターンの構造躯体が用意されています。
◦ハイパワード制震ALC構造・・・軽量鉄骨
◦重鉄・システムラーメン構造・・・重量鉄骨
◦重鉄制震・デュアルテックラーメン構造・・・重量鉄骨
この中から自分達にあった構造躯体で家づくを行っていきます。
軽量鉄骨と重量鉄骨の違いは「鋼材の厚さ」です。
◦鋼材の厚さが6mm未満⇒軽量鉄骨
◦鋼材の厚さが6mm以上⇒重量鉄骨
また、鋼材の厚みによって法定耐用年数が異なってきます。
法定耐用年数
◦鋼材の厚みが3mm未満⇒19年
◦鋼材の厚みが3~4mm⇒27年
◦鋼材の厚みが4mm以上⇒34年
鋼材の厚みが厚いほど負荷に耐える事が出来るので、一般的には3階建て以上のマンションやビルの場合に重量鉄骨が用いられます。
ハイパワード制震ALC構造
ハイパワード制震ALC構造は40坪までの2階建てに採用される事が多い構造です。一般的には「ブレース構造」と呼ばれます。
木造では筋交い、鉄骨ではブレースと呼ばれる柱と柱の間に斜め材を入れた構造の事。
ヘーベルハウスでは斜めの部材に高性能の制震フレーム「ハイパワードクロス」を採用しています。
「ハイパワードクロス」の中央連結部にある制震デバイス「極低降伏点鋼」により地震時のエネルギーを効率的に吸収します。
制震テクノロジーにより変形が小さい制震フレームとなっています。
重鉄・システムラーメン構造
3階建て以上の建物や防火地域の建物に採用される事が多い構造です。一般的には「ラーメン構造」と呼ばれます。
柱と梁が交わる部分(接合部)を剛接合し、斜めの部材を必要とせずに建物を支える構造の事。
斜めの部材(ブレース)を必要としないので軽量鉄骨よりも設計自由度が高いといった特徴があります。
ヘーベルハウスの重鉄・システムラーメン構造には揺れ幅を小さくするオイルダンパー制震装置「サイレス」が採用されています。
重量鉄骨を採用する建物はある程度の高さと重量があるので揺れを感じやすくなるといったマイナス面がありましたが、「サイレス」によって建物の揺れ幅を低減し、躯体にかかる負荷を軽減しています。
大地震や繰り返しの余震に対しても粘り強く耐え快適に暮らせます。
重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
40坪~60坪程度の2階建てを想定して2022年4月に開発されたヘーベルハウスの新躯体です。
この新躯体の構造は、軽量鉄骨のハイパワード制震ALC構造と重量鉄骨の重鉄・システムラーメン構造の丁度中間にあたるような仕様になっています。
中間にあたる仕様のおかげで軽量鉄骨と重量鉄骨両方のメリットを兼ね備えたような特徴があります。
◦軽量鉄骨のメリット
重量鉄骨に比べると単価が安い
◦重量鉄骨のメリット
耐久性が高い
少ない柱で支える事が出来るので設計自由度が高い
つまり、新構造の重鉄制震・デュアルテックラーメン構造は軽量鉄骨の単価とあまり変わらない価格で重量鉄骨の耐久性と設計自由度を手に入れる事が出来ます。
40坪以上の2階建てを検討されている方にとてもおすすめの構造です。
災害に強いヘーベルハウスの基礎や構造
ヘーベルハウスの最大の特徴は、屈強な基礎や構造によってとにかく災害に対して強い家が建てられるという事です。
許容応力度計算を行った上で全棟耐震等級3を確保しています。
地震大国の日本では、地震に対する強さが家選びをする上で重要な要素となっていますが、へーベルハウスは標準仕様でもHMの中で最上位の強さをほこります。
以下は、災害に対して強さを証明した写真です。
1995年1月17日未明に起きた、M7.3の阪神淡路大震災。直下型地震だった為全壊および半壊した建物も多くありました。
そんな中、ヘーベルハウスの家は1棟も倒壊・半壊する事がなく地震後に発生した大規模な火災でも建物が防火壁となって、近隣の類焼・延焼を食い止めた事も大きな話題となりました。
また、2017年9月10日に起きた集中豪雨により茨城県鬼怒川の堤防が決壊した時もヘーベルハウスの家はニュースやネットで大きく取り上げられました。
濁流災害の後の様子も当時のヘーベルハウスのカタログに写真が載っています。
ヘーベルハウスに対するツイッターの反応
「電柱おじさんへの水流を弱め、ワンコのご夫婦の家+もう1軒を受け止めたヘーベルハウス」画像ってこれか。
— 杉下京子@飯テロネズミスキー (@kyouko_sugisita) September 10, 2015
本当だ、へーベルハウスのどすこい安定感パネェ… pic.twitter.com/d6TWXVGvm7
一夜が明けたヘーベルハウスの様子#鬼怒川 #堤防決壊pic.twitter.com/biDPcStqmS
— ゆる系速報・ぽん太くん (@JPNG5) September 10, 2015
は、栃木で流されずに残ったのがヘーベルハウスって話なのか! それ、阪神大震災のとき、エリアで倒壊しなかったのはヘーベルハウスだけ!って写真見せられた!同じ流れ(笑)! 世紀末モードに強いヘーベルハウス……。山暮らしには最高じゃねえか……wwww
— 椹野道流🍣フシノミチル (@MichiruF) September 10, 2015
留守中にリビングから出火したヘーベルハウスが壁(70mm厚)と天井(100mm厚)、床(100mm厚)のヘーベル版の耐火性能が高い上に気密性が良くて、部屋が無酸素状態になって勝手に火が消えてたって話は有名。
— ナマズん㌠ (@NAMAZUrx) September 19, 2017
当然、ヘーベルハウスは火災保険が激安(・_・)
このように、ヘーベルハウスは災害に対して強い家を建てたいと希望している施主さんにとってピッタリのハウスメーカーです。
ヘーベルハウスの強み
災害に強いという事以外にも「性能が持続する」という強みをヘーベルハウスは持っています。
優れた耐久性と施工力で性能を維持
基本躯体構造(基礎・鉄骨・ヘーベル)の耐用年数は60年以上。屋根材、シート防水システム、外壁塗装の耐用年数は30年以上となっています。
こうした構造躯体の耐用年数の長さや外壁や屋根に行なう高度な防水加工により性能が維持されます。
屋上フラットルーフ部には、高分子系防水シートの強度をさらに高めたオリジナルの防水シートを採用しています。日射熱による伸縮や地震によるズレ・亀裂が起きづらく長期にわたり優れた防水性能を維持します。
外壁は耐水・耐汚・耐候性に優れたアクリルシリコン系塗料で3層もの塗装を入念に行います。この3層の塗装が雨水の侵入を徹底的に防いでくれます。
更に、3層仕上げの外壁塗装の上に旭化成オリジナルの長期耐用型光触媒コーティング「デュラ光」をコーティングする事で建てた時の外壁の美しさも長期間保ちます。
◦分解力×セルフクリーニング機能
太陽光を浴びる事で光触媒層から活性酸素を発生し、汚れを分解付着力を弱めます。そして降雨時に洗い流しセルフクリーニングを行います。
◦親水膜
太陽の光を浴びずらい側面でも壁面に水膜が広がる親水膜が張られます。親水膜作用により静電気を抑止。ほこりやチリをつきにくくします。
資産価値が下がりづらい
一般的な木造住宅の場合、築20年程で建物価値が償却してしまいますがヘーベルハウスの場合は築50年後でも10%の価値が残ります。
構造躯体の高い耐久性と適切なメンテナンスにより資産価値が下がり難い建物です。
将来売却する時に他のハウスメーカーで建てた家と比べると大きな差が生まれます。
ちなみに定期点検は初回、1年目、2年目、5年目、以降5年毎に行なわれます。保証システムは初期保証30年、最長で60年保証となっています。
初期保証が30年と長期である事、また30年目にたった1度の有償メンテナンスで60年目まで保証を延長する事が出来る点が優れています。
また、家についての相談や定期点検の窓口となる「ヘーベリアンセンター」が24時間365日受付体制で開設されています。
コールセンターの担当者は派遣の方ではなく社員の方です。その為、電話越しでもある程度の対応が可能となっています。
定期点検の連絡をハウスメーカー側から行わない、不親切な会社も中にはありますが、ヘーベルハウスではそうした事が起こらないように対策が取られており、定期点検の連絡は必ずヘーベルハウスから来るようになっています。
こうした保証・アフターサービスの手厚さも強みの1つです。
断熱性能が続く
へーベル板(ALCコンクリート・ヘーベル)と高性能断熱材「ネオマフォーム」を一体化させた二重構造の「ヘーベルシェルタードダブル断熱構法」というオリジナルの断熱構法を採用しています。
独自開発の断熱材「ネオマフォーム」は髪の毛の太さほど(100ミクロン未満)の微細な気泡構造となっています。この気泡の小ささは他素材の断熱材と比べても圧倒的な小ささです。
気泡が小さい事で輻射による熱移動が少なくなり熱が伝わりにくくなります。対流も殆どおきないので更に熱が伝わりにくくなります。
下図は同じ断熱性能を有する為に必要な断熱材の厚さを素材毎に比較したものです。
ネオマフォームの熱伝導率(数値が小さいほど断熱性能が高い事を示す値)は0.020W/(m・K)となっています。
その為、50mmの厚さでも吹込み用セルローズ断熱材100mmや吹付け硬質ウレタンフォーム100mmと同等の断熱性能を有する事が出来ます。
断熱性能トップクラスのネオマフォームを以下の厚さで施工を行います。
◦ハイパワード制震ALC構造(軽量鉄骨)
ネオマフォーム | ポリスチレンフォーム | へーベル板 | |
外壁 | 45mm (柱回りは20mm) | – | 75mm |
屋根 | 65mm | 25mm | 100mm |
床 | – | 60mm | 100mm |
⇒2022年11月より断熱性能UP
ネオマフォーム | ポリスチレンフォーム | へーベル板 | |
外壁 | 60mm (柱回りは28mm) | 7mm | 75mm |
屋根 | 80mm | 15mm | 75mm |
床 | – | 60mm | 100mm |
◦重鉄・システムラーメン構造(重量鉄骨)
◦重鉄制震・デュアルテックラーメン構造(重量鉄骨)
ネオマフォーム | ポリスチレンフォーム | へーベル板 | |
外壁 | 45mm | – | 75mm |
屋根 | 高性能グラスウール | 25mm | 100mm |
床 | – | 60mm | 100mm |
⇒2022年11月より断熱性能UP
ネオマフォーム | ポリスチレンフォーム | へーベル板 | |
外壁 | 60mm | 7mm | 75mm |
屋根 | 80mm | 15mm | 75mm |
床 | – | 60mm | 100mm |
ヘーベルハウスでは標準仕様でZEH基準を満たす断熱性能(UA値=0.6以下)で建てる事が可能です。
UA値0.6以下なので断熱性能は十分なのですが、あくまでこの性能は新築時の性能です。
断熱性能は一般的に経年劣化の影響を受けやすく10年、20年が経つと断熱材が劣化をし断熱性能が弱くなっていく事がよくあります。
その為、断熱性能で気を付けておきたいのが新築時の性能がいつまで維持出来るのかという持続力です。
ヘーベルハウスではこの持続力が非常に高く、経年変化期間における平均熱伝導率の推定結果によると、ネオマフォーム(厚さ50mmの場合)25年間の平均熱伝導率が0.020W/(m・K)となっています。
先ほどご紹介した、他の素材の断熱材の厚さを比較した時の熱伝導率は25年間の"平均"の熱伝導率なのです。
つまり、ネオマフォームは経年劣化の影響を受けづらい断熱材なのでヘーベルハウスの断熱性能は持続力に優れており、長く快適に住む事が出来ます。
まとめ
ヘーベルハウスの基礎や構造、その他ヘーベルハウスが他社より優れている点などをご紹介してきましたが如何だったでしょうか。
ヘーベルハウスの強みは「災害に強い」「性能が持続する」「保証・アフターサービスの充実」です。
ヘーベルハウスに向いている人は
◦災害に強い家を建てたい人
◦大開口や広々リビングなどこだわりの間取りを取り入れたい人
◦安全性・快適性が長く続くので子供に家を残してあげたい人
◦建てた後の手間を極力軽減させたい人
◦保証・アフターサービスを重視したい人
◦将来、売却も考えている人
家づくりは多くの方にとって初めての経験だと思います。
その為、分からない事も色々とあると思いますが、疑問点や不安に思っている事はどんどん担当者に質問を行いましょう。
そうする事で不安は解消され、家づくりに関する知識も増えてきますので自分達家族に合ったハウスメーカーなのかどうかも見えてきます。
そして、時間的な余裕をもって家づくり計画を進めていきましょう。素敵なマイホームづくりを応援しています。
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