【一戸建て】地下室のある家の費用は?失敗や後悔しないコツも紹介
高い防音性から音楽ルームとしてや、収納不足を補うために倉庫としてなど多目的に活躍する地下室は、大人も子供もワクワク出来る秘密基地感もあり憧れの間取りの1つだと思います。
「注文住宅で家を建てる時には地下室も付けたい」と考えている方も多くいると思いますので、地下室のある家を建てる時にかかる費用の内訳やよくある失敗・後悔例、そしてその対策などをご紹介していきたいと思います。
地下室を作るのにかかる費用の内訳
地下室を作る時に1番の問題点となるのが費用がかなりかかる、という点です。一般的に地上に同じ広さの部屋を作るのに比べて2倍以上の費用がかかると言われています。
では、地下室を作る上で具体的にどのような費用が発生するのか説明していきたいと思います。
地盤調査費用
地下室をつくるのに適した地盤であるかを調査する為の費用です。地下室のある家を建てる時には地質の状態まで調べられるボーリング調査が採用されます。
ボーリング調査の費用相場は約20万円~30万円程度です。
地盤改良費用(地盤の状況次第)
地盤調査の結果、改良が必要と判断をされた地盤は地盤改良工事を行う必要があります。その為、この費用は地盤の状況次第では不要です。
改良工事は土にセメント系の固化剤を入れて地盤を固くする方法や、コンクリート杭を地中深くまで打ち込む方法、鋼管杭を打ち込む方法などがあります。
費用は改良を行う工法や広さ、地盤までの深さなどによって大きく変動します。凡その費用相場は約80万円~250万円程度です。
構造計算の為の費用
一般的な木造2階建てでは構造計算は不要である事が多いのですが、地下室のある家の場合は構造計算が必要となります。
構造計算書はA4用紙で100枚以上となる事も珍しくなく、大変な手間と専門的な知識を必要とするので構造計算を行うとそれなりの費用が発生してしまいます。
費用相場は地下室部分で約30万円~50万円。地上階部分で約20万円~30万円程度かかります。
地下室の設計図の作成費用
一般的な木造住宅の場合は本体工事費用に設計料は予め含まれている事が多いですが、地下室のある家の場合は別途作成費用がかかる事が多いです。
地下室は水圧や土圧に耐えられるように特別な設計を必要とします。また、地下室は鉄筋コンクリートで作るのですが、鉄筋コンクリートは施工中のやり直しが出来ない部分が木造よりも多くより緻密な設計図が求められます。
その為、設計図の作成費用が必要となり費用相場は約40万円~80万円程度かかります。
土留(どどめ)工事費用
土留とは土が崩れるのを防ぐ為に設置される構造物のことです。山留め(やまどめ)とも呼ばれています。
地下室をつくる時は地面を掘って作業を行うので、その時に周囲の地盤が崩れてしまわないように土留め壁を設置しながら作業を進めます。
地下室のある家ではH鋼を一定の間隔で打ち込み木製の板を横向きに這わせて土留め壁とする親杭横矢板工法が多く採用されており、費用相場は約150万円~200万円程度します。
根切り&埋め戻し&残土処理費用
根切りとは地面を掘る工事の事です。埋め戻しとは基礎の周囲や矢板と地下室の外壁の間などを掘削した余剰分の土等で埋め戻す作業の事です。
地下室を作る時には大量の土を残土として処理しなければなりません。量が多いのでトラックで何度も運搬する必要があり、また残土処理場の少ない都心部などでは遠方まで捨てに行く必要があります。
残土処分費用は主に運搬費+人件費+残土捨て場の受け入れ価格で構成されているのですが、運搬費が多くの割合を占める事になります。
根切り&埋め戻し&残土処理費用を合わせた費用相場は約180万円~230万円位です。
地下外壁の防水工事費用
土壌からの水分が染み込んでこないように地下外壁の防水工事を行う必要があります。地下外壁の防水工事は「後やり工法」と「先やり工法」の主に2種類があります。
「後やり工法」とは躯体が完成した後に躯体の外側から防水処理を行う方法です。その為、躯体の周りは防水処理をするためのスペースが余分に掘られており、作業が終われば土によって埋められます。
「先やり工法」とは土留(どどめ)壁に防水層を施し、コンクリートを打ち込み躯体を完成させると、防水層を施した土留め壁面をそのままコンクリート躯体の外型枠として利用する方法です。
躯体工事を行うより先に防水層を作っておくので「先やり工法」と呼ばれています。
従来型の「後やり工法」より「先やり工法」の方が、工事期間の短縮や掘削する土の量が減るなどメリットもあり近年では先やり工法が主流になってきています。
凡その費用相場は約70万円~90万円です。
配筋&打設工事費用
地下室の床、壁、天井面を作っていく工事です。一般的な鉄筋コンクリート造を作る流れ同様に、配筋をし型枠を設置してから生コンクリートを型枠に流し込んでいきます。
地下室の広さなどによっても異なりますが費用相場は約200万円~400万円程度かかります。
地下室の環境を整える為の工事費用
地下室の環境を良くする為に断熱工事や換気、除湿設備を整える必要があります。例えば壁や天井に珪藻土など調湿性能のある素材を使用したり、除湿器を設置したり、全熱交換型の換気装置を備えたりします。
また除湿した水分や雨水や結露水を排出する自動排水システムの設置や換気扇の換気経路を確保する為の工事なども必要です。
地下室として必要な設備の設置費用として約120万円~170万円程度します。
電気工事費用
地下室で電気が使えるようにするのは勿論の事、用途に合わせてテレビやネット回線も繋いでおけば便利に使用できます。
配線工事、コンセント・スイッチの取付、照明器具取付、テレビ端子やネットワーク・LAN工事、エアコン取付等含め約30万円~50万円程度です。
ドライエリアの工事費用
ドライエリアとは地下室のある家の外壁を囲むように掘り下げられた空間のことで「空掘り(からぼり)」とも呼びます。
必ず必要な工事ではありませんが、ドライエリアを設ける事で採光・防湿・通風が確保され地下室の環境はより良くなります。ただし当然費用がかかり相場は約130万円~180万円程度です。
◦地下室を作るのにかかる費用の内訳
項目 | 費用相場 |
---|---|
地盤調査費用 | 20万円~30万円 |
地盤改良費用 | 80万円~250万円 |
構造計算の為の費用 | 地下室部分:30万円~50万円 地上階部分:20万円~30万円 |
設計図の作成費用 | 40万円~80万円 |
土留工事費用 | 150万円~200万円 |
根切り&埋め戻し&残土処理費用 | 180万円~230万円 |
防水工事費用 | 70万円~90万円 |
配筋&打設工事費用 | 200万円~400万円 |
環境を整える費用 | 120万円~170万円 |
電気工事費用 | 30万円~50万円 |
ドライエリア工事費用 | 130万円~180万円 |
家の仕様や各種工事の工法、請け負う住宅会社や地下室の広さなどにより費用は異なるので一概には言えませんが、地下室を付けない場合と比べて+700万円~位は費用がかかります。
地下室のある家の失敗例その①:建築費用
地下室のある家の失敗例として「想定していた以上に費用がかかり断念した」とか「無理をして建てた事で返済が辛くなり失敗」、「かかった費用ほど活用出来ていない…」等の声があります。
地下室にかかる多額の費用が原因で失敗や後悔をしている方が割といますが実はこの費用、条件次第ではかなり抑える事が可能なのです。
では、具体的にどういったポイントを押さえれば費用も抑える事が出来るのかご紹介していきたいと思います。
■地下室のある家の建築費用を抑える方法
軟弱地盤を避ける
地下室をつくる時にかかる費用の中で地盤改良費用は割と大きな割合をしめていますが地盤の状況次第で0円に抑える事が出来ます。
軟弱地盤を見分ける方法として確実な方法は地盤調査を行う事ですが、それだと1回に数十万円もかかるので、地盤調査よりも精度は劣りますが費用をかけずに見分ける方法として下記がおすすめです。
周辺環境から推測する
周辺の環境から軟弱地盤かどうか推測する事も可能です。例えば、周辺よりも低い土地の場合、水が溜まりやすく地盤が弱くなっている可能性があります。
道路面より高い土地であっても人工的に土を盛った土地であれば、盛土部分が十分に固まっていない事が多く軟弱地盤になっている可能性もあります。
他にも周辺に水田があるエリアも注意が必要です。また軟弱地盤だけが原因とは言えませんが、外壁やブロック塀、擁壁や基礎、コンクリートで舗装された地面などに亀裂が入ってるエリアも注意が必要です。
地名を確認する
水を連想させる地名は地盤が柔らかい可能性があります。例えば「池、沼、江、沢、浦、浜、洲」など"さんずい"が含まれている漢字の地名はその昔、文字通り池や沼だった可能性もあります。
逆に「高、丘、岡、台、山、峰、林、森」など山や高地に関する漢字の入っている地名は良好な地盤の可能性が高かったりします。
ただし、元々の地名から名前が変わってしまっている地名もあるので注意しておきましょう。
古地図やハザードマップを調べる
公的な機関が提供している資料を参考にするのもおすすめです。例えば、国土地理院の公開している地図では戦前まで遡って空中写真・衛星画像で確認をする事が出来ます。
また古地図には旧地名が記されていたりするので元々の地名も知る事が出来ます。
他にも各自治体で出しているハザードマップで地盤についての詳細や液化情報などが無いかどうかなどを確認出来ます。
マップ上で地盤に関する情報を見ることができるサービス(地盤サポートマップ)で地質や地耐力、地震時の揺れやすさなどが確認出来るのでかなりおすすめのサービスです。
用途に応じたタイプで建てる
地下室の種類は「全地下タイプ」「半地下タイプ」に分かれます。また地下室の用途によってはドライエリアを設ける事もあるので「ドライエリアタイプ」を加えて3タイプに分かれます。
用途に応じたタイプの地下室をつくる事で余分な費用を抑制する事が出来ます。
地下室の主な用途とタイプ毎の主な特徴は以下の通りです。
◦シアタールーム
◦音楽部屋・カラオケルーム
◦ホームジム
◦ゴルフや野球等の練習場
◦書斎・ワークスペース
◦寝室やリビング
◦ワインセラー・貯蔵庫
◦倉庫・収納部屋
◦ガレージ・駐車スペース
全地下タイプ
地下室全てが地面よりも低い位置にあるタイプの部屋です。部屋全体が地中にあるので断熱性・遮音性・室温の安定性に1番優れています。
大きな音の出るシアタールームや音楽・カラオケルーム、ゴルフや野球等の練習場の使用に適しています。また室温が一定に保たれやすいのでワインセラーや貯蔵庫としても適しています。
ただし窓を設置出来ないので採光が出来ません。自然換気も出来ないので換気設備や除湿器などの設備をしっかり整える必要があります。
設備をきちんと整える必要性がある事と、半地下タイプよりも深く地面を掘る必要があるので建築費用は半地下タイプより高くなります。
半地下タイプ
地下室の半分程度が地面よりも低い位置にあるタイプの部屋です。傾斜地や段差のある敷地を有効活用して作られた半地下タイプもあります。
地上に出ている箇所に窓を設置すれば採光も風も取り込む事が出来ます。自然換気が出来るので湿気も逃しやすくなります。
地面を掘る量も全地下タイプより少なくて済むので建築費用を安く抑える事が出来ます。
ただ断熱性・遮音性は全地下タイプよりは劣るのでそこまで大きな音の出ないホームジムや書斎・ワークスペース、ガレージ・駐車スペースに向いています。
また倉庫・収納部屋として利用する場合には1番コストが抑えられるドライエリア無しの半地下タイプが向いています。
ドライエリアタイプ
ドライエリア付きの地下室です。ドライエリアを設ける事で採光や通風性に優れます。ドライエリアを中庭のように使用する事も可能です。いざという時の避難経路としても利用できます。
地下室の環境が良くなり、居室としての条件も満たす事が出来るので地下室を寝室やリビングとして使用する時に向いています。
ただしドライエリアを作る為の工事費用がかかるのでトータル費用は高くなってしまいます。また、断熱性・遮音性・室温の安定性はドライエリアを付ける事で下がってしまいます。
■地下室のタイプ別おすすめ用途
コスト | 採光・換気 | 断熱・遮音 | おすすめ用途 | |
---|---|---|---|---|
全地下タイプ | ○ | △ | ◎ | ◦シアタールーム ◦音楽・カラオケルーム ◦ゴルフや野球等の練習場 ◦ワインセラー・貯蔵庫 |
半地下タイプ | ◎ | ○ | ○ | ◦ホームジム ◦書斎・ワークスペース ◦ガレージ・駐車スペース ◦倉庫・収納部屋 |
ドライエリア付き地下室 | △ | ◎ | △ | ◦寝室やリビング |
地下室を作る時の最大の問題点は建築費用が増えるという事ですが、ドライエリア無しの半地下タイプであれば他タイプに比べ大分コストを抑える事が出来ます。
その為、大きな音の出る使用目的でない時はドライエリア無しの半地下タイプにする事で費用面での負担を減らす事が可能です。
ミニドライエリアにする
ドライエリアを付ける時に、通常のドライエリアよりも狭いミニドライエリアを検討しては如何でしょうか。
通常のドライエリアは地下室の床面と同じ高さまで掘るので費用が高くなります。ミニドライエリアであれば掘る深さが浅いので費用は抑えられます。
断熱性能・防音性の低下もドライエリアよりは開口部が狭いので抑える事が出来ます。
道路幅が狭いところは注意
敷地に行くまでの道路が非常に狭い場合建築費用は高くなってしまうので注意が必要です。
例えば基礎工事や地下室を作る時に生コンを積んだミキサー車を使用しますが道幅が狭いと大型車の使用は出来ず、小型車を使用する事になります。
小型車では1台で必要な分の生コンを積む事が出来ずに何度か行き来をする必要が出てきます。場所によっては通行止めをする必要があったりして人件費もかかります。
このように道幅が狭いと残土を運搬する時にも、資材を運び込む時にも、上棟時にレッカー車を使用する時にも何かと作業効率が悪くなり手間もかかるので建築費用が高くなります。
建築費用を抑える為には、前面道路幅5mは欲しいところです。
施工実績の豊富な住宅会社に依頼をする
欧米では地下室のある家は珍しくありませんが、日本ではあまり見られません。その為、地下室のある家の施工実績が豊富な会社が少ないのです。
施工実績が少ないと技術面での不安もありますし、地下室を作る時にかかる費用面の最適化が出来ていないので高くなります。経験が乏しいのでプランの提案力でも劣ります。
何一つ良い事はないので、地下室のある家を建てる時には地下室付きの家の施工実績が豊富な住宅会社を選ぶようにしましょう。そうする事で費用面を抑える事にも繋がります。
地下室のある家を規格住宅として取り扱っている住宅会社も良いですね。規格化されていれば費用面で最適化が図られていると思われるのでコスパの良い地下室のある家が建てられます。
そして忘れずに相見積もりを行いましょう。同じ条件で複数社から見積もりを出してもらう事で費用面も含めて比較が出来ます。
誰もが住宅会社選びで失敗したくないと思っていますが、残念ながら失敗・後悔をする人が後を絶ちません。その1番の理由は比較・検討をする時間が不十分である事です。
車や時計、高級な家電を買う時に価格やデザイン、性能などを比較すると思いますが家を購入する時も各社の特徴やデザイン、性能や価格、設備や保証内容などしっかり比較する必要があります。
この作業を面倒くさがると後になって必ず後悔するので、出来るだけ多くの会社のカタログを集め比較・検討を繰り返しましょう。
play_circle ハウスメーカー選びのはじめの一歩!まずはカタログを取り寄せ比較してみましょう。
その他、地下室のある家でよくある失敗・後悔例
建築費用が原因の失敗例以外で、地下室のある家でよくある失敗や後悔例とその対策についてもご紹介していきたいと思います。
湿気・結露・カビが原因となる失敗
特に梅雨や夏は湿気が気になります。地上階の部屋に比べて明らかにジメーッとした感じであまり快適ではないですね。結露が原因だと思うのですが1度壁紙にカビは発生してしまい、その時はカビの臭いも気になりました。
地下室の問題点はやっぱり湿気でしょうね。音楽スタジオとして使用しているのですが音響設備の金具が錆びてしまいました。
失敗しないコツ
湿気・結露・カビ対策として有効なのはドライエリアを付けるか、ドライエリアを付けない場合は設備をきちんと整える必要があります。
ドライエリアは採光・通風に優れるので湿気・結露・カビ対策としてとても有効です。ただ防音性は落ちるので音楽部屋やカラオケルームとして地下室を使用したい場合、ドライエリアを設けないケースも多いです。
そんな時は湿気を抑える床材や壁材を採用する、除湿器を設置する、換気設備を整える、外気との温度差を抑える熱交換器を設置するなどの湿気・結露・カビ対策設備をきちんと整えましょう。
採光が原因となる失敗
思っていた以上に地下室が暗くて、作業をする時に手元が見えにくい。部屋が暗いと気持ち的にも晴れない。
失敗しないコツ
湿気・結露・カビ対策同様にドライエリアを設ける事で採光しやすくなり明るい部屋になります。ドライエリアを付けない場合は、照明を設置する場所、数を工夫しましょう。
窓の無い全地下タイプの地下室は陽の光が届かないのでかなり暗いです。薄暗いのが苦手な方は明るめの照明を選ぶのが良いでしょう。
更にフロアライトやテーブルライトなどの補助照明も取り入れれば明るさの調整も出来ますし、おしゃれ度も上がります。
浸水が原因となる失敗
集中豪雨の時に下水管から逆流して地下室へ水が入ってしまいました。床材と壁紙の一部を貼り替える必要があり、痛い出費となりました。
台風によって地下室に水が浸水し、置いてあった機械類や内装がダメになりました。後片付けも大変で修繕費用も高く踏んだり蹴ったりです。
失敗しないコツ
まずは土地選びの段階からハザードマップ等で浸水被害の少ない地域かどうか確認をしておきましょう。その上で、排水設備をきちんと整え、外壁に防水処理を行ったりと浸水対策を行う必要があります。
事前に台風および豪雨が襲ってくる事が分かっている時は止水版の設置や土のうを積んで対策をするのも効果的です。
ドライエリアを設ける時は雨水の浸入を防ぐため、地上部に腰壁(腰位の高さまで張られた壁)を設けておきましょう。浸水被害を防ぎつつ、目隠し用としても役に立ちます。
使用頻度が低くて失敗
お願いした業者さんが良かったのか比較的安く地下室が作れたので、とりあえすで地下室を作ったのですが、元々どうしても地下室が欲しい!という事もなかったので、今ではほぼ使用していません。安かったとは言え約500万円はかかったのに使用頻度が低く後悔しています。
失敗しないコツ
建築費用を抑えるコツでも書きましたが、使用用途をきちんと決めてから地下室は作りましょう。地下室が本当に必要か?高い費用分有効活用できるのか?
ロフトや小屋裏で代用できないのか?等、じっくり検討する必要があります。
地下室の作れない土地で失敗
かなりの時間をかけてようやく決めた土地が地下室の作れない土地でガッカリ。また一から土地探しを始めるのかと思うと正直ダルイ…
失敗しないコツ
土地の条件次第では地下室を作れない事もあります。まずは地下室の作れる土地なのか確認をしておく事が必要です。
以下に当てはまる土地の場合は地下室が作れない事が多いです。
◦地面の下に水脈が通っている土地
◦地面の下に地下鉄や下水道管などの障害物がある土地
◦新しく道路ができる計画のある土地
固定資産税が増えて失敗
地下室をつくる時は地下室の費用の事ばかり考えていて固定資産税の事を忘れてた。鉄筋コンクリートだからやっぱ高いなー。
失敗しないコツ
固定資産税が増えてしまう事の対策は正直ないので地下室を作ると固定資産税が増えるという事は事前に把握しておきましょう。
ちなみに固定資産税は木造1に対して鉄骨造約1.2倍、鉄筋コンクリート造約1.5倍程高くなります。
その他、考えられるリスク
上記以外で地下室の家で注意しておきたい事が、万が一閉じ込められるリスクがあるという事です。
例えば地震で何かが倒れ、それがつっかかりドアが開けられなくなったり、浸水被害により水圧でドアが開けられなくなったりする可能性があります。地下室は防音性が高いので助けを求める声も届きづらいです。
地下室からの出入り口が1ヶ所だけの場合、閉じ込められるリスクがあるので避難経路を別に確保しておく必要があります。
ドライエリアがあれば緊急時の避難経路としても使えるので問題ないでしょう。ドライエリアを付けない場合は、半地下タイプであれば人が通れる程の開口部を確保しておけば緊急時の脱出口としても使えます。
全地下タイプだと難しいので万が一閉じ込められても外部と連絡が繋がるような設備を備えておいた方が良いでしょう。
地下室のある家のメリット
地下室を作る事で建築費用がアップしてしまうデメリットを紹介しましたが、反対に地下室を作る事で得られるメリットにはどのようなものがあるのか紹介していきます。
容積率が緩和される
地下室のある家は一定の要件を満たす事で、延床面積の1/3を上限とし容積率の計算から除外をする事が出来ます。
一定の要件とは下記の通りです。
◦床面が地盤面よりも下にある事
◦床面から地盤までの高さが、天井高の1/3以上である事
◦地盤面から天井までの高さが1m以下である事
◦住宅として使用される事
容積率100%の敷地100㎡に一般的な2階建てを建てようと思えば、1階50㎡、2階50㎡、延床面積100㎡までの建物しか建てる事が出来ません。
しかし、要件を満たした地下室のある家であれば延床面積の1/3までを容積率の計算から除外できるので最大50㎡の地下室を作る事が可能となります。
つまり一定の要件を満たした地下室のある家は地下室の無い家に比べて最大1.5倍広い家を建てる事が出来るのです。
容積率の緩和により敷地の広さを変えずとも部屋数を増やす事が出来るので地価の高い都心部などでは、敷地を広くして部屋数を確保するよりも地下室を作った方が費用が安くなる可能性もあります。
地震に強い家になる
基礎が深い建物は地震に対して強くなりますが、地下室のある家は地下室がある分基礎が深くなります。また地下室自体も強固な作りで地上階の基礎としての役割も果たすので地下室のある家は地震に強い家になります。
地上階も地震に対して強くなりますが、地面よりも下の位置にある地下室は揺れも大幅に軽減され地震による影響をあまり受けません。
その為、貴重な物の保管庫としてや緊急時の避難場所としてなどシェルターのような役割も果たしてくれます。
防音性・遮音性が高い
土とコンクリートに囲まれた地下室は防音性・遮音性に非常に優れています。外部の音を遮るだけでなく、内部の音も外部に漏らしません。
音漏れせず、振動も外部に伝わりづらいので迫力満点のスピーカーを設置して立体感のある音を楽しめる本格的なルームシアターなどにもピッタリです。
子供を安心して遊ばせられる
庭で子供を遊ばせていてもフラッと道路に出てしまう危険もあるので目が話せませんが、地下室であればそうした心配も不要なので安心です。
最近では球技を禁止する公園も増えてきていますが、防音性も高い地下室であればサッカーや野球の練習の場としても使えます。
走り回る足音や声を注意する必要もないので、子供ものびのび遊べます。
ワンちゃんのいるご家庭では、ワンちゃんの足の負担を軽減させる人工芝などクッション性の高い床材を敷いてあげればドッグランとしても活躍します。
温度が一定に保たれやすい
地下にある地下室は外気温の影響を受けずらいです。その為、一年を通して温度が一定に保たれやすいという特徴があります。だいたい15~25度の間である事が多いです。
その為、夏はひんやりと涼しく感じられ、冬は少し暖かく感じられます。温度が安定しているのでワインセラーとしてや食糧庫などに適しています。
まとめ
一戸建てで地下室のある家を建てるのにかかる費用の内訳やその相場、よくある失敗例と対策などをご紹介してきましたが如何だったでしょうか。
地下室を作る上で1番気を付けておきたいのが"費用が割とかかる"という点です。
土地の状態によっても建築費用が大きく変わってくるので土地から探す方は、土地探しからサポートしてくれる住宅会社に協力して貰って一緒に探すのが良いでしょう。
地下室には他にも結露や湿気、換気などの問題もありますがきちんとした設備を整えておけばそこまで心配する必要はありません。
費用面がクリア出来て、地下室のある家の施工実績が豊富な住宅会社であればかなり満足値の高いマイホームが建てられます。その為、時間に余裕をもって比較・検討を行いましょう。
素敵なマイホームづくりを応援しています。
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