アキュラホームのUA値とC値(断熱性能と気密性能)を調べた結果

2023-12-26

断熱等級も無かった時は、住宅に求める性能と言えば耐震性能でしたが、最近は耐震性能も勿論ですが、断熱性能・気密性能を最重要視する施主さんが増えています。

そこでアキュラホーム(AQ Group)の断熱性能(UA値)や気密性能(C値)がどの位なのか?

その結果を踏まえ、どのような断熱材を使っているのか、アキュラホームの家は寒いのか?などを検証していきたいと思います。

※追記

2023年7月より断熱性能に特化した家「超断熱の家 プレミアム」が発売開始されました。

断熱性能は現行の最高ランクである断熱等級7仕様となっています。UA値で見ると以下の通りです。

断熱性能に特にこだわりたい方に大変おすすめの住宅商品です。

断熱等級地域区分
12345678
断熱等級7UA値 0.20.20.20.230.260.260.26
地域区分表
新商品「超断熱の家」の概要
剛木造 超断熱の家 プレミアム

「超断熱の家」と「超断熱の家 -プレミアム-」が用意されており、無印の方は断熱等級6でプレミアムの方は断熱等級7に対応しています。

現行の最高等級である「断熱等級7」(地域区分6地域、UA値≦0.26)を満たした「超断熱の家 -プレミアム-」が施工面積約30坪、2階建て、3LDKで税込2,079万円~で販売されています。

主な特徴

◦リビング吹抜にオープン階段を設けた開放的な大空間でも高い断熱性能を確保
◦エアコン一台で一年中快適
◦光熱費を抑えた暮らし
◦新築後10年間、地震による修繕や建替えの費用を建物販売価格100%まで限度額として保証する「AQ地震建替保証」付き

何かカラクリがあるんじゃないかと思ってしまう程、この価格で断熱等級7の家が建てられるのはかなり安いです。
(新商品のPRも兼ねているから実現出来てるのか??)

今後、価格が見直される可能性もありますが気になる方は専用ページよりカタログを貰うか、モデルハウスを見に行くか、オンラインで相談を行いましょう。

「超断熱の家 プレミアム」特別価格専用ページ

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アキュラホームのUA値(断熱性能)

出典:株式会社AQ Group

アキュラホームの提供する住宅は全棟ZEH基準を満たしています。

ZEH基準を満たす=UA値は0.6以下という事なので、標準仕様でもUA値=0.6(W/㎡・k)以下で建てる事が可能です。

ZEH基準を満たすUA値とは?

上記の件をもう少し詳しく説明します。

ZEH住宅(消費するエネルギーと太陽光発電などで創るエネルギーの合計が年間でゼロ以下の住宅)には幾つかの基準があり、その一つにUA値の基準があります。

ZEH基準を満たすUA値は以下の通りです。

ZEH基準のUA値

地域区分1234567
ZEH基準0.4以下0.4以下0.5以下0.6以下0.6以下0.6以下0.6以下
地域区分表

地域によって求められるUA値が異なります。

例えば、寒冷地である1・2地域ではZEH基準はUA値は0.4以下です。東京や大阪など寒冷地および東北でない大部分が該当する4・5地域であればUA値が0.6以下であればZEH基準を満たしていると言えます。

アキュラホームは全棟ZEH基準を満たしているので、標準仕様でもUA値=0.6(W/㎡・k)以下という事になります。

断熱材と窓の断熱仕様

アキュラホームは断熱材に高密度グラスウールを採用しています。

戸建て住宅の断熱材で1番よく使われている断熱材で材料費・施工コストが安く、加工もしやすい、発泡プラスチック系断熱材よりも耐火性が高いなどの特徴があります。

断熱材の施工厚さと窓の断熱仕様は下記の通りです。

◦天井:グラスウール10K(155mm)
◦壁:グラスウール16k(105mm)
◦床:グラスウール24k(80mm)
◦窓ガラス:Low-E複層ガラス
◦窓サッシ:アルミ樹脂複合サッシ

家の断熱性能は断熱材の性能や厚み以外にも窓の断熱性能にも大きく影響を受けます。

アキュラホームでは遮熱型・断熱型2種類の「アルゴンガス入りLow-E複層ガラス」を効果的に使い分け断熱性能を高めています。サッシはアルミ樹脂複合サッシです。

ちなみに各所に使われる断熱材の厚みは時代と共に変わる事が多々あります。アキュラホームも以前よりも厚みが増し標準で高断熱仕様となっています。最新の数字は担当者に確認する事をおすすめします。

断熱性能へのこだわり

高い断熱性能を長期的に継続させる為に、断熱材を湿気や水から守る施工に力を入れています。

極細繊維構造の透湿防水シートが外からの雨水の侵入をブロックし、室内からの湿気は通気層から逃がす仕組みになっています。アキュラホームの透湿防水シートは30年相当の劣化試験においてほとんど性能が変化しない高耐久性仕様であり、断熱材を湿気や水から守り続けるので、年数が経っても断熱性能が落ちにくい施工になっています。

最近は高断熱仕様の住宅が増えてきていますので、新築時に断熱性能が高いのは当たり前になりつつあります。

ただ、断熱材は経年劣化の影響で断熱性能が落ちてくる事がありますので20年後、30年後も新築時と変わらない断熱性能が保たれる施工が行われているかも大切なチェックポイントとなります。

更に、アキュラホームで使用する透湿防水シートは輻射熱の約85%を反射する遮熱性能も持ち合わせているので、夏場など外気の影響で室温が高くなる事も抑制してくれます。


アキュラホームでは標準仕様でもZEH基準を満たすUA値=0.6以下となるので高断熱住宅と呼べます。標準でZEH基準を満たす事に加えて、断熱性能が長期に渡り維持されやすい施工が行われている点も嬉しいポイントです。

標準仕様でも満足できる性能ですが、より断熱性能にこだわりたい時にはオプション追加等で更なる断熱性能を求めるのも良いでしょう。

アキュラホームのC値(気密性能)

アキュラホームのC値(気密性能)について公式の発表はありません。その為、C値に関してはアキュラホームで実際に注文住宅を建てられた施主さんの建築ブログを参考にしていきたいと思います。

アキュラホームの施主ブログ

こちらの施主さんによる気密測定の結果はC値0.49となっています。

アキュラホーム口コミ掲示板のレス

2281: 通りがかりさん  

[2022-06-15 22:36:28]

一年前にアキュラで家を建てたけど概ね満足してるよ。
営業の評判が悪いみたいだけどうちは凄く良かった。結構色々と要求したけど一生懸命に対応してくれた。現場監督、設計士、インテリアコーディネーター、大工さん関わる人みんな誠実な人達ばっかりだった。
ちなみに断熱にこだわってかなり予算使ったけど気密測定した結果c値も0.6だったので家の性能も悪くないと思う。まー他のハウスメーカーを知らないから比較できるものでないけどアキュラで良かったと思う。ちなみに東京です。

e戸建て

こちらの施主さんによる気密測定の結果はC値0.6となっています。


アキュラホームの施主さんによる気密測定の結果が書かれたブログや口コミは上記2つしか見つけられませんでしたが、ブログ内に参考になる事が書かれていたのでアキュラホームのC値は十分に推測できます。

ブログの方の施主さんの家は断熱・気密仕様を北海道仕様にしてもらったり、「気密、気密」と事ある毎に言っていたようで設計、監督、棟梁などに「気密を相当気にされている方」と認識をされ気密施工も徹底して行われたようです。

ブログ内で語られているのですが、現場監督さんが言うには「別の現場でも標準仕様でC値0.8程度は出した実績がある。」との事です。

つまり気密にこだわって施工をして貰えばC値は0.5程度、通常でもC値0.8程度で建てられると推測できます。

UA値とC値(断熱性能と気密性能)の結果

アキュラホームの標準仕様で建てた場合、UA値は0.6(W/㎡・k)以下、C値は0.5~0.8(c㎡/㎡)位です。(※)

アキュラホームのUA値とC値

UA値0.6(W/㎡・k)以下
C値0.5~0.8(c㎡/㎡)

(※)
・UA値・C値は家の形状や間取り等で変わる数値なのであくまで参考程度にお考え下さい。
・C値はアキュラホームの公式発表の数値ではありません。施主さんのブログや口コミ、構造・工法などから当サイト管理人が推測した予想値です。
・アキュラホームではUA値≦0.26の高断熱仕様の住宅も取り扱っています。

アキュラホームの施工事例集・商品カタログ

UA値(断熱性能)とC値(気密性能)の注意点

断熱性能と気密性能を判断する上でUA値とC値は役に立つ指標ですが、知っておいた方が良い注意点もありますのでご紹介しておきます。

UA値は理論値

UA値はあくまで理論値です。家の仕様がまとまったタイミングで算出する事が出来ます。UA値の計算式は以下の通りです。

UA値=建物が損失する熱量の合計(w/k)÷外皮面積(㎡)

UA値は住宅の内部から床や外壁、天井や開口部などの外皮を介して外部へ逃げる熱量の合計を外皮面積で割った値です。計算式で求める事になるので理論値となります。

実測値ではないので、万が一施工不良などがあれば算出したUA値よりも実際は悪い断熱性能で家が建つ可能性もあります。

C値は実測値

C値は家全体でどの位の隙間が空いているかを示す数値で、上記画像のような専用機器を用いて測定を行う実測値です。C値の計算式は以下の通りです。

C値=家全体の隙間の合計(c㎡)÷延床面積(㎡)

気密測定を行うタイミングは、断熱・気密工事が終わった後か竣工後に行います。どれだけの隙間が空いているのかを測定するので、ある程度施工が進んでからでないと測る事が出来ません。つまり家が建つ前段階ではC値は分からないのです。

またC値は家の形状や間取りによっても変わりますが、現場の大工さんの施工精度も反映されます。施工精度が低く杜撰な仕事をする職人さんが建てた家は隙間が多くなるのでC値が悪くなります。

…厳密に言えば構造や工法、断熱工法の違いなどで気密性の確保のしやすさが変わるので一概に現場の職人さんの腕だけが原因という訳ではありませんが、過去に建てた住宅の平均C値が優れている住宅メーカーは現場の職人さんが優れている&気密性を確保しやすい家という事が判断できるので、過去の平均C値が良ければ自分が建てる時にも気密性が確保された家が建つ可能性が高いです。

どちらにしても現場の施工レベルが低ければ優秀なC値は出せませんので、C値は現場の施工レベルを測る物差しとしても役に立ちます。

UA値とC値は必ずセットで考える

暖かい羽毛のダウンを着ていても、そのダウンが穴だらけだったら意味がないように、断熱性能と気密性能はどちらか一方だけが優秀であってもあまり意味がありません。

断熱性能が優れている家でも、気密性能が低ければ外気の影響をうけやすくなります。逆もまた然りです。気密・断熱両方の性能が優れている事で始めて高気密・高断熱の恩恵を受けられるのでこの2つは必ずセットで考えるようにしましょう。

高気密・高断熱住宅には定義がない

ハウスメーカーのHPにはよく『高気密・高断熱住宅』という文言が記載されていますが、実は高気密・高断熱の定義は決まっていないのです。

その為、営業マンの「我が社の家は夏は涼しく冬は暖かい、高気密高断熱住宅ですよ」等のセールストークを鵜呑みにして家を建てた結果、実際の気密性能・断熱性能はそこまで高くない『なんちゃって高気密・高断熱住宅』だったなんて悲しい失敗例も多くあります。

そうした失敗をおこさない為にも、性能は文言ではなく必ず数値を確認するようにしましょう。

断熱性能と気密性能は必ずUA値とC値で確認

例えば、以下のようなキャッチフレーズでPRをしているハウスメーカーが3社あったとします。

A社:『高性能断熱材で真冬でもポカポカ住宅!』
B社:『裸足でも快適に過ごせるあたたかいお家!』
C社:『W断熱で夏でも冬でも1年中快適ハウス!』

上記の文言だけではどこの会社が1番気密性能・断熱性能に優れているか分からないと思います。では下記の場合ではどうでしょうか?

A社:(UA値:0.8/C値:1.0)
B社:(UA値:0.3/C値:0.3)
C社:(UA値:0.6/C値:1.2)

数値に置き換えれば3社の中でB社の商品が1番気密性能・断熱性能に優れているという事が分かります。気密・断熱性能を判断する時には書かれている文言ではなくUA値やC値の値を確認するようにしましょう。

“耐震性能"や"断熱・気密性能"などの住宅性能は必ずカタログスペックで比較を

各社のホームページを見ても『地震に強い家!』『W断熱で快適ハウス!』など"文言"でPRしているところが多いですが、住宅性能を確認する時には必ず"数値"で確認をしましょう。

耐震性能や断熱性能(UA値)、気密性能(C値)などの性能に自信のある会社はカタログにきちんと等級や数値が載っています。

反対にカタログに具体的な数値が載っていない場合は性能に自信のないハウスメーカーだと判断して問題ありません。

住宅性能以外でも画像も豊富に載ってあるのでデザイン性や、キッチン・浴室・トイレ等の住宅設備の見た目も確認する事が出来ます。

ハウスメーカーを選ぶ為に必要な情報が詰まっていますので最新カタログの数値や画像等を参考に各社の比較を行いましょう。

play_circle アキュラホームの最新カタログ

アキュラホームのUA値、C値は快適に暮らせる値か?

高気密・高断熱住宅には定義がないとお話をしましたが、実際に優れた気密性能と断熱性能をほこる本当の高気密・高断熱住宅であれば夏は涼しく冬は暖かく1年を通じて快適に暮らす事が出来ます。

では本当の意味で高気密・高断熱と呼べる住宅はC値とUA値がどの程度であれば良いのか?どの程度あれば1年を通じて快適に暮らす事ができるのかを説明していきたいと思います。

快適に暮らす為に必要なUA値

快適に暮らせるUA値を定める為にH25省エネ基準、ZEH基準、HEAT20 G1基準、HEAT20 G2基準、HEAT20 G3基準のUA値を参考にしたいと思います。

UA値

地域区分1234567
H25省エネ基準0.460.460.560.750.870.870.87
ZEH基準0.40.40.50.60.60.60.6
HEAT20 G1基準0.340.340.380.460.480.560.56
HEAT20 G2基準0.280.280.280.340.340.460.46
HEAT20 G3基準0.20.20.20.230.230.260.26
地域区分表

快適に暮らすために確保しておきたいUA値はZEH基準を満たす数値です。地域によりUA値は異なりますが東京・大阪の該当する6地域であればUA値 0.6以下を目指したいところです。

(※)HEAT20とは20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会の略称

ZEH基準を目標とする理由

H25省エネ基準は平成25年(2013年)に定められた指標で今では基準が古すぎます。設定もゆるゆるで、"省エネ基準"という名前がついていますが、この基準を満たしてもさほど省エネ住宅にはなりません。

H25省エネ基準は本来であれば2020年に義務化される予定でした。(義務化は見送られました。)つまり、義務化されていればこの基準を満たしていないと建てる事すら出来ないという最低限の基準だという事です。この基準を満たしても快適に暮らす為には物足りません。

ちなみに、ハウスメーカーのHPなどで『断熱等級4の最高等級!!』等とよく書かれていますがH25省エネ基準を満たしていれば断熱等級4を取得する事ができます。『最高等級』と聞くと何だか凄そうに見えますが実際はそこまで凄い数値ではありません。
※2023年に断熱等級5・6・7が新設されましたので断熱等級4は最高等級ではなくなりました。

その為、快適に暮らすにはH25省エネ基準よりも上の基準を目指すべきです。では、ZEH基準よりも厳しいHEAT20基準を目標にするのはどうなのか?という所ですが、もちろん断熱性能だけを考えるのであればHEAT20基準を満たしていれば間違いありません。

ただし問題になってくるのがコストです。断熱性能を追求すればするほどコストがかかります。それに寒冷地で無い場合にはオーバースペックになる可能性もあります。

コスト面も考慮した時にいい感じで落ち着くのがZEH基準を満たしたUA値という事です。ZEHを満たすUA値であれば断熱性能も高く快適に過ごせます。

※2022年5月追記
2025年以降に建てられる全ての建物はH25省エネ基準(断熱等級4)の適合義務化が決定しました。更に、2030年以降はZEH基準(断熱等級5)への適合が義務化される予定です。
義務化されるとそれ未満の断熱性能の家は資産価値が大きく下がる事が予想されます。
そうした事態も考慮すると、やはりこれから家づくりを行う方はZEH基準以上の断熱性能を目指すべきです。

快適に暮らす為に必要なC値

平成11年(1999年)に改正された省エネ基準にはC値の基準となる指標があったのですが平成25年(2013年)に省エネ基準を改正・強化された時にC値の項目は削除されてしまいました。その為、現在C値にはUA値のように基準になる指標がありません。

ちなみに平成25年(2013年)まで使われていたC値の基準となる指標は下図とおりです。

地域区分1234567
次世代省エネ基準2.02.05.05.05.0
地域区分表

この基準値はかなり古く、今の時代には全く適していません。たまに、この2013年まで使われていた指標を指して『気密性能の基準値を大幅にクリア』等と謳っているハウスメーカーもあるので気を付けましょう。

これから家づくりをおこなうのであればC値は0.7以下を目指したいところです。

C値 0.7以下を目標とする理由

気密性能は住宅の換気能力とも大きく関わってきます。穴の開いたストローでは、外から空気が入ってきてしまい上手に吸えないのと同様に、気密性能が悪く隙間の多い家では計画換気が上手に行えません。

それを分かりやすく示しているのが下図で、第三種換気システム稼働時の気密性能と隙間からの給気量の関係を表しています。

C値=(相当隙間面積)が1.0(c㎡/㎡)の場合、自然給気口からは50%の給気しか出来ていません。残りの50%は家のスキマから侵入している事になります。C値が悪くなればなるほど給気口から給気量は下がり、スキマからの流入が増えてきます。

ちなみに第一種換気システムでも同じような事が言えます。下図は第一種換気システム稼働時の気密性能と風・温度差との関係を表した図です。

必要換気量(※)が0.5回/hの時、C値1.0であれば総漏気量(風速2.5m~3m/秒の時)は0.22回/hとなっています。(漏気とはスキマから不規則に出入りする風の事)

(※)
必要換気量とは室内の空気を衛生的に保つために、必要最低限換気しなければならない空気の量のこと。4人家族を想定した平均的な戸建て住宅の場合で0.5回/時程度の換気が必要となる。

つまり、必要換気量0.5回/hの内0.22回/h(必要換気量の44%)がスキマから侵入した風という事です。第三種換気システムと同様にC値が悪くなればなるほど総漏気量は増えていきます。

このようにC値が1.0以上になると給気口以外、家のスキマからの風の侵入が増えてしまいます。給気口には通常、砂塵やチリやホコリ、花粉やPM2.5などを除去するフィルターが設置されていますが、給気口を通らない風が侵入する事で、汚れた空気が室内に流れこみます。

こうした汚れた空気が常日頃から室内に流れ込む事が原因でシックハウス症候群やアレルギーを発症してしまう人もいます。またカビ菌やウイルスも取り入れてしまうのでカビの発生リスクが高まったり、侵入したウイルスで体調を崩したりもします。

更に、スキマから入った空気は壁のなかを走り天井や床を流れる事もあります。大量のスキマ風が壁内をめぐると、室内との温度差で結露が発生しやすい環境となり住宅の寿命を縮める原因にもなります。

気密性能(C値)が悪くなると計画換気が上手に行えず、その結果住んでいる人にも家にも悪影響を及ぼします。その為、C値は最低でも1.0以下が望ましいのですが、C値は経年劣化の影響を受けやすい事も考慮しておかないといけません。新築時にC値が1.0であっても20年後、30年後には悪くなっている可能性が高いです。

その為、経年劣化も考慮すると新築時に目指したいC値は0.7~0.8以下となります。10年後に建て替えを予定していたり、長く住む予定でない方であればC値1.0以下を目指す考え方でも良いと思います。

アキュラホームのUA値、C値は快適に暮らせる数値を満たしてる?

当サイトで定めた快適に暮らす為に必要なUA値はZEH基準を満たす値、C値は0.7~0.8以下です。

アキュラホーム標準仕様の暫定UA値は0.6(W/㎡・k)以下、C値は0.5~0.8(c㎡/㎡)です。よってアキュラホームのUA値(断熱性能)とC値(気密性能)はどちらも当サイトで定めた基準値を満たしています。

アキュラホームの家は標準仕様で快適に暮らす為に必要な数値を満たしているので寒くなく、本物の高気密・高断熱住宅と呼ぶ事が出来ます。

(気密・断熱性能は住宅性能の1部です。この性能だけでHMを判断するのではなくその他の性能や設備、デザインや価格、営業との相性など様々な角度から検討を行いましょう。)

気密・断熱性能以外の性能や設備もチェックする

建てる家のUA値、C値を確認する方法

過去の実績値も参考に出来ますが、注文住宅では1棟1棟仕様が異なるのでUA値、C値も変わってきます。その為、自分の家のUA値、C値も確認する事をおすすめします。

UA値を確認する方法

UA値は家の仕様が決まったタイミングで計算により求める事ができます。一通りの仕様がまとまった時にハウスメーカー側に「UA値を教えて下さい」と伝えれば算出して貰えます。

ハウスメーカーによってはUA値の算出に別途費用が発生する会社もありますので、その辺は事前に確認をしておいた方が良いでしょう。

C値を確認する方法

C値に関してもハウスメーカーに気密測定を行いたい旨を事前に伝えておけば手配をしてくれます。ただしハウスメーカーによっては「気密測定はやっていない」と断られるパターンもあります。

そんな時は自分で気密測定業者に直接依頼を行えば問題ありません。直接依頼をするメリットは、ハウスメーカーを挟まないので費用を抑えられる可能性がある事と、第三者の立場で測定をして貰えるので安心感を得られる事です。

デメリットとしては業者とのやりとりを全て自分でやる必要があり手間がかかるという事です。ちなみに気密測定1回の費用相場は5万円~10万円程度かかります。

C値を確認するタイミング

気密測定を行うタイミングは主に2回あります。1回目は断熱・気密工事が終わった後(まだお家は完成していません。)2回目は竣工後(お家の完成後)です。

より安心感と確実性を求めるなら1回目、2回目と両方のタイミングで行う事です。ただし1回の測定につき5万円~10万円程度の費用がかかるので「出来れば1回に抑えたい」という方は、断熱・気密工事が終わったタイミングで測定を行う事をおすすめします。

理由は、そのタイミングであればC値が悪かった時に気密処理の弱いところを特定し、気密性向上のための施工がわりと簡単に行えるからです。竣工後の測定よりもC値の改善、手直しがしやすいのです。

気密測定の結果C値が悪ければ改善をしてもらう事は事前にハウスメーカーと交渉をしておきましょう。出来れば契約の条件に入れておいた方が良いです。

満足できるC値、UA値で家を建てる方法

高気密・高断熱住宅だと思っていたのに実際の数値は悪かった…なんて事にならないようにハウスメーカーと契約を結ぶ前に以下の事をしておくと良いです。

契約の条件に『UA値○○以下保証』を入れる

ハウスメーカーと契約を結ぶ条件の1つに『UA値:○○以下保証』を加えましょう。契約の前にはUA値:○○以下保証を入れた状態で見積もりも貰うようにしましょう。

契約後に「UA値を○○以下にしたい」と伝えても「ではそのUA値にするにはこれが必要なのでこの位の追加費用が発生しますねー。」と想定外の費用が発生する可能性があるので契約前に話を詰めておく必要があります。

ちなみにUA値は間取りや窓の仕様、断熱材などにより変わってきますので希望のUA値がある場合には出来るだけ早い段階で「UA値は○○以下を希望しています。」と伝えておいた方が住宅会社側もそれに合わせた提案が出来るので話がスムーズに進みます。

目標とするC値を提示して貰う

C値もUA値のように○○以下保証が出来れば良いのですが、C値は実測値なので保証までしてくれるハウスメーカーは少ないです。保証が無理な場合には目標とするC値を提示して貰いましょう。

その提示された目標値が本当に達成可能な数値かどうかは過去に建てた住宅の平均C値を尋ねて判断をして下さい。モデルハウスの数値よりも実際の施工住宅で測定されたC値の方が信用ができます。

実際の施工住宅で何度も良いC値を出しているハウスメーカーであれば職人さんの施工精度が高く丁寧な仕事をしてくれるでしょう。反対にC値のデータが乏しい会社やごまかしたりする会社は気密性能に自信の無い会社である可能性が高いので注意が必要です。

気密測定には別途費用がかかりますが1棟1棟数値が異なるので、自分の家を建てる時にはやっておく事をおすすめします。断熱・気密工事が済んだタイミングで1度気密測定を行い、その時にC値が悪ければ目標C値まで手直しをして貰う事も契約の条件に入れておくと良いです。

高気密・高断熱住宅を得意とするHMと契約をする

餅は餅屋という諺もある通り、高気密高断熱住宅を得意としているハウスメーカーであれば実績も豊富でノウハウも蓄積されています。特に気密性能は現場の施工精度にも大きく影響を受けるので慣れていない会社であれば悪いC値になる可能性は高いです。

UA値に関しては理論値なので、良い断熱材を使い窓や玄関、勝手口なども高断熱仕様のものを採用すれば数値上良くする事は出来ます。ただし算出した数値と実際に建てた家のUA値が等しくなるかは施工精度に関わります。

その為、平均C値の優れたハウスメーカーや高気密・高断熱住宅を得意としているハウスメーカーにお願いをした方がUA値、C値は良くなりやすいです。

高気密・高断熱住宅を得意とするHM

当記事で定義をした、快適に暮らす為に確保しておきたいC値(建て替え予定等あれば1.0以下、特になければ0.7~0.8以下)とUA値(ZEH基準を満たす値)を満たしているハウスメーカーを何社かご紹介したいと思います。

※C値とUA値の参照元が支店・加盟店を含む公式HPや公式が出したPDF資料に記載のあるハウスメーカーのみをピックアップ。

社名UA値
(W/㎡・K)
C値
(c㎡/㎡)
参照元
FPの家0.430.44公式HP
UA値・C値
R+house0.460.34PDF資料
UA値・C値
To Casa0.30.3公式HP
UA値・C値
アイフルホーム0.30.54公式HP
UA値・C値
アエラホーム0.390.47公式HP
UA値・C値
イノスグループ0.560.3公式HP
UA値C値
ウェルネストホーム0.280.2公式HP
UA値C値
ウッディ伊藤0.22~0.340.1~0.3公式HP
UA値・C値
オートリホーム0.560.7公式HP
UA値・C値
カネカのお家0.280.2支店・加盟店HP
UA値・C値
サイエンスホーム0.46以下0.7以下支店・加盟店HP
UA値・C値
サンコーホーム0.280.5公式HP
UA値・C値
ジブンハウス0.460.2支店・加盟店HP
UA値・C値
スウェーデンハウス0.360.64公式HP
UA値・C値
セルコホーム0.370.492公式HP
UA値・C値
トヨタウッドユーホーム0.340.8公式HP
UA値・C値
フィアスホーム0.380.32支店・加盟店HP
UA値・C値
メープルホーム0.460.3公式HP
UA値C値
ヤマト住建0.271.0以下公式HP
UA値・C値
ユートピア建設0.430.13公式HP
UA値・C値
ユニバーサルホーム0.340.4公式HP
UA値・C値
一条工務店0.250.59公式HP
UA値C値
九州八重洲0.260.6公式HP
UA値・C値
建成ホーム0.30.27公式HP
UA値・C値
住ま居る0.30.5公式HP
UA値・C値
小嶋工務店0.560.3公式HP
UA値・C値
小林住宅0.290.15公式HP
UA値・C値
真柄工務店0.460.5公式HP
UA値・C値
石井工務店0.420.33公式HP
UA値C値
大共ホーム0.150.2公式HP
UA値C値
大庭工務店0.460.5以下公式HP
UA値・C値
第一住宅0.460.5公式HP
UA値・C値
土屋ホーム0.240.38公式HP
UA値・C値
馬渡ホーム0.260.29公式HP
UA値・C値
福岡工務店0.430.08公式HP
UA値・C値
北洲ハウジング0.310.65公式HP
UA値C値

全国のハウスメーカーや工務店を把握している訳ではないので上記に名前がなくてもC値、UA値が優れた住宅会社は沢山あります。自分が建築を予定している地域でC値、UA値の優れた住宅会社が他にないかは下記よりお探し下さい。

\家づくりで失敗しない為に、まずは情報を集めよう/

UA値とC値を下げる(断熱性能と気密性能を上げる)方法

UA値とC値は値が小さい程性能が良い事を示しています。言い方がちょっとややこしいですが、UA値を下げる=断熱性能を上げるという事です。

ここでは、施主側で比較的簡単に実施ができるUA値とC値を下げる方法をいくつかご紹介したいと思います。

UA値を下げる方法(断熱性能を上げる方法)

◦断熱材を厚くする・グレードを上げる
◦窓を断熱仕様にする
◦玄関ドアや勝手口を断熱仕様にする

断熱材を分厚くする事やグレードを上げる事で断熱性能を上げる事が出来ます。こちらに関しての詳細な説明は不要だと思いますので割愛します。

窓を断熱仕様にする

断熱性能を上げる時にまず注目をしたいのが窓です。なぜなら天井(屋根)や外壁、床から熱が逃げたり侵入するよりも、窓などの開口部から熱が逃げたり侵入する割合の方が多いからです。

つまり窓の断熱性能を上げる事が家全体の断熱性能を上げる事に直結します。窓の断熱性能を上げる時にチェックしておきたいポイントは主に以下の3点です。

◦窓ガラスの種類
◦窓サッシの種類
◦スペーサーの種類

窓ガラスの種類

窓ガラスは大きく分けて4種類あります。単板ガラス→複層ガラス→Low-E複層ガラス→Low-Eトリプルガラスの順に断熱性能が良くなります。

ガラスとガラスの中空層に入れる気体は大きく分けて4種類あります。乾燥空気→アルゴンガス→クリプトンガス→真空の順に断熱性能が良くなります。

おすすめの窓ガラスはLow-E複層ガラス(アルゴンガス入り)です。もちろんLow-Eトリプルガラスの方が断熱性能は優れていますが費用が高くなるので、寒冷地にお住いの方や予算に余裕のある時にLow-Eトリプルガラスを検討する形で良いと思います。

窓サッシの種類

窓サッシは大きく分けて4種類あります。アルミサッシ→アルミ樹脂複合サッシ→オール樹脂サッシ→木製サッシの順に断熱性能が良くなります。

おすすめの窓サッシはオール樹脂サッシです。木製サッシも断熱性能的には申し分ないですが価格が高いです。

スペーサーの種類

スペーサーとはガラスとガラスの間のスペースをつくるためのパーツです。スペーサーは2種類あります。アルミスペーサー→樹脂スペーサーの順に断熱性能が良くなります。

おすすめのスペーサーは樹脂スペーサーです。


以上のように窓に使われるパーツにこだわる事で窓の断熱性能を上げる事が出来、その結果家の断熱性能も上がります。

また窓のサイズや設置数も断熱性能に関わりますので、単純に窓のサイズを小さくしたり設置数を減らす事でも断熱性能を上げる事が出来ます。

玄関ドアや勝手口を断熱仕様にする

玄関ドアや勝手口を断熱仕様にする事でUA値を下げる事が出来ます。断熱性能を高めたい場合は玄関ドアと勝手口を選ぶ時に熱貫流率(U値)を確認し、U値の低い物を選びましょう。

(熱貫流率(U値)とは熱の伝わりやすさを表す数値で、値が低ければ低いほど熱の移動を少なく抑える事が出来る=断熱性能が高い。という見方が出来ます。)

C値を下げる方法(気密性能を上げる方法)

気密性能を上げる(C値を下げる)為にチェックすべきポイントは以下の3点です。

◦窓の構造
◦配管・コンセント周り
◦C値改善を行ってくれる業者に依頼

窓の構造

断熱性のみならず気密性の観点から見ても窓は需要なポイントです。特に気にしたいのが窓の構造です。日本の住宅で1番よく見かける横方向に開閉する『引き違い窓』は気密性能があまり高くありません。

気密性能を重視するならビジネスホテルなどでよく見かける『すべり出し窓』がおすすめです。もしくは欧米で一般的に使われている『開き窓』も引き違い窓よりは気密性能が高いです。

開閉しない採光のみが目的の窓であれば、1番気密性能の高い「FIX窓」を採用する事でC値を下げる事が出来ます。

ちなみに断熱性能と同様に窓のサイズや設置数も気密性能に関係してきます。単純に窓のサイズを小さくしたり設置数を減らす事でもC値を下げる事が出来ます。

配管・コンセント周り

画像:日経ホームビルダーより

上記左側の画像は気密処理を行わずに裏側から冷風を送った時の実験画像で、右側は気密処理を行った時の画像です。2つを比較すると明確な温度差が生じている事が分かります。特に断熱材として使用率の高いグラスウールなどの繊維系断熱材ではこの温度差が顕著に現れます。

配管・コンセント周りの1個あたりの隙間は小さくても、家全体で考えると大きな隙間となります。配管・コンセント周りの気密性能を確保する為に気密部材等を的確に使い気密処理をきちんと行っているか確認をしておきましょう。

C値の改善をサポートしてくれる業者に依頼

気密測定は施主が測定業者に直接依頼をする事もできます。業者の中には測定時に隙間箇所の発見、改善までをサポートしてくれる会社もありますので気密施工に疎いハウスメーカーであれば、下記のような業者に依頼を出すのも手です。

株式会社共和福田温熱空調など。

まとめ

アキュラホームのUA値やC値を調べた結果や使用している断熱材の種類、アキュラホームの家は寒いのか?などを検証してきました。

最後にもう一度それぞれの結論を書きます。

アキュラホームでは断熱材に高性能グラスウールを使用しています。UA値は標準仕様でZEH基準以下(UA値≦0.6以下)、C値は0.5~0.8位です。

高断熱・高気密住宅を呼べる断熱性能・気密性能がありますので寒くありません。

2023年8月には断熱等級7対応の「超断熱の家 プレミアム」も発売されており、高気密高断熱住宅の実績も豊富なので、UA値・C値にこだわった家づくりを行ないたい方におすすめ出来るハウスメーカーです。

アキュラホームの施工実例集&商品カタログ

この記事を書いた人
管理人
管理人

資格:宅地建物取引士(東京都宅地建物取引業協会認定)
経歴:不動産・住宅業界約10年
元ハウスメーカー勤務。現在は家づくり関連の情報サイトを複数手掛けるWEBディレクター
不動産・住宅業界10年以上の経験を活かし、注文住宅に関する"分からない事"を解消できるようにこのサイトを作成しました。