20坪~25坪の3階建ての間取り例や注意点、費用や老後対策は?

狭小地に特に人気の3階建て住宅。地価の高い都心部などでは3階建て住宅を検討される方も増えてきています。

そこで当記事では、敷地面積20坪~25坪位に建てる3階建て住宅の間取り例や間取りの注意点、費用の目安や老後対策としてどのようなポイントに注意すべきか等をご紹介していきたいと思います。

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20坪~25坪の3階建ての間取り例

敷地面積20坪~25坪に建てる3階建て住宅の間取り例と間取りの注意点などもご紹介していきます。

間取り参照:suumo

20.6坪/開放感と採光にこだわった3階建て

20.6坪/開放感と採光にこだわった3階建ての外観20.6坪/開放感と採光にこだわった3階建ての間取り図(1階)20.6坪/開放感と採光にこだわった3階建ての間取り図(2階)20.6坪/開放感と採光にこだわった3階建ての間取り図(3階)
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真っ白な外壁で統一されたスクエア型の外観はシンプルで洗練されたおしゃれなデザインです。住宅密集地に建てられたこちらの家は「開放感」「採光」にこだわっています。

1階には圧迫感がなく空間が広く見えるスケルトン階段を採用。2階は広々としたLDK+ウッドデッキを確保。リビングからフラットに繋がるウッドデッキと吹き抜けにする事でより広く開放的な空間になります。

2階のウッドデッキ、3階のバルコニーや天窓から光をたっぷり取り込めるので住宅密集地でも明るく風通しも良い3階建てです。

間取り3LDK
延床面積99.23㎡(30.0坪)
敷地面積68.26㎡(20.6坪)

20.8坪/プライバシー性の高いビルトインガレージのある3階建て

20.8坪/プライバシー性の高いビルトインガレージのある3階建ての外観20.8坪/プライバシー性の高いビルトインガレージのある3階建ての間取り図(1階)20.8坪/プライバシー性の高いビルトインガレージのある3階建ての間取り図(2階)20.8坪/プライバシー性の高いビルトインガレージのある3階建ての間取り図(3階)
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シックな黒一色で纏められた外観は、本来横張りのサイディングを縦にしてスタイリッシュな印象に。バルコニーの木製ルーバーがアクセントとなりおしゃれなデザインになっています。

プライバシー性を高めたいという施主さんの希望で窓は最小限に。光を取り込むために設置したバルコニーにも目隠しとなるルーバーを付けて周囲からの視線を遮っています。

ガレージと玄関は行き来出来るので雨の日に濡れる事なく車への乗り降りも可能。玄関とリビングの動線上に上着やバック等を簡単に出し入れ出来る大型のFCL(ファミリークローゼット)があるので、出かける時や帰って来た時もスムーズです。

間取り2LDK
延床面積110.74㎡(33.4坪)
敷地面積68.88㎡(20.8坪)

21.7坪/限られた敷地でもゆとりある設計の3階建て

21.7坪/限られた敷地でもゆとりある設計の3階建ての外観21.7坪/限られた敷地でもゆとりある設計の3階建ての間取り図(1階)21.7坪/限られた敷地でもゆとりある設計の3階建ての間取り図(2階)21.7坪/限られた敷地でもゆとりある設計の3階建ての間取り図(3階)
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規則的に並ぶ開口部にスクエア型のフォルムでシンプルモダンな印象を与える外観デザインです。1階には水回りをまとめて配置しています。

2階には天気の良い日には洗濯物を干したり、BBQも楽しめる広めのインナーバルコニーを設置。上部吹き抜けも採用しており開放感のあるLDKとなっています。

3階には2部屋+WIC+トイレ配置。トイレ横には洗面化粧台も備えられており、WICもあるので3階で身支度を整える事も可能です。

間取り3LDK
延床面積140.18㎡(42.4坪)
敷地面積72.00㎡(21.7坪)

22.1坪/三角形の土地形状を活かした設計の3階建て

22.1坪/三角形の土地形状を活かした設計の3階建ての外観22.1坪/三角形の土地形状を活かした設計の3階建ての間取り図(1階)22.1坪/三角形の土地形状を活かした設計の3階建ての間取り図(2階)22.1坪/三角形の土地形状を活かした設計の3階建ての間取り図(3階)
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1階、2階、3階と凹凸を作り、積み木を積み上げたようなフォルムで個性的な外観デザインです。1階は洋室+水回りでプライベートスペースとなっています。

2階は広々としたLDKを確保。対面式キッチンの横にはパントリーも設けられています。家事動線の効率化の為にパントリーの奥には洗濯機置き場を確保しています。

3階は仕切りのない洋室を配置。バルコニーに囲まれ開放的で採光もバッチリです。家具やパーテーションなどで区切って2部屋にして使用する事も可能です。

間取り2LDK
延床面積100.01㎡(30.2坪)
敷地面積73.16㎡(22.1坪)

24.5坪/趣味を楽しむための3階建て

趣味を楽しむための3階建ての外観趣味を楽しむための3階建ての間取り図(1階)趣味を楽しむための3階建ての間取り図(2階)趣味を楽しむための3階建ての間取り図(3階)
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窓は気密性・デザイン性の高いFIX窓で統一されており、オーバーハングを利用した駐車場や、木質系サイディングがアクセントとなりシンプルでおしゃれな外観です。

1階は施主さんの趣味である「釣り」を楽しめる為のスペースを玄関の横に大きく確保しています。アウトドアが趣味の方におすすめの間取りです。

2階にはリビング+キッチンを含む水回りがまとめて配置されており家事効率のUPする配置となっています。3階にはセカンドリビングを設け、3階建ての高さを活かした眺望も楽しめます。

間取り2LDK
延床面積113.02㎡(34.1坪)
敷地面積81.09㎡(24.5坪)

3階建ての間取りの注意点

敷地の規制の制限を受けやすい

敷地には建てられる建物の高さを制限する規制(「絶対高さ制限」、「斜線制限」、「日陰制限」等)があります。

・絶対高さ制限
建物の高さを制限。(第一種・第二種低層住居専用地域で適用)

・斜線制限
斜線制限には「道路斜線制限」「北側斜線制限」「隣地斜線制限」があります。「道路斜線制限」は道路側に面した建物の高さの制限、「北側斜線制限」は北側の道路側、もしくは北側の隣地側に面した建物の高さの制限、「隣地斜線制限」は隣地側に面した建物の高さの制限です。

・日陰制限
日照を確保する事を目的とした建物の高さの制限。

用途地域の中でも制限の厳しい「第一種低層住居専用地域」では、建築出来る建物の高さは10mまたは12mまでと決められています。他の高さの制限との兼ね合いによっては希望する間取りで建てられない事もあります。

その為、敷地にかけられた制限を確認する必要がありますが、購入候補となる敷地一つ一つに対してどのような制限があるのかを個人で調べるのは中々大変な作業なので、土地探しはハウスメーカー探しと同時進行で行うのがおすすめです。

土地探しを協力して貰う事で、希望をする3階建てを建てられる土地かどうかをハウスメーカー側に確認する事が出来ます。

動線が複雑になりやすい

延床面積に対する階段の占める割合が増える事や3フロアに分かれる事などにより3階建て住宅は家事・生活動線が複雑になりやすいです。

「洗濯機置き場と洗濯物を干すスペース、しまう場所は同じ階にあるか?」など、普段生活を送る時の動きをリアルにイメージしながら複雑な動線にならないように配置を考えましょう。

3階建て住宅の実績が豊富な会社であれば様々なライフスタイルに沿った間取りを作ってきた経験があるので動線の良い間取り作成も得意としています。

その他の注意点にも配慮した設計で建ててくれるので3階建て住宅を得意としている会社に依頼するのが良いです。

1階の採光が不十分になりやすい

狭小地に建てる3階建ての場合、限られた敷地面積を有効活用する為に敷地の制限いっぱいいっぱいに建てる事が多いですが、そのせいで周りの建物との距離が近づき1階への採光が不十分になる事があります。

採光を十分に確保したい時は、敷地の制限いっぱいいっぱいではなく少し余裕を持って建てる必要があります。

もしくは、吹き抜けを採用し高窓から光を取り込むなど設計の妙で改善する事も出来ます。

階段の位置に規制がある

3階建ての場合、火災や停電、災害などの緊急を要する際にスムーズに避難が出来るように「直通階段」の設置が義務付けられています。

直通階段とは名前の通り、地上まで直通している階段の事です。階段の途中(2階から3階)に扉があったり、長い廊下を介さないといけない階段、見通しがきかない階段などはNGとなります。

非常用進入口の設置

3階建ては火災などが起きた時に消防隊が消火活動や救助が出来るように非常用進入口を設ける必要があります。

非常用進入口は、道路に面する側に直径1mの円が内接出来る大きさの開口部(縦・横1m以上の開口部)もしくは幅75cm以上・高さ120cm以上の開口部である必要があります。

消防隊が外から侵入出来る必要があるので格子などを付ける事は出来ず、ガラスの材質や厚みにも制限があります。

住宅の場合は窓を代替進入口として使用する事が多いです。

3階建ての間取り面でのメリット

床面積・部屋数を確保しやすい

3フロアあるので20坪~25坪の土地でも十分な床面積と部屋数を確保しやすいです。趣味を楽しむ専用の部屋や自分だけの書斎、シアタールームなど特別な空間を確保しやすくなります。

フロア毎で使い分けが出来る

1階は親世帯の居住スペースとし、2階、3階は子世帯の居住スペースとするなどフロア毎で使い分けがしやすいので二世帯住宅にも3階建ては人気です。

他にも1階部分を店舗としたり、1階を賃貸物件としたり、1階をガレージとしたり、ライフスタイルに合わせて各フロアの使い分けがしやすく、フロア毎の組み合わせの自由度が広がります。

3階や屋上からの眺望が良くプライバシー性も高い

3階部分や屋上は高さもあり眺望が良く、1階2階に比べると外からの視線も届きずらいのでプライバシー性も高いです。

バルコニーを設けて落下対策もきちんと行えば子供やペットの遊び場としても活躍します。

浸水被害を最小限に抑えられる

万が一水害により床下浸水が起こっても被害を受けるのは1階部分だけなので平屋や2階建てに比べるとダメージを最小限に抑える事が出来ます。

老後も過ごしやすい3階建て住宅の間取り

3階建ては2階建てよりも階段が増えるので、縦移動を極力減らせる間取りでないと階段の上り下りが負担となり生活が面倒な住宅になりかねません。

老後の事を考えて3階建てを敬遠される方もいるので、3階建てで老後も快適に暮らす間取りのポイントを幾つかご紹介致します。

1階、2階で完結出来る間取り

例えば1階に主寝室+トイレ、2階にLDKと水回り(キッチン・洗面室・トイレ)、3階に子供部屋+納戸などの配置であれば、夫婦の生活は1階、2階で完結できるので縦移動を減らす事が出来ます。

高齢になるとトイレが近くなるという方も多いですが1階、2階それぞれにトイレがあるので移動も楽です。

1階主寝室で3階子供部屋だと、夫婦でイチャイチャする時も声が届きにくいといった利点もあります。

段差を無くしたり階段に手すりを付けておく

つまずいたり転倒する原因にもなりますので、家の中の段差を極力減らすように心がけましょう。階段の段差の高さも低い方がつまずくリスクも負担も減らす事が出来ます。

階段やお風呂、トイレなどに手すりを付けておく事も老後も暮らしやすくする為のポイントの一つです。

玄関まで行く必要のない設備を整える

荷物が届いたり、鍵を閉めたか確認する時に玄関まで下りる必要がないようにスマホやモニターで玄関の鍵の開け閉めが出来る電気錠を設置する、宅配ボックスを設置するなどしておけば縦移動を減らす事が出来ます。

ホームエレベーターを検討する

ホームエレベーターを設置すれば階段の上り下りの問題は一気に解決します。設置費用は300万円~500万円位が相場です。

費用が高額な事とエレベーターのスペースを確保する為に居住面積が狭くなってしまうといったデメリットがありますので、将来の事も考えつつハウスメーカー側と相談しながら決めましょう。

20坪~25坪の土地に3階建てを建てる時の費用

坪単価の目安

3階建ては建物の重さがあるので、より強固な構造躯体にする必要がある事や地盤改良費が高くなる可能性、高い足場を組む必要があり仮設費がかかる、構造計算の為の費用が発生するなどもあり2階建てよりも建築費用が高くなります。

そうした事情もあり坪単価は一般的なハウスメーカーで60万円~80万円、ハイクラスの大手HMで80万円~100万円位かかります。

本体工事費用と総額シミュレーション

20坪~25坪の土地に建てる3階建ては、建ぺい率や容積率により建物の規模は変わりますが、延床面積30坪~40坪位になる事が多いです。

注文住宅でかかる総額は「本体工事費用」+「付帯工事費用(別途工事費用)」+「諸費用」の合計額となります。

・本体工事費用
建物本体を作る為の工事費用

・付帯工事費用
建物以外の工事にかかる費用(外構費や配管を敷地内へ引き込む費用など)

・諸費用
建物購入や住宅ローン借入時にかかる諸々の手数料

総額に対する内訳は本体工事費用(70%~80%)付帯工事費用(15%~20%)諸費用(5%~10%)が一般的です。

以下の表は本体工事費用を75%とした場合の総額です。

シミュレーション条件

・坪単価…一般的なHM60万円~80万円/大手HM80万円~100万円
・延床面積…30坪~40坪
・本体工事費用75%とした場合の総額

<一般的なハウスメーカーの場合>

延床面積本体価格総額
30坪(99.2㎡)1,800万円~2,400万円2,400万円~3,200万円
35坪(115.7㎡)2,100万円~2,800万円2,800万円~3,733万円
40坪(132.2㎡)2,400万円~3,200万円3,200万円~4,267万円
※坪単価は仕様や市況により変動しますので、あくまで参考程度にお考え下さい。

<ハイクラス大手HMの場合>

延床面積本体価格総額
30坪(99.2㎡)2,400万円~3,000万円3,200万円~4,000万円
35坪(115.7㎡)2,800万円~3,500万円3,733万円~4,667万円
40坪(132.2㎡)3,200万円~4,000万円4,267万円~5,333万円
※坪単価は仕様や市況により変動しますので、あくまで参考程度にお考え下さい。

土地代シミュレーション

土地の購入もセットで行う方は上記の金額に土地代も追加で必要になります。

各都道府県の地価の平均坪単価を基準に算出した20坪と25坪の土地代は以下の通りです。

順位都道府県坪単価平均20坪の土地代25坪の土地代
1位東京都¥3,587,656¥71,753,120¥89,691,400
2位大阪府¥1,238,083¥24,761,660¥30,952,075
3位神奈川県¥995,314¥19,906,280¥24,882,850
4位京都府¥852,867¥17,057,340¥21,321,675
5位愛知県¥740,301¥14,806,020¥18,507,525
6位兵庫県¥528,747¥10,574,940¥13,218,675
7位福岡県¥502,959¥10,059,180¥12,573,975
8位埼玉県¥498,032¥9,960,640¥12,450,800
9位千葉県¥378,659¥7,573,180¥9,466,475
10位宮城県¥368,063¥7,361,260¥9,201,575
11位広島県¥355,265¥7,105,300¥8,881,625
12位沖縄県¥335,883¥6,717,660¥8,397,075
13位静岡県¥273,750¥5,475,000¥6,843,750
14位奈良県¥240,194¥4,803,880¥6,004,850
15位石川県¥224,349¥4,486,980¥5,608,725
16位熊本県¥190,349¥3,806,980¥4,758,725
17位滋賀県¥189,050¥3,781,000¥4,726,250
18位岡山県¥160,155¥3,203,100¥4,003,875
19位愛媛県¥157,835¥3,156,700¥3,945,875
20位富山県¥150,307¥3,006,140¥3,757,675
21位長崎県¥149,442¥2,988,840¥3,736,050
22位北海道¥148,812¥2,976,240¥3,720,300
23位和歌山県¥148,055¥2,961,100¥3,701,375
24位岐阜県¥146,550¥2,931,000¥3,663,750
25位高知県¥137,301¥2,746,020¥3,432,525
26位群馬県¥137,040¥2,740,800¥3,426,000
27位鹿児島県¥136,805¥2,736,100¥3,420,125
28位栃木県¥135,010¥2,700,200¥3,375,250
29位香川県¥131,980¥2,639,600¥3,299,500
30位福井県¥130,136¥2,602,720¥3,253,400
31位茨城県¥128,826¥2,576,520¥3,220,650
32位三重県¥122,613¥2,452,260¥3,065,325
33位新潟県¥118,035¥2,360,700¥2,950,875
34位徳島県¥117,946¥2,358,920¥2,948,650
35位大分県¥111,312¥2,226,240¥2,782,800
36位長野県¥108,126¥2,162,520¥2,703,150
37位宮崎県¥98,785¥1,975,700¥2,469,625
38位山口県¥97,365¥1,947,300¥2,434,125
39位岩手県¥97,153¥1,943,060¥2,428,825
40位佐賀県¥92,279¥1,845,580¥2,306,975
41位福島県¥90,984¥1,819,680¥2,274,600
42位山梨県¥86,601¥1,732,020¥2,165,025
43位山形県¥81,713¥1,634,260¥2,042,825
44位鳥取県¥78,894¥1,577,880¥1,972,350
45位島根県¥78,079¥1,561,580¥1,951,975
46位青森県¥64,934¥1,298,680¥1,623,350
47位秋田県¥53,761¥1,075,220¥1,344,025

どの都道府県に対しても言える事ですが、特に順位が上の方の坪単価平均額は一部のエリアの坪単価が異常に高額な為、平均額も上がっています。

東京の場合であれば、中央区/千代田区/港区/渋谷区/新宿区の坪単価平均は1,000万円以上です。特に高いこの5地区を除けば坪単価平均はガクンと下がります。

また同じ区内であっても駅周辺などは高いですが、駅から離れると大分値段は下がりますので、実際に戸建て用として購入する土地の平均坪単価は上記表よりも安くなると想定されます。

例えば地価ランキング5位の愛知県で20坪の土地に一般的なHMで延床面積30坪の3階建てを建てるとすると、土地代も含めた合計費用は約3,880万円~4,680万円位かかります。

土地代を含めると3階建ての方が安く建てられる事も

特に地価の高い地域では、希望する延床面積を確保したマイホームを建てる時に3階建てを選択した方が2階建てよりも安く建てられる事があります。

例.)延床面積30坪を確保したい時に、3階建てであれば20坪の土地、2階建ては30坪の土地を必要とし、土地の坪単価が70万円、建物の坪単価が3階建ては70万円、2階建ては60万円とした場合

・2階建ての土地代+建物代
(30坪×70万円)+(30坪×60万円)=3,900万円

・3階建ての土地代+建物代
(20坪×70万円)+(30坪×70万円)=3,500万円

上記の例で言えば、同じ延床面積でも3階建ての方が400万円も安く建てる事が出来ます。

条件の良い立地も候補に入れやすい

3階建てであれば狭い土地でも床面積を確保出来るので土地代を大幅に抑える事が出来ます。

その為、本来であれば手の出せない駅近の土地など好立地の土地も候補に入れやすくなります。

土地選びでの注意点

画像:LIFULL HOME’S

敷地にかかる高さの制限の説明をしましたが、それとは別に建物のサイズに関わる規制として建ぺい率と容積率というルールがあります。

・建ぺい率
敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見た時の面積)の割合

・容積率
敷地面積に対する延床面積の割合

この建ぺい率と容積率によって3階建てに向いている土地と向いていない土地がありますので注意しておきましょう。

3階建てが向いている土地

敷地面積:20坪
建ぺい率:60%
容積率:200%

建ぺい率が60%なので建築面積は12坪が最大となります。容積率が200%あるので1階12坪、2階12坪、3階12坪の延床面積36坪の3階建てを建てる事が出来ます。

3階建てが向いていない土地

敷地面積:20坪
建ぺい率:60%
容積率:100%

建ぺい率が60%なので建築面積は12坪が最大となります。容積率が100%なので1階12坪、2階12坪、3階12坪の3階建てを建てる事が出来ません。

容積率100%以内に収める為には1階6.6坪、2階6.6坪、3階6.6坪となりますがワンフロア辺りの床面積が小さいので、1階10坪、2階10坪の2階建ての方が向いています。

3階建て住宅を建てる時は容積率が少なくとも150%以上ある土地が望ましいです。

建てた後にかかる費用面での注意点

3階建てはフロア毎での温度差が出やすいといった注意点があります。(1階は寒くなりがちで3階は暑くなりがち)冷暖房効率が悪くなり電気代がかかりやすくなるので注意が必要です。

電気代だけでなく温度差があると冬は1階が寒く、夏は3階が暑く過ごしにくい3階建てとなってしまうので温度差を無くす為に気密性と断熱性を重要視しましょう。

家全体の空調を一括で管理できる全館空調システムを導入するのもおすすめです。家全体で空調をコントロールするのでフロア毎の温度差が出にくくなります。

3階にエアコンを設置する場合、バルコニーなどがあれば室外機を設置出来ますが、何も無ければ壁付けもしくは地上から管の延ばす必要があり設置費用が余計にかかる可能性もあります。

標準仕様で全館空調システムが付いていない場合は導入費用がかかりますが、各部屋に設置するエアコン代+エアコンの設置費用が不要となるので差額で考えればそこまで大きな額とはなりません。

20坪~25坪の3階建てを得意とするハウスメーカー

注文住宅で3階建てを建てる方に人気が高く、3階建て住宅を得意としているハウスメーカーを費用別に何社かご紹介しておきます。

ローコスト~一般的な価格帯

アキュラホーム

アキュラホームはコストパフォーマンスの高さで人気があり、全国の住宅メーカー・工務店・設計事務所の人気会社ランキングNo,1にも選ばれた事もあるハウスメーカーです。(2023年4月~30日:LIFULL HOME’S調べ)

3階建て住宅も得意としており、敷地を最大限に活用する空間設計、東京大学と共同開発した高強度な耐力壁「ストロングウォール」で実現する高い耐震性

建築後も容易に間取り変更が出来るSI設計、中間マージンカットによりお求めやすい価格の実現など魅力的な3階建て暮らしの叶えてくれます。

アキュラホームの3階建て住宅のカタログはコチラから

ヤマト住建

ヤマト住建は「長寿命」「広い」「安い」「高性能」そして「資産価値の高い」家づくりを追求しているハウスメーカーで、日本の住宅を世界基準にする事を目標としています。

省エネルギー性能に優れた住宅を表彰する「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」に2009年度の初参加以降、13期連続で受賞するなど省エネ・高気密・高断熱住宅として高く評価されています。

エアコン1台による全館空調を可能とした「YUCACOシステム」や標準搭載の太陽光システムも人気です。狭小・変形地での実績も豊富で土地の特性を活かした、理想の暮らしを叶える3階建てを提案してくれます。

一条工務店

「家は、性能。」のキャッチコピー通り、省エネ8冠・創エネ5冠など性能の高さが魅力のハウスメーカーです。住宅展示場の出展棟数No.1で、モデルハウスの仕様がほぼ標準仕様なので完成イメージを掴みやすいという特徴があります。

自社グループ工場での開発・生産も行っており住宅設備の多くがオリジナル製品で賄われコストパフォーマンスの高さも評判です。

高気密・高断熱に加えて、生活スペースのほぼ100%をカバーする床暖房+熱交換換気システム「ロスガード90」が標準仕様となっているので快適な3階建て住宅を建てる事が出来ます。

ハイクラスな価格帯

住友林業

住友林業は、質の高い自然素材を使った家づくりなど木へのこだわりと、木材を活かした優れたデザイン×高い技術力を持ったハウスメーカーです。

優れた耐震性を実現するビッグフレーム構法(BF構法)の特徴を活かして、2階・3階と大きくオーバーハングさせた外観や開放的な室内空間、大開口窓など自由度の高さも特徴です。

一邸、一邸、理想の住まいを実現する為に専属のプロジェクトチームを結成して家づくりを徹底的にサポートしてくれるので住み心地や外観・内観デザインへの設計満足度が97.9%ととても高い評価を得ています。

人気ハウスメーカーの3階建て住宅のカタログはコチラから
※地域やタイミングにより候補に出ないHMもあります。

セキスイハイム

セキスイハイムは、予め工場で部屋単位で作り、それを現場へ運び組み立てるユニット工法が特徴的なハウスメーカーです。鉄骨系3階建て住宅「デシオ」を取り扱っています。

約80%まで工場で仕上げてしまうので現場ではわずか1日(建築規模や天候、その他条件にもよる)で雨仕舞まで完了します。その為、近隣への迷惑も軽減されますし、部材が雨に濡れてしまう心配もありません。

3階建て住宅は強靭なボックスラーメン構造のユニット工法で作られて高い天井×広い空間×大きな開口がとれるのが魅力です。鉄骨造による開放感の高い3階建てを希望されている方におすすめです。

ヘーベルハウス

ヘーベルハウスは地震や火災、水害など災害に対して業界トップクラスの強さを持つ家づくりを行う鉄骨造を取り扱うハウスメーカーです。

柱と柱の間に入れる補強材を必要としない重鉄・システムラーメン構造による3階建ては、柱のない大空間や大きな開口窓の設置など開放的な空間設計を得意としています。

強靭な構造躯体に加えて、耐火性や耐水性、遮音性にも優れたALCパネル(へーベル板)を壁・床・屋根などに使用して建物の耐久性・安全性・快適性を高めています。

まとめ

20坪~25坪の敷地面積に建てる3階建ての間取り例や注意点、老後も暮らしやすい3階建てにするポイントや費用の目安などをご紹介してきました。

3階建てはコンパクトな土地でも延床面積および部屋数を確保しやすいので、地価の高い都心部などでは特におすすめの住宅スタイルです。

ただし3フロアある事で動線が複雑になりやすく、設計の良し悪しで3階建て住宅の満足度は大きく変わってきます。

「自分達のライフスタイルに合った3階建て住宅を提案してくれるHMはどこなのか?」を見極める為に、時間的に余裕を持ってじっくり比較してみましょう。

素敵なマイホームづくりを応援しています。

この記事を書いた人
管理人
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資格:宅地建物取引士(東京都宅地建物取引業協会認定)
経歴:不動産・住宅業界約10年
元ハウスメーカー勤務。現在は家づくり関連の情報サイトを複数手掛けるWEBディレクター
不動産・住宅業界10年以上の経験を活かし、注文住宅に関する"分からない事"を解消できるようにこのサイトを作成しました。