アキュラホームで断熱等級7対応の「超断熱の家 プレミアム」
アキュラホーム(株式会社AQ Group)が、2022年に新設された現行の最高ランクである断熱等級7対応の「超断熱の家 -プレミアム-」を同年7月より販売開始しましたので、仕様や価格(坪単価)などを確認していきたいと思います。
断熱等級7とは
「断熱等級」とは、正式には「断熱等性能等級」と呼ばれ、住宅の省エネ性能を表す値です。
等級が高い程、断熱性に優れているという事を表します。
現行では等級1~等級7まで7段階用意されています。
等級 | 概要 | 補足 |
---|---|---|
等級7 | 「HEAT20 G3基準」相当 | 「平成28年 省エネ基準」に比べ、暖冷房にかかる一次エネルギー消費量の削減率概ね40%削減可能な水準。 |
等級6 | 「HEAT20 G2基準」相当 | 「平成28年 省エネ基準」に比べ、暖冷房にかかる一次エネルギー消費量の削減率概ね30%削減可能な水準。 |
等級5 | 「ZEH基準」と同等 | 「平成28年 省エネ基準」に比べ、暖冷房にかかる一次エネルギー消費量の削減率概ね20%削減可能な水準。 |
等級4 | 「平成28年 省エネ基準」と同等 | 2022年3月までの最高等級 |
等級3 | 「平成4年 省エネ基準」と同等 | – |
等級2 | 「昭和55年 省エネ基準」と同等 | – |
等級1 | 「無断熱」 | – |
断熱等級5は2022年4月に、断熱等級6・7は2022年10月に新設されました。
※「ZEH」とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語で、太陽光発電などの創エネルギー設備+省エネ設備の導入で「創るエネルギー量≧使うエネルギー量」となる住宅の事です。
※「HEAT20」とは、「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の頭文字をとった略称で、断熱基準のグレードが「G1,G2,G3」と3段階あり、民間団体が策定した断熱基準です。
それぞれの断熱等級は、住宅の断熱性能を表す指標UA値で判断する事が出来ます。
◦各断熱等級のUA値の基準
断熱等級 | 地域区分 | ||||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | ||
断熱等級7 「HEAT20 G3」相当 | UA値 | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | 0.26 | – |
断熱等級6 「HEAT20 G2」相当 | UA値 | 0.28 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | 0.46 | – |
断熱等級5 「ZEH水準」同等 | UA値 | 0.4 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | – |
断熱等級4 「H28 省エネ基準」同等 | UA値 | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | – |
UA値の基準値は建てる地域によっても異なりますが、東北など一部寒冷地を除くほとんどの本州が該当する5・6・7地域であれば、UA値が0.26以下であった場合、その建物は断熱等級7と認められます。
ちなみに「HEAT20 G1・G2・G3」のUA値の基準は以下の通りです。
◦「HEAT20 G1・G2・G3」のUA値の基準
断熱基準 | 地域区分 | ||||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | ||
HEAT20 G3 | UA値 | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.23 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | – |
HEAT20 G2 | UA値 | 0.28 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | – |
HEAT20 G1 | UA値 | 0.34 | 034 | 0.38 | 0.46 | 0.48 | 0.56 | 0.56 | – |
断熱等級6と等級7がそれぞれ「HEAT20 G2・G3」"相当"となっているのは、基本的には同じUA値が求められますが、5地域だけ求められるUA値が異なるからです。
5地域の場合は「HEAT20」の方が若干、高い断熱性が求められます。
これからの家づくりは断熱等級6・7を狙いたい
「脱炭素社会」の実現へ向けた行動の1つとして、2025年には断熱等級4の適合が義務化されます。
更に、2030年には適合義務を断熱等級5に引き上げる予定です。
◦2030年以降の断熱等級一覧
等級 | UA値の要求値 |
---|---|
断熱等級7 | 0.26以下(6地域の場合) |
断熱等級6 | 0.46以下(6地域の場合) |
断熱等級5 | 0.6以下(6地域の場合) |
断熱等級5の適合が義務化された場合、2030年以降の新築戸建てでは断熱等級5が最低ランクとなります。
その為、断熱等級5未満の住宅は資産価値が大きく下がる事が予想され、断熱等級5の住宅も最低ランクとなり資産価値でプラス査定とまではなりません。
予算の兼ね合いなどもありますが、理想としてはこれから家づくりを行うのであれば断熱等級6・7を目指したいところです。
アキュラホーム「超断熱の家」
アキュラホームの高断熱商品「超断熱の家」は、これからの家づくりに適した断熱等級6・7を満たす断熱性能を持った住宅です。
「超断熱の家」は断熱仕様の違いで「超断熱の家」と「超断熱の家 プレミアム」があります。
無印の方の「超断熱の家」は標準仕様で断熱等級6を満たし、「超断熱の家 プレミアム」の方は標準仕様で断熱等級7を満たします。
「超断熱の家 プレミアム」の価格(坪単価)
「超断熱の家 プレミアム」の参考価格は施工面積約30坪、2階建て・3LDKで税込2,079万円~となっています。坪単価は69.3万円~です。
(価格は市況で変動する可能性はあります)
複数のハウスメーカーを比較すると分かりますが、現状では断熱等級7に対応している住宅を手掛けるハウスメーカーが少ない中で、この価格で提供しているのはかなりお得です。
コストパフォーマンスの高さは間違いなく業界トップクラスです。
「超断熱の家」を建てるメリット
◦電気代がお得
◦ヒートショックリスクの軽減
◦優れた耐震性
◦優れた設計力
◦優れたデザイン性
◦様々な税制優遇の恩恵
◦充実の保証プログラム
電気代がお得
断熱性能を表すUA値は外皮平均熱貫流率とも呼ばれており、外皮(屋根や外壁、開口部等)を介して熱がどれ位逃げやすいかを表した値です。
UA値が小さい=高断熱であるほど室内の熱が逃げずらいので冷暖房効率が良くなります。
夏であれば低すぎる設定、冬であれば高すぎる設定温度にしなくても十分に冷暖房が効くので電気代を抑える事が出来ます。
東京電力エナジーパートナー調べによる、断熱等級4と断熱等級7の家の年間の電気代を比較した結果では、断熱等級7の家の方が年間で27,679円も電気代が安くなっています。
これが例えば30年間となると電気代だけで約83万円も差が出ます。
恐らく10年後、20年後の基本電気料は今よりも高くなっていそうなので実際はもっと多くの金額差が出る可能性もあります。
ヒートショックリスクの軽減
ヒートショックとは急激な温度変化によって血圧が乱高下したり脈拍が変動する現象の事で、温かい部屋⇒寒い脱衣所⇒入浴で再度暖まる事で起こる事例が多いです。
このヒートショックが要因となり入浴中に死亡する方は交通事故で亡くなる方の実に3倍以上にも及びます。
家庭における不慮の事故で特に気を付けておきたいヒートショックですが、高断熱住宅であれば部屋毎の温度差が小さくなるのでヒートショックのリスクを抑える事が出来ます。
ヒートショックが要因で亡くなられる方の多くは高齢の方なので、高齢の方がいる家庭では勿論の事、若い世代でも将来の事を考えると高断熱住宅に住まわれる事をおすすめします。
優れた耐震性
高い耐震性を実現する為に、接合部、床、壁に特にこだわり家づくりを行っています。
従来の木造軸組み工法では接合部の欠損率が高くなり強度が弱くなってしまうという弱点がありましたが、それを克服する為に接合部は金物で強固に接合する「メタルウッド工法」を採用しています。
また、一般的な工法で使用される床合板の厚さは12mmなのに対してアキュラホームでは24mmの床合を使用し床剛性が3倍の強度を誇る「トリプルストロング床」を採用しています。
耐力壁には同社独自開発の、業界最大クラスの15倍の壁倍率をもつ耐力壁「8トン壁」を採用しています。
更に、ベタ基礎の基礎底部の厚みは一般的に150mmが多いのですが、アキュラホームでは180mmの厚みを確保しています。
このような技術により、計10回の実物大住宅実験でも構造体および内装材に大きな損傷がなく地震に強い家である事を証明しています。
優れた設計力
1mmからでも設計可能な完全自由設計がアキュラホームの魅力の一つです。設計自由度が高いので施主のこだわりが沢山詰まったオンリーワンなマイホームを造る事が出来ます。
リビング吹抜け+オープン階段や心地の良い大開口、スキップフロアやロフト等を設ける多層構造など、強固な構造躯体×高い設計力だからこそ開放的な大空間や限られた空間を有効活用出来る空間設計など実現が出来ます。
優れたデザイン性
自由設計でありながら、一邸一邸美しくデザイン出来るようにオリジナルの「デザインコード」を開発し、規則を組み合わせてどのような設計でも美しく仕上げる高いデザイン性を持ち合わせています。
流行に左右されないお洒落なモダンスタイルのデザインが多く、グッドデザイン賞を9年連続で受賞するなどデザイン性でも高い評価を得ています。
様々な税制優遇の恩恵
「超断熱の家」のように省エネ性能に優れる住宅は様々な税制優遇が受けられます。
例えば、断熱等級5以上である事が要件の一つにある長期優良住宅では、認定を受ける事で住宅ローンの控除枠の優遇や固定資産税の減税期間の延長、不動産所得税の減税、地震保険料の割引などが受けられます。
フラット35でも省エネ性能に優れた住宅であれば低い金利プランを利用する事が可能となります。
省エネ性能に優れた住宅は各自治体が行っている補助金・助成金の対象にもなりやすいのでお得に建てる事が出来る可能性が高いです。
充実の保証プログラム
保証制度は初期保証が20年、延長保証最大35年となっています。価格がハイクラス帯の大手HMでは珍しくない保証内容ですが、アキュラホームのようにお求めやすい価格帯のハウスメーカーの中では充実した保証プログラムです。
また、耐震性の高さに自信があるからこそ可能な、引渡し後10年間「AQ地震建替保証」なども付いています。
「AQ地震建替保証」・・・地震により半壊以上の被害が生じた場合に建物販売価格100%までを限度額として保証してくれる制度。
美しくメンテナンスの手間も軽減された外壁
外壁材にはシーリングレス・超高耐候の特徴を持つニチハの「Fuge(フュージェ)」が採用されています。
Fugeは4枚のサイディングボードを合わせる「四方合いじゃくり」という仕様によって板の継ぎ目が目立ちにくくシーリング目地が大幅に減ります。
シーリングレスの外観でより自然な美しい仕上がりになります。
また、一般的な外装材は10年~15年位で再塗装が必要と言われていますが、30年以上変色・褪色が目立たない超高耐候「プラチナコート」が塗装されているのでメンテナンスコストを大幅に抑える事が出来ます。
高断熱高気密の家のデメリット
どんな事でもメリットがあればデメリットもあります。
「超断熱の家」のような高断熱高気密住宅にはどのようなデメリットがあるのかご紹介いたします。
費用が高くなる
断熱性能を上げるには断熱材を厚く施工したり、窓や玄関ドアに断熱性能の高い商品を採用したりする必要があるので費用がかかります。
ただ、様々な税制優遇の恩恵が受けられる事や電気代が安くなる事で幾らかは相殺出来ます。
更に、アキュラホームの場合は約30坪が参考価格2,079万円(税込)~とかなり安いです。
高断熱高気密にする時に最大のネックとなるのが"費用の高騰"なのですが、「超断熱の家」であればかなり抑えられます。
暖房器具の制限
高断熱高気密住宅では(石油・ガス)ストーブや(石油・ガス)ファンヒーターの使用は控えた方が良いです。
これらの暖房器具は酸素を消費して二酸化炭素と水蒸気を多量に排出します。
隙間風が入ってこない高気密住宅では、発生した多量の水蒸気が結露発生のリスクを高めると共に、酸素が足りない状態で燃料が不完全燃焼を起こすと二酸化炭素ではなく一酸化炭素が発生してしまいます。
そうしたリスクがあるので暖房器具が制限されます。ただ、高気密高断熱住宅であれば暖房はエアコン一台で十分だったりします。
乾燥しやすい
水蒸気が発生する暖房器具を使わない事や、隙間風が入って来づらい事、常に室温が暖かくキープされている事などから冬場は特に乾燥しやすいです。
乾燥すると肌トラブルが増えたり、口や鼻などの粘膜が乾燥すると風邪を引きやすくなったりもするので加湿器を導入するなどして対策する必要があります。
反響音が大きくなる
高断熱高気密の住宅は断熱材がぎっちり詰まっている事やすき間が無い事などから遮音・防音性が高くなります。
遮音・防音性が高くなる事はメリットですが、外の騒音が室内に入ってくるのを防ぐのと同時に室内の音が外に漏れるのも防ぎます。音が外に逃げずらい環境なので反響音も大きくなってしまいます。
ただ、反響音は遮音カーテンや防音カーペット、防音フローリング、吸音性の高いクロスなどを採用したり、ベッドやクローゼット、ソファなど吸音性が高い家具でも抑える事が出来ます。
「最初だけやや気になっていたが、すぐに気にならなくなる」という意見も多くあります。
まとめ
断熱等級の説明やアキュラホームの高断熱仕様の商品「超断熱の家」のメリットや、高断熱高気密住宅のデメリットなどを紹介してきました。
高断熱高気密であれば一年を通じて快適な住環境が手に入るので、暑い・寒いといった室温でのストレスをあまり感じる事なく過ごす事が出来ます。
個人的にはデメリットよりも圧倒的にメリットが勝ると思っているので、これから家づくりを始める方は高断熱高気密な家づくりを検討してみては如何でしょうか?
素敵なマイホームづくりを応援しています。
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