2024年、夏涼しく冬暖かい家を建てるハウスメーカーランキング!

2023-12-20

2022年に、23年ぶりに新たな断熱等級5・6・7が新設された事や、2025年以降は断熱等級4以上の適合が義務化された事などから断熱性能に注目して家づくりを行う施主さんがより増えてきました。

そうした動きに合わせて各ハウスメーカーも、新設された断熱等級対応の高断熱仕様の住宅をリリースして新築住宅の高断熱化が進んでいます。

そこで当記事では、夏は涼しく冬は暖かく過ごせる高断熱仕様の家を断熱性能(UA値)順にランキング形式でご紹介していきたいと思います。

また、夏は涼しく冬は暖かい、一年を通じて快適に暮らせる家を建てる時に特に注意しておきたいポイントなども解説していきます。

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ランキング付けの指標に使うUA値とは?

UA値とは、対象の建物がどれ位の断熱性能があるかを把握する為に使う値です。

UA値は"外皮平均熱貫流率"とも言われ、屋根・天井や壁、窓、床・基礎などの外気に触れている箇所(外皮)を介して、どれ位の熱量が逃げているのかを示します。

熱量の逃げやすさを表す値なので、UA値の値が小さい方がより熱量が外に逃げずらい=断熱性能に優れている家と判断する事が出来ます。

Point

UA値は小さい方が断熱性能に優れる!!

断熱性能に優れた家は、外皮から熱が逃げずらいので冷暖房効率が良く、夏は涼しく冬は温かい家となります。強めの設定温度にしなくても良く効くので、冷暖房費の削減も可能です。

ちなみにUA値は「UA値(w/㎡・K)=家全体から逃げる熱量の合計(w/k)÷外皮面積(㎡)」で求められます。

各断熱等級の基準となるUA値

断熱等級地域区分
12345678
北海道青森・岩手など東北・長野など関東~九州北部宮崎・鹿児島沖縄
断熱等級4
「H28 省エネ基準」
UA値0.460.460.560.750.870.870.87
断熱等級5
「ZEH水準」
UA値 0.40.40.50.60.60.60.6
断熱等級6
「HEAT20 G2」相当
UA値 0.280.280.280.340.460.460.46
断熱等級7
「HEAT20 G3」相当
UA値 0.20.20.20.230.260.260.26
地域区分表

地域区分毎に指標となるUA値は異なります。

例えば、寒冷地以外の殆どの地域が該当する5・6地域の場合、UA値が0.26(w/㎡・K)以下であれば断熱等級は現行最高ランクの7となります。

気密性能(C値)もチェック

気密性能とは住宅全体でどれ位の隙間が空いているのかを示す性能値でC値で表します。値が小さい方が気密性能に優れます。

C値の基準は平成11年の省エネ基準では5.0以下(寒冷地は2.0以下)と示されていましたが、平成25年の改正で基準が削除されました。

省エネ基準(平成11年基準)の事を指して、「北海道基準のC値をクリア」等と言った事を記載しているハウスメーカーが今もありますが、かなり昔に使用されていた基準なので今は全く参考になりません。

高気密の定義は決まっていませんが、最近ではC値=1.0以下であれば高気密住宅を呼ばれている事が多いです。

ただ、気密性能は木材の収縮や窓サッシ、玄関ドアなど建材の経年劣化の影響も受けるので新築時であればC値=0.7以下を目指したいというのが当サイトの推奨値です。

断熱性能が高くても気密性能が低い隙間だらけの家だと、夏涼しく冬暖かい家にはならないので断熱性能(UA値)と気密性能(C値)は必ずセットで考えるようにしましょう。

Point

C値とUA値はセットで考える!!

ちなみにC値は「C値(c㎡/㎡)=家全体のすき間の合計(c㎡)÷延床面積(㎡)」で求められます。

夏涼しく冬暖かい家、ハウスメーカーランキング

断熱性能に優れた「夏涼しく、冬暖かい家」を手掛けるハウスメーカーをUA値順にランキング形式でご紹介致します。

※ランキングの対象となるハウスメーカーは施工エリアが全国区であったり、複数県に跨り施工を行っているハウスメーカーに限ります。1,2県内だけが施工エリアの地域密着型の工務店は無数にあるので対象外としています。

順位ハウスメーカーUA値
1位土屋ホーム0.19
2位アイフルホーム0.23
2位タマホーム0.23
4位日本ハウスHD0.25
5位一条工務店0.26以下
5位アキュラホーム0.26以下
5位ダイワハウス0.26以下
8位クレバリーホーム0.26
8位ヤマト住建0.26
10位スウェーデンハウス0.28

1位.土屋ホーム「CARDINAL HOUSE BES-T019」

土屋ホーム「CARDINAL HOUSE BES-T019」の外観画像
土屋ホーム
UA値0.19(w/㎡・K)
C値0.38(c㎡/㎡)

北海道・東北・関東・甲信エリアで注文住宅を手掛けるハウスメーカーです。断熱等級7を超える性能を目的に開発された新構法「BES-T019」を採用して建てる土屋ホームの住宅ブランド「CARDINAL HOUSE」が第1位です。

北海道生まれで北海道での実績も多い土屋ホームは、元々断熱性能に優れており従来の外断熱・基礎断熱に加えて内断熱(充填断熱)と基礎内部の断熱、土間下部分も断熱。

更に天井断熱の厚みも増してUA値0.19を実現しています。自社大工による丁寧で精度の高い施行や、気密性を確保しやすい樹脂サッシの採用などで高気密も実現しています。

・W断熱(外断熱66㎜+GW105㎜)、基礎断熱内外75㎜、天井断熱BW600㎜
・トリプルガラス+樹脂サッシ
・全館暖房換気システム

紹介したハウスメーカーの最新カタログ
※地域やタイミングにより候補に出ないHMもあります。

2位.アイフルホーム「すごい家」

アイフルホーム「すごい家」の外観画像
アイフルホーム
UA値0.23(w/㎡・K)
C値0.2(c㎡/㎡)

アイフルホームは住宅設備機器業界最大手のリクシルのグループ会社「LIXIL住宅研究所」が本部運営を行うFC住宅ブランドです。「すごい家」は全国のアイフルホーム加盟店で取り扱っています。

高気密・高断熱に加えて、高性能フィルター搭載の換気システムでいつも空気がきれいな家を実現すると共に、太陽光発電や蓄電池の搭載でストレスフリーな家となっています。

充実の性能、そして設備が整っていますが自由設計ではなく決められたプランから選択して家づくりを行うセミオーダータイプの住宅となります。

・24時間熱交換換気システム
・全館ダクトレス空調システム
・感染症防止対策

2位.タマホーム「えがおの家」

タマホーム「えがおの家」の外観画像
タマホーム
UA値0.23(w/㎡・K)
C値非公表

2023年4月から発売開始したタマホームの新商品「えがおの家」が同率2位です。低価格帯で人気のハウスメーカーによる高断熱仕様はコスパに優れた住宅です。

高性能グラスウール105mm+押出法ポリスチレンフォーム断熱材75mmの外壁ダブル断熱に基礎も外側、内側のダブルで断熱。Low-Eトリプルガラス+樹脂サッシや高断熱玄関ドアで断熱性能を高めています。

熱交換器付き第一種換気システムで快適性にも優れ、太陽光発電搭載で省エネ性能も高い、住まう方が「笑顔」になるような住宅仕様です。

・外壁ダブル断熱、基礎ダブル断熱
・Low-Eトリプルガラス+樹脂サッシ
・高断熱玄関ドア
・全熱交換型24時間換気システム

4位.日本ハウスHD「極」

日本ハウスHD「極」の外観画像
日本ハウスHD
UA値0.25(w/㎡・K)
C値0.5(c㎡/㎡)以下

丈夫で耐久性に優れた「国産檜無垢柱」や「プレミアム檜集成柱」など檜の家づくりにこだわるハウスメーカーです。「極」は4寸と太いプレミアム檜集成材を土台や柱に使用し高い耐震性を確保しています。

断熱面では、壁には高性能グラスウール20K(120mm)+フェノールフォーム60mmのダブル断熱を採用。床は、玄関やユニットバスの下からの熱や冷気を遮断する土間断熱を採用しています。

玄関ドアは天然木の上質な意匠性に優れる「イノベストD50」や檜無垢フローリング、建具は繊細な木目が美しいDAIKENの「ハピア」など、木のぬくもりに包まれるそんな住宅です。

・Low-Eトリプルガラス+樹脂サッシ
・冷暖房標準
(北海道:セントラルヒーティング4ヶ所/本州以南:ルームエアコン4ヶ所)
・ダクトレス第一種換気

5位.一条工務店「断熱王」

一条工務店「グラン・スマート」の外観画像
一条工務店
UA値0.26(w/㎡・K)以下
C値0.59(c㎡/㎡)

住宅性能の高さで人気のハウスメーカーです。「断熱王」は現行最高ランクの断熱等級7に対応可能な断熱オプションの名称です。看板商品である「グラン・スマート」「アイ・スマート」で採用する事が出来ます。

元々性能に優れる同社の看板商品は標準仕様で断熱等級6はあったので、玄関ドアを高断熱仕様の「DANNJU(ダンジュ)」に変更と、断熱玄関土間の採用だけで断熱等級7に対応します。

熱交換率90%と高い「ロスガード90」や生活スペースのほぼ100%をカバーする「全館床暖房」なども搭載されており、標準仕様で快適性に優れる住宅を提供してくれます。

・ドア厚90mmの断熱玄関ドア
・断熱玄関土間
・トリプルガラス樹脂サッシ
・熱交換換気システム「ロスガード90」

紹介したハウスメーカーの最新カタログ
※地域やタイミングにより候補に出ないHMもあります。

5位.アキュラホーム「剛木造 超断熱の家 -プレミアム-」

アキュラホーム「剛木造 超断熱の家 -プレミアム-」の外観画像
アキュラホーム
UA値0.26(w/㎡・K)以下
C値非公表

1mm単位での設計も可能な完全自由設計や、カンナ社長でお馴染みの元大工の社長による「職人品質」にもこだわった優れた施工精度などが人気のハウスメーカーです。

従来の木造軸組み工法の弱点でもあった接合部をより強固にした「メタルウッド工法」や床剛性が3倍の「トリプルストロング床」、高強度のオリジナル耐力壁「8トン壁」などを使用した独自開発の「剛木造」で高い耐力と高気密・高断熱を両立しています。

設計自由度の高さや住宅性能の高さ、そして施工精度の高さも満たした断熱等級7対応の住宅が施工面積約30坪で税込2,079万円からという低価格で販売されています。

・完全自由設計
・大工魂で追い求める「職人品質」
・約30坪 税込2,079万円から販売の良コスパ

「剛木造 超断熱の家 -プレミアム-」のカタログ

5位.ダイワハウス「ウルトラW断熱」

ダイワハウス「ジーヴォグランウッド」の外観画像
UA値0.26(w/㎡・K)以下
C値非公表

鉄骨造のxevoΣ(ジーヴォシグマ)や木造のxevoGranWood(ジーヴォグランウッド)など鉄骨造も木造も取り扱うハウスメーカーです。「ウルトラW断熱」は木造の「ジーヴォグランウッド」のみ対応しています。

「ウルトラW断熱」とは、断熱等級7に対応した断熱仕様の名称で外壁は押出ポリスチレンフォーム90mm+アクリアウールα36k(105mm)+20k(89mm)のW断熱、天井はグラスウール20K(400mm)、床下断熱は硬質ウレタンフォーム200mm+大引き上断熱材15mmとなっています。

大手ハウスメーカーなので価格帯はハイクラスですが初期保証30年、無料点検30年、最大60年保証や住宅設備10年や充実のアフターサポートなどがあるので安心して家づくりを任せられます。

・強固な構造躯体で高い耐震性
・開口幅最大9m、天井高2m72cmの大開口・大空間も可能
・充実の保証・アフターサービス

8位.クレバリーホーム「エネリート・サーモ」

クレバリーホーム「エネリート・サーモ」の外観画像
UA値0.26(w/㎡・K)
C値非公表

クレバリーホームは全国でFC展開を行う注文住宅ブランドで耐久性やデザイン性に優れる「タイル外壁」を標準仕様としている事が大きな特徴です。

高断熱仕様の商品「エネリート・サーモ」は、外壁にはフェノールフォーム45mm+無機質繊維系断熱材を充填するダブル断熱を採用、天井には厚さ300mmのブローイング断熱材を充填、基礎断熱は内100、外50mmの押出法ポリスチレンフォームが施工されます。

「炭」と「電子」の力でマイナスイオンに満たされた空間にする「シアスミン・エア」も標準搭載されえおり、快適性に加えて住まう人の健康面も考えられた住宅となっています。

・外壁ダブル断熱+基礎ダブル断熱
・Low-Eトリプルガラス+樹脂サッシ
・外壁タイル
・シアスミン・エア

8位.ヤマト住建「エネージュG3+」

ヤマト住建「エネージュG3+」の外観画像
ヤマト住建
UA値0.26(w/㎡・K)以下
C値0.5(c㎡/㎡)以下

日本の住宅を世界基準にする事を目標に家づくりを行い、「長寿命」×「高性能」×「資産価値の高い家」を手の届く適正価格で提供する事にこだわるハウスメーカーです。

「エネージュG3+」は外壁には高性能ウレタンフォーム100mm+XPS断熱材(押出発泡ポリスチレンフォーム)65mm、屋根(内張り)には吹付硬質ウレタンフォーム(300mm)、床下断熱はXP断熱材を根太間は45mm+大引間は100mmで施工します。

全棟で気密測定を行っており、気密テープで目地処理を丁寧に行い高気密を実現します。地震の揺れを軽減する制振装置「evoltz(エヴォルツ)」や高性能熱交換気システムも標準搭載で安全で快適な住宅を提供してくれます。

・Low-Eトリプルガラス+樹脂サッシ
・制振装置「evoltz(エヴォルツ)」搭載
・高性能熱交換気システム(第一種換気)
・全館空調「YUCACO」システム

10位.スウェーデンハウス「強化断熱仕様」

スウェーデンハウスの外観画像
スウェーデンハウス
UA値0.28(w/㎡・K)
C値0.64(c㎡/㎡)

デザインが凝っていてお洒落で可愛い北欧住宅を手掛けるハウスメーカーです。使用する木材もスウェーデンの森で育った樹齢80年前後の木目が密に詰まったスウェーデン材を厳選して使用しています。

断熱材には主にグラスウールを使用しており、外壁はグラスウール24K(100mm)、天井はブローイング工法でグラスウールを300mm、床はグラスウール16k(100mm)で施工します。

壁パネル同士の継ぎ目の上に防湿気密フィルムを貼ったり、壁と床との間も気密パッキンを施工したりと厳重な気密施工で気密性も確保しています。日本の住宅では珍しい、樹脂サッシより断熱性能に優れる木製サッシが標準仕様となっています。

・おしゃれで可愛い外観
・ゆとりのある1200mmモジュール
・木製サッシ
・熱交換型換気システム

紹介したハウスメーカーの最新カタログ
※地域やタイミングにより候補に出ないHMもあります。

夏涼しく冬暖かい家を建てる時に知っておきたいポイント

夏も冬も、年間を通じて快適な住環境の中暮らす為に知っておきたい、抑えておきたいポイントを幾つかご紹介していきます。

高断熱・高気密であること

断熱性能と気密性能は、夏涼しく冬暖かい家を建てるには必須の住宅性能です。ただ、「高断熱」「高気密」の定義は決まっていません。

では、具体的にどの程度の性能まで求めれば良いのかですが、気密性能に関しては上でも触れているように新築時であればC値0.7以下を目指したいところです。

UA値に関しては、これから家づくりを行うのであれば断熱等級5以上の数値は確保しておきたいところです。

何故なら、2025年には断熱等級4が義務化され更に2030年には断熱等級5に義務化の基準が引き上げられる予定だからです。

つまり、2030年以降は断熱等級5が最低ランクとなるのでそれ以下の断熱性能の家の資産価値は大きく下がってしまいます。

それに、断熱等級5に満たない数値では"夏涼しく冬暖かい家"にするにはやや物足りない数値です。

勿論、更に上の断熱性能である"断熱等級6・7″を目指すのは良いですが、性能が上がれば当然費用もかかるので、より高みを目指す時は予算と相談しながら決めていきましょう。

Point

断熱性能は「断熱等級5以上」(4・5・6・7地域であればUA値0.6以下)、気密性能C値は0.7以下を目指すのが当サイトの推奨値

開口部の断熱性能にこだわる

上の画像は住宅への熱の出入りの割合を場所毎で示しているのですが、屋根や外壁、換気や床などに比べて開口部からの熱の流出入が圧倒的に多い事が分かります。

(開口部とは外気に開放された部分の事。主に窓や玄関ドア、勝手口など)

つまり、割合の多い開口部の断熱性能にこだわれば家全体の断熱性能を効率的に上げる事が出来ます。

開口部の中でも熱の流出入が最も多いのが"窓"です。

窓の断熱性能を確認する時には以下の3点をチェックしておきましょう。

窓ガラスの種類+中間層の気体の種類
窓サッシの種類
スペーサーの種類

◦窓ガラスの種類+中間層の気体の種類

窓ガラスは主に4種類あり「単板ガラス」→「複層ガラス」→「Low-E複層ガラス」→「Low-Eトリプルガラス」の順に断熱性能が良くなります。

中間層の気体は主に4種類あり「乾燥空気」→「アルゴンガス」→「クリプトンガス」→「真空」の順に断熱性能が良くなります。

断熱性能にこだわるなら「Low-E複層ガラス」+「アルゴンガス」以上の断熱仕様が望ましいです。

◦窓サッシの種類

窓サッシは主に4種類あり「アルミサッシ」→「アルミ樹脂複合サッシ」→「オール樹脂サッシ」→「木製サッシ」の順に断熱性能が良くなります。

断熱性能にこだわるなら「オール樹脂サッシ」以上の断熱仕様が望ましいです。

◦スペーサーの種類

スペーサーは主に2種類あり「アルミスペーサー」→「樹脂スペーサー」の順に断熱性能が良くなります。

断熱性能にこだわるなら「樹脂スペーサー」が望ましいです。

玄関ドアや勝手口にも注目

断熱性能にこだわる時は玄関ドアや勝手口の断熱性能にも注目しておきましょう。

玄関ドアに関しては、玄関が大きく見え見栄えも良い親子ドアや採光性に優れる片袖FIXドア等よりもシンプルな片開きドアが一番断熱性を高めやすいです。

勝手口に関しては、断熱性能にこだわるのであれば付けないのが一番良いです。

設置する場合はロックしたままでも採風できる通風ドアが人気ですが、よりシンプルな構造の勝手口の方が断熱性能は高めやすいです。

U値を確認するのがおすすめ!

窓の断熱性能は上記に記載したように各パーツの種類を見る事で大枠は把握できますが、構成するガラス自体の種類やガラスの厚み、中間層の厚みなど、更に細かな違いによっても断熱性能は微妙に変わってきます。

玄関ドアや勝手口に関してもドアの厚みや素材、構造等々で変化します。

その為、より細かく比較する時にはU値(熱貫流率)を確認しましょう。

「U値」とは、熱の伝わりやすさを表した値で小さい程断熱性能が高い事を表します。

UA値もC値も施工精度の影響を受ける

UA値は家の仕様がまとまった位のタイミングで計算によって求める事が出来ます。その為、あくまで"理論値"です。

現場での施工精度によっては理論上の断熱性能が確保されていない事も起こり得ます。

C値は実際に現場で専用の機器を用いて測る実測値です。自分の家の実際のC値は家を建てる前段階では分かりません。その為、過去の建築実例の平均C値などを参考にします。

C値も現場の施工精度の影響を受けやすいです。

高気密・高断熱住宅をあまり得意としていないハウスメーカーだと実際の断熱性能は計算で求めたUA値よりも悪かったり、高い気密性を確保出来なかったりするので、夏涼しく冬暖かい家を建てるには高気密・高断熱住宅を得意としているハウスメーカーに依頼するようにしましょう。

換気システムにも注目

2003年以降、シックハウス症候群の対策の為に24時間換気システムの設置が義務付けられています。

換気システムには第一種換気、第二種換気、第三種換気の3種類ありますが、戸建て住宅で第二種換気が採用される事はほぼないので第一種換気か第三種換気となります。

第一種換気と第三種換気

第一種換気と第三種換気の説明図
画像:SATO HOME

第一種換気と第三種換気の違いは給気の違いです。

第一種換気は給気も排気も機械による「機械換気」で行います。第三種換気は排気は機械換気ですが、給気は「自然換気」となります。

それぞれのメリットとデメリットは以下の通りです。

第一種換気のメリット

・熱交換器が取り付け可能
・綺麗な空気を取り込める
・効率的に換気を行いやすい

・熱交換器が取り付け可能

第一種換気には熱交換器という、排気する室内の空気の熱を利用して室温に近づけてから外の空気を取り込む事が出来る機器が付けられます。

高気密高断熱住宅に採用されている第一種換気には、だいたいこの熱交換器が取り付けられています。

熱交換器付きの第一種換気であれば、夏でも冬でも外気温のまま取り込むのではなく室温に近づけてから取り込むので室内の快適性が保たれます。

換気による熱ロスも少ないので冷暖房費の抑制にも繋がります。

・綺麗な空気を取り込める

第一種換気では排気側の換気扇に高性能フィルターが搭載されている事が殆どです。

高性能フィルターにより花粉やPM2.5、チリやホコリなどを除去しキレイな空気を室内へ運んでくれます。花粉症の方やアレルギー体質の方は第一種換気がおすすめです。

・効率的に換気を行いやすい

高気密住宅は隙間が少ないので、排気も給気も機械で行う第一種換気は空気の流れを設計しやすく換気が効率的に行えます。

効率よく換気が出来るので結露の発生を抑えます。結露が出来にくい環境なのでカビの発生リスクも抑えられ、住宅の寿命にも良い影響を与えます。

第一種換気のデメリット

・コストがかかる
・フィルターの掃除や交換が定期的に必要

・コストがかかる

排気も給気も機械で行うので第三種換気よりも導入コストがかかります。更に、ダクト式であればダクトを通す工事なども発生するので工事費用も高くなります。

給排気どちらも機械である事でランニングコストがかかったり、構造が複雑なのでメンテナンスの為のコストも高くなります。

・フィルターの掃除や交換が定期的に必要

せっかくの高性能フィルターも掃除を怠れば性能は落ちますし、給気量にも影響を与え効率的な換気が行えなくなります。

そうならない為に定期的にフィルターのお掃除や交換が必要となります。そうした小まめな管理が面倒な方は第三種の方が良いかもしれません。

第三種換気のメリット

・コストが安い
・メンテナンスが楽

・コストが安い

第一種換気に比べると圧倒的に導入コストが安くすみます。また構造もシンプルなのでメンテナンスにかかる費用も安くすみます。

・メンテナンスが楽

構造もシンプルである事や給気が自然換気なので頻繁に掃除をする必要もなくメンテナンスが楽です。導入後に手がかかりません。

第三種換気のデメリット

・熱交換出来ない
・室内の空気をクリーンに保てない

・熱交換出来ない

第三種は自然換気なので外気温をそのまま室内に取り込みます。冬場などは寒い外気をそのまま室内へ取り込むので、排気口の近くは寒く感じたり、熱ロスが大きくなり冷暖房効率が下がります。

導入コストやメンテナンスの為のコストは第一種換気の方がかかりますが、冷暖房費は第三種換気の方が高くなりやすいです。

・室内の空気をクリーンに保てない

給気が自然換気なので基本的には穴が開いているだけの状態です。

フィルターを通って各部屋へ空気を送り込む訳ではないので室内の空気環境は第一種換気の方が良いです。

第一種換気VS第三種換気どちらが良い?

「夏涼しく冬暖かい家」という当ページのテーマに合っているのは第一種換気です。

熱交換器付きの第一種換気であれば、熱ロスが少ないので夏は涼しい室内環境を、冬は暖かい室内環境を保ちやすいです。

またフィルターの効果でクリーンな空気を取り込めるので健康に配慮した空気環境も整います。

上記で紹介をした「夏涼しく冬暖かい家」で採用されている換気システムは熱交換器付きの第一種換気です。(ダイワハウスのみ標準は第三種)

快適性よりもコストを優先させたい方は第三種換気が良いです。

給排気どちらも機械である第一種換気の方が計画的な換気がやりやすいですが、高気密住宅であれば第三種換気でも十分だったりします。

導入後に手のかからないのも第三種換気なので、定期的な管理が面倒だと感じる方は第三種換気の方が向いています。

どちらも一長一短ありますので、条件に合う方を選択するのが良いでしょう。

まとめ

夏涼しく、冬暖かい家を取り扱うハウスメーカーをUA値の低い順にランキング形式でご紹介すると共に、夏涼しく冬暖かい家を建てるポイントなどを解説してきました。

最後にもう1度ランキング表をまとめておきます。

順位ハウスメーカーUA値
1位土屋ホーム0.19
2位アイフルホーム0.23
2位タマホーム0.23
4位日本ハウスHD0.25
5位一条工務店0.26以下
5位アキュラホーム0.26以下
5位ダイワハウス0.26以下
8位クレバリーホーム0.26
8位ヤマト住建0.26
10位スウェーデンハウス0.28

高気密高断熱の家は、暑い夏も寒い冬も室内環境は快適に保ってくれます。結露も起こりにくいので家の寿命化にも貢献しますし、ヒートショックリスクを軽減出来たり遮音性にも優れます。

享受できるメリットが多いのでとても人気の住宅ですが、UA値及びC値は施工精度の影響を受けやすいです。

その為、高気密・高断熱住宅を得意としているハウスメーカーなど実績が多く、信頼の出来るハウスメーカーに依頼をするようにしましょう。

素敵なマイホームづくりを応援しています。

この記事を書いた人
管理人
管理人

資格:宅地建物取引士(東京都宅地建物取引業協会認定)
経歴:不動産・住宅業界約10年
元ハウスメーカー勤務。現在は家づくり関連の情報サイトを複数手掛けるWEBディレクター
不動産・住宅業界10年以上の経験を活かし、注文住宅に関する"分からない事"を解消できるようにこのサイトを作成しました。

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Posted by 管理人