アイ工務店のUA値とC値(断熱性能と気密性能)は?
アイ工務店のUA値とC値(断熱性能と気密性能)を調べた結果を記載していきたいと思います。また快適に暮らす為に確保しておきたいUA値やC値の基準値や、UA値・C値の優れたハウスメーカーの紹介なども行っています。
高気密・高断熱住宅を検討されている方はぜひご覧下さい。
アイ工務店のUA値(断熱性能)
アイ工務店のUA値は公式HPに記載がありません。その為、アイ工務店で建てた施主さんのブログやアイ工務店の標準の断熱仕様を参考にしてアイ工務店のUA値を暫定で決めていきたいと思います。
ゲーム大好きオタクがアイ工務店で高気密・高断熱の家を目指す
上記ブログではUA値=0.4となっています。
ブログ内でUA値を計測した家の断熱仕様も書かれています。それによれば標準仕様に比べて壁の断熱材の厚みを+10mm。窓ガラスをペアからトリプルガラスに変更されているようです。
その為、標準仕様であればUA値は0.45~0.5程度である事が予想されます。
ローコスト新築を建てるまで ~アイ工務店~
上記ブログではUA値=0.49となっています。
口コミサイト(e戸建て)
767 戸建て検討中さん 2018/01/29 22:16:05
アイ工務店で商談中です。
性能値はUA値が0.54(計算書)でC値が0.8以下(目安)との事です。
耐震等級は3が基本。
1012: 戸建て検討中さん [2018-06-17 11:33:46]
断熱はUA値0.51で気密はC値0.8以下でした。気密測定の結果はC値0.61でした。比べたら大手よりも良い性能でした。
アイ工務店で建てた施主さんの口コミによるとUA値=0.51~0.54でした。ただしこちらの口コミは2018年のものです。アイ工務店は2020年度から断熱仕様がグレードアップしていますので現在はもう少しUA値がよくなる事が予想されます。
アイ工務店の断熱仕様
アイ工務店の断熱仕様は2020年度よりグレードアップしています。メインで使用している断熱材は現場発泡タイプの硬質ウレタンフォーム「ダルトフォーム」。断熱材の厚さは下記の通りです。
外壁 | 硬質ウレタンフォーム90mm |
屋根 | 硬質ウレタンフォーム200mm |
床下 | ポリスチレンフォーム90mm |
窓の断熱仕様は下記の通りです。
窓ガラス | Low-Eペアガラス(アルゴンガス入り) |
窓サッシ | オール樹脂サッシ |
以上の参照事項から推測されるアイ工務店のUA値はZEH基準を満たす数値は確保できると思われます。
地域区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ZEH基準 | 0.4 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | – |
つまりアイ工務店の標準仕様で建てた時のUA値は0.6以下、恐らく0.4~0.5程度になると思われます。
2023年1月より断熱性能がよりパワーアップした新仕様の「N-ees(ニーズ)」の発売開始に合わせて、アイ工務店の取り扱っていた各商品はHILLUS(ヒルズ)を残して、N-ess(ニーズ)に一本化されています。
断熱性能もニーズの断熱仕様に統一されていますので2023年1月以降はUA値=0.4以下となっています。(公式発表)
ニーズの断熱仕様は以下の通りです。
外壁 | パワーUP! 発泡ウレタン(80mm)+フェノールフォーム(30mm) ダブル断熱工法 |
窓ガラス | パワーUP! Low-Eトリプルガラス |
窓サッシ | オール樹脂サッシ |
アイ工務店のC値(気密性能)
アイ工務店はC値に関してもHP上で公表はしていません。その為、C値に関してもアイ工務店で建てた施主さんが気密測定を行った様子をブログにアップしている記事がありましたので、そちらを参考にしたいと思います。
アイ工務店の気密測定
私がネットで調べた結果、下記4つのブログが気密測定の様子をアップされていましたので参照させて頂きました。
俺んちマガジン
こちら施主さんによる気密測定の結果はC値=0.3(c㎡/㎡)となっています。
ゲーム大好きオタクがアイ工務店で高気密・高断熱の家を目指す
こちらのブログでは1度目の計測ではC値=0.33。施主さんの家は2.5階という特殊なつくりで、より正確に図るべく2.5階分の容積も掲載に含めた2回目の計測ではC値=0.26となっています。
ローコスト新築を建てるまで ~アイ工務店~
こちら施主さんによる気密測定の結果はC値=0.2(c㎡/㎡)となっています。
ウチらしく、アイらしく
こちらはアイ工務店のオフィシャルブログです。滋賀支店草津展示場が担当している現場での気密測定の様子です。こちらのブログの気密測定の結果はC値=0.5(c㎡/㎡)となっています。
口コミサイト(e戸建て)
1012: 戸建て検討中さん [2018-06-17 11:33:46]
気密測定の結果はC値0.61でした。比べたら大手よりも良い性能でした。
C値は現場で測る実測値なので1棟1棟異なりますが、ここでは建築ブログの情報と口コミを踏まえてアイ工務店のC値は暫定0.2~0.6(c㎡/㎡)としたいと思います。
アイ工務店のUA値、C値の結果発表!!
アイ工務店のUA値は標準仕様で0.4(W/㎡・k)以下、C値は0.2~0.6(c㎡/㎡)です。(※1)
アイ工務店のUA値とC値
UA値 | 0.4(W/㎡・k)以下 |
C値 | 0.2~0.6(c㎡/㎡) |
(※1)
C値はアイ工務店の公式発表の数値ではありません。施主さんのブログや構造・工法などから当サイト管理人が推測した予想値です。
UA値とC値の注意点
UA値(断熱性能)とC値(気密性能)を判断する上でUA値とC値は役に立ちますが、何点か知っておいた方が良い注意点もありますのでご紹介したいと思います。
UA値は理論値
UA値は家の仕様が決まると計算式で求める事が出来ます。ただしその数値はあくまで理論値です。もし施工不良等があれば算出したUA値よりも実際は悪い数値の家が建つ可能性もあります。
C値は実測値
C値とは室内の空気が外に流失したり、外気が入り込んだりする家の隙間の広さを示した数値で上記画像のバズーカのような専用機器を用いて測定をする実測値です。
気密測定を行うタイミングは断熱・気密工事が終わった後か竣工後に行います。家にどれだけの隙間が空いているのかを測定するのである程度施工が進んでからでないと測る事が出来ません。つまり家が建つ前段階ではC値は分からないのです。
またC値は家の間取りや仕様によっても変わりますが、現場の大工さんの施工精度も反映されます。施工精度が低く杜撰な仕事をする職人さんが建てた家は隙間が多くなるのでC値が悪くなります。
…厳密に言えば工法・構造の違いや断熱方法の違いなどで施工のし易さが変わり気密性を確保する難易度が異なるので一概に現場の職人さんの腕だけが悪いという訳ではありませんが、過去に建てた住宅の平均C値が優れた住宅メーカーは現場の職人さんが優れている&気密性を確保しやすい家という事が判断できるので、自分が建てる時にも気密性が確保された家が建つ可能性が高いです。
どちらにしても現場の施工レベルが低ければ優秀なC値は出せないので、C値は現場の施工レベルを測る物差しとしても役に立ちます。
UA値とC値はセットで考える
断熱性能の優れた断熱材や窓サッシ・窓ガラス等を使用して断熱性能を上げても気密性能が低い家でしたら、家中から空気が外に逃げたり、外気が室内に入ってきたりするのでせっかくの断熱性能も意味がありません。
反対に気密性能だけが高くても断熱性能が低ければ夏は外の暑い外気の影響を受け室温が高くなり、冬は寒い冷気の影響で室温が下がり外気の影響を強く受けるので意味がありません。
その為、UA値C値はどちらか一方だけが優れていてもあまり意味がなく必ずセットで考えるようにしましょう。
耐震性能や断熱性能の性能等級。キッチンや浴室、トイレ等の住宅設備のグレード。外観や内装のデザインセンス。得意な間取りやタイプ別のおすすめ間取り。保証制度などは必ず各社のカタログで比較をしましょう。
正直各社のHPを見ても分かりずらかったり欲しい情報が書いてなかったりもします。特にUA値、C値はHPに書いていない事が多いです。その点、住宅カタログにはハウスメーカーを選ぶ為に必要な情報がバッチリ載っています。
どういったキッチンになるのか、や浴室や洗面室の作り見た目。外観・内装のデザインなどは実際に画像を見ないとイメージがしにくいと思いますが、カタログだと画像付きで載っていますので具体的にその家で生活を送るイメージが沸きます。
その為、ハウスメーカーを選ぶ時には必ず複数社から最新カタログを取り寄せカタログに載ってある情報で比較検討をするようにしましょう。
アイ工務店の家は高気密・高断熱住宅と呼べるのか?
アイ工務店の家が高気密・高断熱住宅かを論じる前に『高気密・高断熱住宅』の定義についてお話したいと思います。
高気密・高断熱住宅には定義がない
実は高気密・高断熱住宅には『UA値○○以下、およびC値○○以下の建物を高気密・高断熱住宅と呼ぶ』といった様な定義が決まっていないのです。その為、実際のUA値やC値がたいした値でなくても『高気密・高断熱住宅』とPRをして販売をしているのが現状です。
ハウスメーカーのHPに載っている"高気密高断熱住宅"という売り文句や営業マンが言う「我が社の家は夏は涼しく、冬は暖かい家ですよ」等のセールストークを鵜呑みにして高気密・高断熱住宅だと思い込んで建てた結果、実際の断熱性能や気密性能はそこまで高くない『なんちゃって高気密・高断熱住宅』だったなんて悲しい失敗例も多くあります。
断熱性能および気密性能はUA値、C値の値で確認
例えば以下のようなキャッチフレーズでPRをしているハウスメーカーが3社あったとします。
A社:『高性能断熱材で真冬でもポカポカ住宅!』
B社:『裸足でも快適に過ごせるあたたかいお家!』
C社:『W断熱で夏でも冬でも1年中快適ハウス!』
文言だけだとどの家の性能が本当に優れているのか分からないと思います。では下記の場合ではどうでしょうか?
A社:(UA値:0.8/C値:1.0)
B社:(UA値:0.3/C値:0.3)
C社:(UA値:0.6/C値:1.2)
数値に直せばB社がこの3社の中で1番断熱性能、気密性能に優れているという事が分かります。断熱・気密性能を判断する時には書かれている文言ではなくUA値やC値の値を確認するようにしましょう。
アイ工務店のUA値、C値は快適に暮らせる値なのか?
高気密・高断熱住宅には定義が決まっていないとお話しましたが、実際に優れた断熱性能と気密性能をほこる本当の高気密・高断熱住宅であれば夏は涼しく冬は暖かく1年を通じて快適に暮らす事が出来ます。
では、UA値C値がどの位であれば本当の高気密・高断熱住宅と呼べて快適に暮らせる恩恵を受けられるのか説明していきたいと思います。
快適に暮らす為のUA値
快適に暮らす為のUA値を定める為にH25省エネ基準(熱等性能等級4)、ZEH基準、HEAT20 G1基準、HEAT20 G2基準、HEAT20 G3基準のUA値の指標を参考にしたいと思います。
地域区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
H25省エネ基準 (断熱等性能等級4) | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | – |
ZEH基準 | 0.4 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | – |
HEAT20(※1) G1基準 | 0.34 | 0.34 | 0.38 | 0.46 | 0.48 | 0.56 | 0.56 | – |
HEAT20 G2基準 | 0.28 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | – |
HEAT20 G3基準 | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.23 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | – |
快適に暮らすために確保しておきたいUA値はZEH基準を満たす数値です。建てる地域により数値は異なりますが東京・大阪の該当する6地域であればUA値0.6以下を目指したいところです。
(※1)
HEAT20とは20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会の略称
ZEH基準を目標とする理由
H25省エネ基準は平成25年(2013年)に定められた指標なのですが今では基準が古すぎて設定も緩いです。"省エネ基準"という名前がついていますが、この基準を満たしてもさほど省エネ住宅にはなりません。
H25省エネ基準は本来であれば2020年に義務化される予定でした。(義務化は見送られました。)2020年以降に建てる住宅はH25省エネ基準をクリアしていないと建てる事が出来ない!という最低限の数値だという事です。この数値を満たしても快適に暮らす為には物足りません。
(追記:2022年6月13日の改正法にて、2025年以降の建物はH25省エネ基準=断熱等級4の適合が義務化されました。)
ちなみにハウスメーカーのHP等によく書かれている『断熱等級4(最高等級)』はこのH25省エネ基準を満たしていれば名乗る事ができます。”最高等級”と聞くと何だか凄そうに思いますが実際はそこまで凄い数値ではありません。
ではZEH基準よりも厳しいHEAT20基準を目指すのはどうなのか?という所ですが、断熱性能だけを考えるのなら勿論OKです。ただし問題はコストです。
断熱性能を良くすればするほどコストもかかります。オーバースペックになる可能性もあります。その為、コストと快適性を考えた時にいい塩梅で落ち着くのがZEH基準を満たしたUA値という事です。
求められる断熱性能は年々高くなってきています。2025年には今まで最高等級だった断熱等級4が義務化され最低等級となります。
そして2030年にはZEH基準を満たす断熱性能が義務化予定となっています。
その為、2030年付近になると「ZEH基準となる断熱性能だと最低ラインだからHEAT20 G1基準は目指したい所ですね」という風潮になっているかもしれません。
快適に暮らす為のC値
平成11年(1999年)に改正された省エネ基準にはC値の基準となる指標があったのですが平成25年(2013年)に省エネ基準を改正・強化された時にC値の項目は削除されてしまいました。その為、現在C値にはUA値のように基準にできる指標がありません。
ちなみに平成25年(2013年)まで使われていたC値の基準となる指標は下図とおりです。
地域区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
次世代省エネ基準 | 2 | 2 | 5 | 5 | 5 | – | – | – |
この基準値はかなり古いので今の時代に全く適していません。たまにこの2013年まで使われていた指標を指して『気密性能の基準値を大幅にクリア』なんて謳っているハウスメーカーもあるので気を付けましょう。
これから家づくりを行う方であればC値は0.7以下を目指したい所です。
C値0.7以下を目指す理由
気密性能は住宅の換気性能と大きく関わってきます。穴の開いたストローでは上手に吸えないのと同様に、C値が悪く隙間だらけの家では換気が上手に行えません。下図は第三種換気システム稼働時の気密性能と隙間からの給気量の関係を表した表です。
C値が1.0でも自然給気口からは50%の給気しかできません。C値がそれ以上悪くなると換気能力が著しく下がります。ちなみに第一種換気システムに関しても同じような事が言えます。
下図は第一種換気システム稼働時の気密性能と風・温度差との関係を表した図です。
C値(相当隙間面積)が1.0の場合の総漏気量(風速2.5m~3m/秒の時)は0.22回/hとなっています。必要換気量が0.5回/hなので44%はその他(隙間)から入ってくる事になります。
換気能力が下がると汚れた空気が室内に滞留し健康に悪影響があったり、結露が発生しやすい環境になり住宅の寿命を縮める原因になったりと良い事がありません。
換気の事も考えるとC値は最低でも1.0以下が望ましいですがC値は経年劣化の影響を受けやすい事も考慮しておかないといけません。新築時にC値が1.0であっても10年後には悪くなっている可能性が高いです。
換気能力と経年劣化を考慮した時に、新築時に目指したいC値は0.7以下となります。10年後に建て替えを予定していたり、長く住む予定でない方であればC値1.0以下を目指す考え方でも良いと思います。
アイ工務店のUA値、C値は快適に暮らす為の基準を満たしている!
アイ工務店の標準仕様のUA値と暫定C値は、UA値=0.4(W/㎡・k)以下 C値=0.2~0.6(c㎡/㎡)です。
当サイトで定めた快適に暮らす為に必要なUA値はZEH基準を満たす値。C値は0.7以下です。よってアイ工務店の家は快適に暮らす為の基準を満たしていると言えます。また定義は決まっていませんが、UA値C値共に快適に暮らせる数値を満たしているのでアイ工務店の家は本物の高気密・高断熱住宅と呼べるでしょう。
誰もがハウスメーカー選びで失敗したくないと思っていますが、残念ながら失敗や後悔をする人が後を絶ちません。失敗してしまう最大の理由は最初の段階で比較・検討が不十分だからです。
マイホームに限らず車や高級家電を買う時にもデザインの差や価格の差、性能の差などを比較するのと同様にハウスメーカーを選ぶ時にも各社の特徴や性能、価格や保証制度や設備等を比較する必要があります。
注文住宅では一人一人の条件が違うので自分に合ったハウスメーカーを見つける事が大切です。その為に複数社のカタログを取り寄せ比較・検討を行いましょう。この作業を面倒くさがると後になって後悔します。先ずはパパッと一括で集めてしまうのが効率的です。
マイホームのUA値とC値を確認する方法
過去実績の数値も参考には出来ますが、注文住宅では1棟1棟仕様が異なるのでUA値、C値も変わってきます。その為、自分の家のUA値、C値を確認する事をおすすめします。
UA値を確認する方法
UA値は家の間取りや仕様が決まったタイミングで計算で求める事が出来ます。一通り仕様が纏まったらハウスメーカーに「UA値を教えて下さい」と伝えれば算出して貰えます。
ハウスメーカーによってはUA値の算出に別途費用が発生する会社もありますので、その辺は事前に確認をしておいた方が良いでしょう。
C値を確認する方法
C値に関してもハウスメーカーに気密測定を行いたい旨を事前に伝えておけば手配をしてくれます。ただハウスメーカーによっては「気密測定はやっていない」と断られるパターンもあります。
そんな時は自分で気密測定業者に直接依頼を行えば問題ありません。直接依頼をするメリットは、ハウスメーカーを挟まないので費用を抑えられる可能性がある事と、第三者の立場で測定をして貰えるので安心感を得られる事です。
デメリットとしては業者とのやりとりを全て自分でやる必要があり手間がかかるという事です。ちなみに気密測定1回の費用相場は5万円~10万円程度かかります。
気密測定を行うタイミング
気密測定を行うタイミングは主に2回あります。1回目は断熱・気密工事が終わった後(まだお家は完成していません。)2回目は竣工後(お家の完成後)です。
より安心感と確実性を求めるなら1回目、2回目と両方のタイミングで行う事です。ただし1回の測定につき5万円~10万円程度の費用がかかるので「出来れば1回に抑えたい」という方は、断熱・気密工事が終わったタイミングで測定を行う事をおすすめします。
理由は、そのタイミングであればC値が悪かった時に気密処理の弱いところを特定し、気密性向上のための施工がわりと簡単に行えるからです。竣工後の測定よりもC値の改善、手直しがしやすいのです。
気密測定の結果C値が悪ければ改善をしてもらう事は事前にハウスメーカーに話をしておきましょう。出来れば契約の条件に入れておいた方が良いです。
満足できるUA値、C値で家を建てる方法
高気密・高断熱住宅だと思っていたのに実際の数値は悪かった…なんて事にならないようにハウスメーカーと契約を結ぶ前に以下の事をしておくと良いです。
契約の条件に『UA値○○以下保証』を入れる
ハウスメーカーと契約を結ぶ条件の1つに『UA値:○○以下保証』を加えましょう。また契約の前に、UA値:○○以下保証を入れた状態で見積もりを貰うようにしましょう。
契約後に「UA値を○○以下にしたい」と伝えても「ではそのUA値にするにはこれが必要なのでこの位の追加費用が発生しますねー。」と想定外の費用が発生する可能性が高いので契約前に話を詰めておく必要があります。
ちなみにUA値は間取りや窓周りの仕様、断熱材などにより変わってきますので希望のUA値がある場合には出来るだけ早い段階で「UA値は○○以下を希望しています。」と伝えておいた方がスムーズです。
目標とするC値を提示して貰う
C値もUA値のように○○以下保証が出来れば良いのですが、C値は実測値なので保証までしてくれるハウスメーカーは少ないです。保証が無理な場合には目標とするC値を提示して貰いましょう。
その提示された目標値が本当に達成可能な数値かどうかは過去に建てた住宅の平均C値を尋ねて判断をして下さい。モデルハウスの数値よりも実際の施工住宅で測定されたC値の方が信用できます。
実際の施工物件で何度も良いC値を出しているハウスメーカーであれば職人さんの施工精度が高く丁寧な仕事をしてくれるでしょう。反対にC値のデータが乏しい会社やごまかしたりする会社は気密性能に自信の無い会社である可能性が高いので注意が必要です。
気密測定には費用がかかりますが1棟1棟数値が異なりますので、自分のお家を建てる時にはやっておく事をおすすめします。断熱・気密工事が済んだタイミングで1度気密測定を行い、その時にC値が悪ければ目標C値まで手直しをして貰う事も契約の条件に入れておくと良いです。
高気密・高断熱住宅を得意とするハウスメーカーにお願いをする
高気密・高断熱住宅を作り慣れているハウスメーカーであれば実績も豊富でノウハウも蓄積されています。特に気密性能は現場の施工精度に大きく影響を受けるので慣れていない会社であれば悪いC値になる可能性が高いです。
UA値は理論値なので費用をかければ数値上は良くなりますが、算出した数値と建てた家のUA値(断熱性能)が等しくなるかは現場の施工精度に関わります。
その為、過去に建てた住宅の平均C値を聞いた時にきちんと答えられるハウスメーカーなど高気密・高断熱住宅を得意としているハウスメーカーにお願いをした方がUA値、C値は良くなりやすいです。
アイ工務店以外でUA値、C値の優秀なハウスメーカー
アイ工務店以外でUA値やC値が優秀な、高気密・高断熱住宅を得意としているハウスメーカーは多くあります。この記事で定義をした快適に暮らす為に確保しておきたいUA値とC値を共に満たしているハウスメーカーを何社かご紹介したいと思います。
UA値0.6以下且つC値1.0以下を満たすハウスメーカー
UA値とC値の参照元が支店・加盟店を含む公式HPや公式が出したPDF資料に記載のあるハウスメーカーのみをピックアップしています。
社名 | UA値 (W/㎡・K) | C値 (c㎡/㎡) | 参照元 |
---|---|---|---|
FPの家 | 0.43 | 0.44 | 公式HP UA値・C値 |
R+house | 0.46 | 0.34 | PDF資料 UA値・C値 |
To Casa | 0.3 | 0.3 | 公式HP UA値・C値 |
アイフルホーム | 0.3 | 0.54 | 公式HP UA値・C値 |
アエラホーム | 0.39 | 0.47 | 公式HP UA値・C値 |
イノスグループ | 0.56 | 0.3 | 公式HP UA値・C値 |
ウェルネストホーム | 0.28 | 0.2 | 公式HP UA値・C値 |
ウッディ伊藤 | 0.22~0.34 | 0.1~0.3 | 公式HP UA値・C値 |
オートリホーム | 0.56 | 0.7 | 公式HP UA値・C値 |
カネカのお家 | 0.28 | 0.2 | 支店・加盟店HP UA値・C値 |
サイエンスホーム | 0.46以下 | 0.7以下 | 支店・加盟店HP UA値・C値 |
サンコーホーム | 0.28 | 0.5 | 公式HP UA値・C値 |
ジブンハウス | 0.46 | 0.2 | 支店・加盟店HP UA値・C値 |
スウェーデンハウス | 0.36 | 0.64 | 公式HP UA値・C値 |
セルコホーム | 0.37 | 0.492 | 公式HP UA値・C値 |
トヨタウッドユーホーム | 0.34 | 0.8 | 公式HP UA値・C値 |
フィアスホーム | 0.38 | 0.32 | 支店・加盟店HP UA値・C値 |
メープルホーム | 0.46 | 0.3 | 公式HP UA値・C値 |
ヤマト住建 | 0.27 | 1.0以下 | 公式HP UA値・C値 |
ユートピア建設 | 0.43 | 0.13 | 公式HP UA値・C値 |
ユニバーサルホーム | 0.34 | 0.4 | 公式HP UA値・C値 |
一条工務店 | 0.25 | 0.59 | 公式HP UA値・C値 |
九州八重洲 | 0.26 | 0.6 | 公式HP UA値・C値 |
建成ホーム | 0.3 | 0.27 | 公式HP UA値・C値 |
住ま居る | 0.3 | 0.5 | 公式HP UA値・C値 |
小嶋工務店 | 0.56 | 0.3 | 公式HP UA値・C値 |
小林住宅 | 0.29 | 0.15 | 公式HP UA値・C値 |
真柄工務店 | 0.46 | 0.5 | 公式HP UA値・C値 |
石井工務店 | 0.42 | 0.33 | 公式HP UA値・C値 |
大共ホーム | 0.15 | 0.2 | 公式HP UA値・C値 |
大庭工務店 | 0.46 | 0.5以下 | 公式HP UA値・C値 |
第一住宅 | 0.46 | 0.5 | 公式HP UA値・C値 |
土屋ホーム | 0.24 | 0.38 | 公式HP UA値・C値 |
馬渡ホーム | 0.26 | 0.29 | 公式HP UA値・C値 |
福岡工務店 | 0.43 | 0.08 | 公式HP UA値・C値 |
北洲ハウジング | 0.31 | 0.65 | 公式HP UA値・C値 |
全国すべてのハウスメーカーを把握している訳ではないのでランキングに名前がなくてもUA値、C値が優れたハウスメーカーは他にも沢山あると思います。自分の建築予定地でC値、UA値の優れたハウスメーカーが他にないかは下記よりお探し下さい。
UA値、C値を下げる方法(断熱性能、気密性能を上げる方法)
施主側で比較的簡単に実施ができるUA値とC値を下げる方法(断熱性能、気密性能を上げる方法)をいくつかご紹介したいと思います。
UA値を下げる方法
断熱材をより良いものにすれば断熱性能を上げる事は可能ですが、それよりも先に注目すべき点が窓です。なぜなら屋根や外壁、床から熱が逃げたり侵入するよりも、窓から熱が逃げたり侵入する割合の方がかなり多いからです
つまり壁、天井、床、窓の中で1番断熱性能が低いのが窓で、その窓の断熱性能を上げる事が家全体の断熱性能を上げる事に直結します。
窓の断熱性能を上げる時にチェックすべきポイントは以下の3点です。
・窓サッシの種類
・窓ガラスの種類
・スペーサーの種類
窓サッシの種類
窓サッシは大きく分けて4種類あります。アルミサッシ→アルミ樹脂複合サッシ→オール樹脂サッシ→木製サッシの順に断熱性能が良くなります。
おすすめの窓サッシはオール樹脂サッシです。木製サッシも断熱性能的には申し分ないのですが割高です。
窓ガラスの種類
窓ガラスは大きく分けて4種類あります。単板ガラス→複層ガラス→Low-E複層ガラス→Low-Eトリプルガラスの順に断熱性能が良くなります。
ガラスとガラスの中空層に入れる気体は大きく分けて4種類あります。乾燥空気→アルゴンガス→クリプトンガス→真空の順に断熱性能が良くなります。
おすすめの窓ガラスはLow-E複層ガラス(アルゴンガス入り)です。もちろんLow-Eトリプルガラスの方が断熱性能は優れていますが費用が高くなるので、寒冷地にお住いの方や予算に余裕のある時にLow-Eトリプルガラスを検討する形で良いと思います。
スペーサーの種類
スペーサーとはガラスとガラスの間のスペースをつくるためのパーツです。スペーサーは2種類あります。アルミスペーサー→樹脂スペーサーの順に断熱性能が良くなります。
おすすめのスペーサーは樹脂スペーサーです。
以上のように窓に使われているパーツにこだわる事で窓の断熱性能を上げる事が出来、UA値を下げる事が出来ます。
また窓のサイズや設置数も断熱性能に関係してきますので、単純に窓のサイズを小さくしたり設置数を減らす事でもUA値を下げる事が出来ます。
玄関ドアや勝手口にも注目
玄関ドアや勝手口の断熱性能を高める事でもUA値を下げる事が出来ます。断熱性能を高めたい場合には玄関ドアと勝手口を選ぶ時に熱貫流率(U値)を確認しましょう。
(熱貫流率(U値)とは熱の伝わりやすさを表す数値で、値が低ければ低いほど熱の移動を少なく抑える事が出来る=断熱性能が高い。という見方が出来ます。)
C値を下げる方法
C値を下げる(気密性能を上げる)為にチェックすべきポイントは以下の3点です。
・窓の構造
・配管・コンセント周り
・C値改善を行ってくれる業者に依頼
窓の構造
気密性能の観点から見ても窓は需要なポイントになってきます。特に気にしたいのが窓の構造です。日本の住宅で1番よく見かける横方向に開閉する『引き違い窓』ですが気密性能はあまり高くありません。
気密性能を重視するならビジネスホテルなどでよく見かける『すべり出し窓』がおすすめです。もしくは欧米で一般的に使われている『開き窓』も引き違い窓よりは気密性能が高いです。
開閉しない採光のみが目的の窓であれば、1番気密性能の高い「FIX窓」を採用する事でC値を下げる事が出来ます。
ちなみに断熱性能と同様に窓のサイズや設置数も気密性能に関係してきます。単純に窓のサイズを小さくしたり設置数を減らす事でもC値を下げる事が出来ます。
配管・コンセント周り
上記画像は右側だけ気密処理を施し、左側は未処理で裏側から冷風を送った時の実験画像です。2つを比較すると明確な温度差が生じている事が分かります。特に使用率の高いグラスウールなどの繊維系断熱材ではこの温度差が顕著に現れます。
配管・コンセント周りの1個あたりの隙間は小さくても、家全体で考えると大きな隙間となります。配管・コンセント周りの気密性能を確保する為に気密部材等を的確に使い気密処理をきちんと行っているか確認をしておきましょう。
C値の改善をサポートしてくれる業者に依頼
気密測定は施主が直接業者に依頼をする事ができます。気密測定業者の中には測定時に隙間箇所の発見、改善までをサポートしてくれる会社もありますので気密施工に疎いハウスメーカーであれば、下記のような業者に依頼を出すのも手です。
まとめ
アイ工務店のUA値やC値を調べた結果や、快適に暮らす為に確保しておきたい数値や、失敗しない高気密・高断熱住宅の建て方、UA値・C値の下げ方などをご紹介してきましたが如何だったでしょうか。
アイ工務店はお値打ち価格でありながらも高品質、自由設計、長期優良住宅に標準対応など住宅性能も優れており多くの方に選ばれている住宅メーカーですが、アイ工務店に負けず劣らず優れた住宅の提供を行うメーカーは他にも沢山あります。
これから家づくりを検討される方は、始めから候補となるハウスメーカーを絞り過ぎるのではなく出来るだけ多くのハウスメーカーの中から比較をした方がより自分に合ったベストな住宅会社を見つける事が出来ます。
ハウスメーカー選びに失敗しない為にも時間的な余裕を持って出来るだけ多くの候補を上げて比較・検討を繰り返しましょう。素敵なマイホームづくりを応援しています。
【価格別や人気のテーマから探せる】
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